CV:表淳夫(TV版)/芦屋雁之助(映画版)
紹介
博打屋『遊興俱楽部』の社長を務めていた(多少は性格はとても優しい)が、竹本テツ(竹本チエの父親)がしょっちゅう博打(しかもインチキ)に来てからは、客が激減し始めたので、彼の借金を取り立てるために、『ホルモン焼き屋チエちゃん』を訪れるが、残念ながらテツは不在のため、代わりに娘のチエが相手をすることになった。そのときに、元飼い猫のアントニオが小鉄の気配を感じたため、テツを待っている退屈しのぎに彼は小鉄とチエの部屋で激闘を繰り広げるも、必殺タマつぶしの餌食を受けて、惨敗。オマケに彼の近所で飼われていた犬に噛み殺されて、博打屋からお好み焼屋『堅気屋』に転身する。
猫好き
チエ同様猫が好きで、小鉄に関しては最初は上記通りテツを取っちめる前に小鉄を血祭りにしようとしたために彼が死ぬきっかけを作ったことから、恨むどころか小鉄とも仲がいい。
アントニオが死んでからは、毎月14日には剥製になったアントンを店の棚に飾ってお経を唱えているが、普通は毎年であるという突っ込みが出るのもしばしば。またアントニオを噛み殺した近所の飼い犬を縁日で見つけたときは、最初は大石を持って、頭をかち割ろうとしたが偶然母・ヨシ江と外出中のチエが背後から声をかけたために、自分でぶつけてしまった。そのあと彼女達と会話している間に、犬とその飼い主の少年はテツに懲らしめられたが、彼はそのことを知らず満足する。また、祝いなどの外出にも剥製を持ってくることもある。
ジュニアが店を訪れた際は大変喜び、ジュニアと小鉄の喧嘩の仲裁の際に、ジュニアを傷つけないように小鉄に懇願した(詳細は小鉄)。
お好み焼屋を営んだ理由
アントニオは猫(猫は熱いものは食べられない)であることにもかかわらず、焼きたてのお好み焼(特に肉のついた)をおいしそうに食べるほど、好物なためアントンが喜ぶだろうと、お好み焼屋を営んでいる。最初はテツも手伝っていた(用心棒として雇った)が、現在はジュニアが手伝っている。
なお、作者のはるき悦巳自身が大のお好み焼き好きであり、自慢のお好み焼きを知人によく振る舞っていたという。また、アニメ化はされていないが、百合根自身がこだわりのお好み焼きを披露する話がある(一般的なお好み焼きと比べると、隠し味に糸切りスルメを入れるのが特徴で、これを入れない店が多いと愚痴をこぼしているシーンもある)。小鉄もこの店のイカ玉が大好物となっている。
二重人格の条件
アントニオがいなくなってからは、(以前より)温厚な性質になったが、時々昔の自分(?)に戻ることがある。
- 酒を1升超過飲む
- 酒を1升超過飲むと、荒々しい性格になり、テツやチエ父娘を巻き込んで大暴れする。そのため、酔いが覚めるまで数時間掛かる。しかし、素面でも馬鹿力であり、片手でテツをつかまえてぶん投げる場面も。
- 他者がアニトニオ(剥製)やジュニアなどの猫を苛める
- 上記の猫好きのせいか、アントニオや彼以外の猫が他者に乱暴に扱われたり、馬鹿にされると大変怒り出す。
離婚の経験
性格は結構ドジで、子育てもてんで下手糞。その性格で過去に当初まだ幼い息子のカオル(チエと同い年)に火傷をさせてしまい、幸い火傷は大したことはなかったものの、自転車にカオルをしっかり縛り付けなかったばかりに、病院にカオルを運ぶ途中で溝川に落としてしまったために、妻のミツ子に息子を連れて行かれてしまった。なお、原作ではミツ子は阪急沿線の上流家庭と再婚しており、宝塚にカオルを連れて行ったりしていた。
縁日ではテツに追い出されたヨシ江に子供や夫と仲良く暮らすように論したり、海水浴で彼女と語り合った(あの後で2本も酒を飲んでしまい、彼女を妻と勘違いして追い回した)。
時々はカオルと会っている。
アントニオJr.や猫のことを我が子のように可愛がるのもこれが関係しており、カオルに気をかけるときとは視線が違っていたことをJr.が小鉄に告げている。
出で立ち
実は有馬の名門旅館の御曹司であり、その跡取り長男だった。しかし、本人に全くその気がなく、嫡子を巻き込んだ世継ぎ騒動に嫌気が指し、使用人お丸の計らいで横山大観の掛け軸を持って家出した。その後、父親が危篤状態となり、本人の希望で酒を酌み交わしたことで和解し、後に彼は大往生を遂げ、百合根自身も遺産には興味がないと発言し、そのまま立ち去った。なお、その掛け軸は大阪城が買えるぐらいの価値だったが、本人はそれのせいで人生が大きく狂ったと後悔している。
お丸はその後、二人の部下だった従業員の双子(良子と恵子)と一緒に大阪へ赴き、彼女らも元は彼の見合い相手として招いていた。だが、彼女ら二人の姉、妹はそれぞれカルメラ弟、兄と意気投合し、同じ日に結婚、そして同じ日に出産を経験することになる。
その他
カナヅチのテツとは逆に、フジヤマのトビウオを自称するほど泳ぎは得意で、泥酔状態でも平然と泳げる(実際は死亡事故リスクが高いので絶対に真似しないこと)ほど。