概要
遠見東高校の生徒会長・七海燈子(ななみ・とうこ)と副会長・佐伯沙弥香(さえき・さやか)のカップリング。強い信頼で結ばれた“パートナー”であり、よき“ライバル”、そして…。
あらまし
沙弥香は、常に燈子を裏で支え続ける「女房」のような存在で、燈子のことをよく知っている。その関係性は、燈子の「隠し事」への沙弥香の臨み方にも現れている。
そのため、(生徒会長副会長になってから)周囲からも「夫婦」と冷やかし気味に言われている。また、成績の1位2位を争うよきライバルでもある。
実際、沙弥香も燈子に思うところがある。実は、友澄女子学園中等部に通っていたころに付き合っていた先輩ー柚木千枝がおり、その頃に女性を恋愛対象と見ることを意識するようになった。しかし、卒業直前になって「気の迷い」の一言でフラれていた。傷心のまま入学した高校で燈子と出会い、一目惚れする。
だが、燈子はそのような目では見ていなかった。沙弥香もそれは分かっており、せめて「誰も好きにならないでほしい」と思っていた。
燈子は、姉のような皆に慕われる生徒会長を演じるため、自らの弱さを圧し殺していた。しかし、沙弥香は、“信頼できる”パートナーではあったが、それを明かせるような存在ではなかった。
そんな燈子の思いとは裏腹に、沙弥香は燈子が隠していた「弱い燈子」を知っていた。それでも、それは燈子が望んでやっていることで、自分が口出ししてはいけないというスタンスをとっていた。苦しむ燈子を、自分が支えていけばいいと考えていた。
そんな中、燈子は生徒会長選挙での推薦責任者に、これまで二人三脚で行動していたはずの沙弥香ではなく、小糸侑を指名する。
沙弥香は不信を抱き、侑が生徒会に入りますます接近する2人にジェラシーがわき上がる。
悩んだ沙弥香は、それを「Echo」のマスター・児玉都に打ち明ける。同じ関係を持ってい都ら分かると思ったのだ。沙弥香は気持ちを隠してでも傍に居たいと言う気持ちは卑怯だろうか、と。
それに対して、都は「自分の“好意”より、相手の“気持ち”を尊重している沙弥香は“いい子”」と諭す。自らの燈子との関係性を悟った沙弥香は吹っ切れた気持ちになり、ジェラシーは消え去っていったのだった。
明くる日、燈子は沙弥香が共にいることへの感謝を述べる。沙弥香は自分の燈子にとって「存在意義」を知り、気持ちが揺れ動く。しかし、沙弥香は「今は」このままでいよう、とその気持ちを飲み込むのだった。
燈子との関係性を新たにした沙弥香は、たまたま鉢合わせた柚木千枝を振る。そして、燈子から「何色の紫陽花が好き?」と問われる。
初夏の青空のもとに、青い紫陽花が咲いていた…。
こうして、ますます燈子への特別な気持ちを強くした沙弥香。その意識は強いようで、生徒会劇練習の合宿で大浴場に入る際、燈子の裸に対して羞恥の心を抱いている。また、侑への警戒心、もといライバル意識も強くしている。
2日目の夜、姉のイメージの解離について燈子が相談する。
その際、沙弥香が燈子の“核心”とも言える、姉について調べていたと明かし謝罪する。しかし、それについて「沙弥香ならいいよ」と、沙弥香は、自分の心にある程度踏み込んでいいと口にし、むしろ感謝の弁を述べている。