島田荘司の推理小説に登場するキャラクター。探偵役御手洗潔の親友。『龍臥亭事件』や『御手洗パロディ・サイト事件』『パロサイ・ホテル』では彼が探偵役を務める。
1950年10月9日、山口県生まれ。A型。武蔵野美術大学卒、元イラストレーター。
2人の関係はシャーロック・ホームズとワトソンの関係に似る。つまり、御手洗が解決した事件を石岡君が作家として執筆する、という形である。
ホームズ達との違いは、ホームズがワトソンなしでも、イギリスでれっきとした紳士として、かつ探偵として活躍しているのに対して、おそらく、御手洗は石岡君がいなければ日本でちゃんとした生活ができなかっただろうということである(石岡君とのコンビを解消して、ヨーロッパ(北欧)に渡ってからはちゃんと研究者としてやっているようだ)。横浜での同居生活中は石岡君がほとんど家事を引き受けていたらしい。
和食ならたいがいのものが作れる(『セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴』)し、紅茶を淹れるのも上手い。御手洗も依頼人に「彼は料理が上手」「カボチャの皮からでもケーキを作れる」などと話している(『山手の幽霊』)。
御手洗の髪を切ってやったことも何度かあるらしい(『ロシア幽霊軍艦事件』)。
また御手洗は、日本人の常識から外れた言動をする事が少なくないので、彼と依頼人や事件関係者との摩擦を和らげる役割も担っている。
なお、そんな御手洗と比べると比較的常識人な石岡君だが、察しが悪かったり御手洗の説明に「どういう事なんだ?」と真顔で返す等、若干天然…もといアホの子っぽい所が時おり垣間見え、言動によっては彼をイラつかせてしまう事もしばしばある。
石岡君と御手洗の出会いは『異邦の騎士』事件(だが御手洗シリーズを読むならこの作品からではなく、『占星術殺人事件』や『斜め屋敷の犯罪』短編集なら『御手洗潔の挨拶』か『御手洗潔のダンス』を先に読むことをお勧めする)。ある時点での調査では、この『異邦の騎士』は島田氏の作品で人気ナンバーワンだった(同作品講談社文庫版、島田氏によるあとがき)。『さらば遠い輝き』では、2人の出会いの御手洗視点を知ることができる。
これ以来、石岡君が御手洗のもとへ通う形で交流が続き、やがて同居生活が始まる。2人でいくつかの事件に関わった後、御手洗は単身日本を離れ、石岡君は2人で住んでいた部屋に独り残されることになる。この事について作中ではたびたび御手洗に捨てられたというような表現が散見されるが、御手洗は前触れなく去ったわけではなく、石岡君を海外へ連れて行こうとそれとなくアプローチしていた様子が窺える(『最後の一球』など)。
この時の石岡君の落ち込みはかなり酷く、ただでさえ卑屈で謙遜気味だった性格が悪化して鬱状態に陥りかけた。しかしそんな彼も、犬坊里美との出会いと御手洗からもらった励ましの言葉を経て「自分は御手洗から日本を託された」と自覚し、次に再会するときは胸を張って隣にいられるよう精神体の成長を志している(龍臥亭事件および龍臥亭幻想)。
ちなみに著者自身は雑誌インタビューで「将来的には御手洗を一時帰国的な形で帰って来させようと思っている」と発言しているので、石岡君と御手洗が横浜の地で再び巡り合うのも、きっとそう遠くないのかもしれない・・・・
御手洗と石岡君のイラストは腐向けのものが多い(そもそも御手洗ものの同人誌は、島田氏公認のアンソロジーでさえ腐向けの作品が含まれている)。
なお、石岡君は美形かどうかという質問に対し島田氏は、御手洗は異性はともかく同性に関しては面食いだろうから石岡君は美形、という旨の回答をしている。
しかし、二次創作では石岡君をフツメンとして描いている事も多い。
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堂本光一:2015年のドラマ『天才探偵ミタライ〜難解事件ファイル「傘を折る女」〜』で石岡和己を演じた。