概要
著者のデビュー作『占星術殺人事件』を筆頭とする名探偵・御手洗潔が活躍するシリーズ。
本格推理小説の先駆けにしてシャーロック・ホームズの日本版ともいえる作品である。雑誌記事などでも探偵役の御手洗潔は『和製シャーロック・ホームズ』と紹介されている。
また二次創作界および同人誌において『ミステリーシリーズ』というジャンルを確立させた作品ともいえる。
2012年からモーニングにて原点火によって『ミタライ 探偵御手洗潔の事件記録』というタイトルで漫画化。2015年3月には御手洗潔役に玉木宏、石岡和己役にキンキの堂本光一を迎えて『天才探偵ミタライ』として単発ドラマ化を果たし、翌年の2016年6月には御手洗シリーズ国内編最終作を劇場化した『探偵ミタライの事件簿 星籠の海』が放映。それに先駆けて2016年1月から月刊ヤングマガジンにて赤名修により漫画化を果たしている。
なお、劇場版の御手洗潔は玉木宏がそのまま演じているが、ワトソン役には広瀬アリス演じる映画オリジナルキャラクターが登場する。
あらすじ
横浜の馬車道に住む風変わりな占星術師探偵御手洗潔と、その相棒にして唯一の友人である石岡和己。二人の元に持ち込まれた風変わりで奇妙な事件を、御手洗の頭脳が鮮やかに解き明かしていく。
主な登場人物
御手洗潔(みたらい きよし)
本作の主人公にして探偵役。当初は東横線の綱島に事務所を持つ「探偵が趣味の占星術師」だったが、パートナーとなる石岡和己と出会い、横浜の馬車道に事務所を構えてからは「星占いが趣味の私立探偵」となり、近年では「探偵が趣味の脳科学者」という設定になる。
IQ300以上の頭脳を持ち数々の博士号を取得した天才だが、躁鬱の気質がある変人。
石岡和己(いしおか かずみ)
本作のもう一人の主人公にしてワトソン役。とある事件に巻き込まれかけていた所を御手洗に助けてもらい、一緒に横浜の馬車道に住むようになってからは公私ともにパートナーとなる。常識人かつ丁寧な物腰だが、少々アホの子気質。
松崎レオナ(まつざき れおな)
ハリウッドで活躍する女優。スウェーデン人と日本人のハーフ。御手洗に思いを寄せているが、いつも軽くあしらわれている。彼女が持ち込んだ情報が事件に発展する場合もある。
犬坊里見(いぬぼう さとみ)
明るく活発な今どきの法学部の女子大生。後に司法試験に合格し司法修習生となる。御手洗渡欧後の石岡君のパートナー。
ハインリッヒ・フォン・レーンドルフ・シュタインオルト
スウェーデン在住のドイツ人ジャーナリスト。御手洗が渡欧し研究者となって以降のワトソン役。
作品リスト
本のタイトル | 作品タイトル | 語り手 | 注釈 |
---|---|---|---|
占星術殺人事件 | 占星術殺人事件 | 石岡 | |
斜め屋敷の犯罪 | 斜め屋敷の犯罪 | 石岡 | |
御手洗潔の挨拶 | 数字錠 | 石岡 | |
疾走する死者 | 隈能美堂巧 | ※『嘘でもいいから』シリーズの主人公 | |
紫電改研究保存会 | 関根 | ||
ギリシャの犬 | 石岡 | ||
異邦の騎士 | 異邦の騎士 | 記憶喪失の男 | |
御手洗潔のダンス | 山高帽のイカロス | 石岡 | |
ある騎士の物語 | 石岡 | ||
舞踏病 | 石岡 | ||
近況報告 | 石岡 | ||
暗闇坂の人喰いの木 | 暗闇坂の人喰いの木 | 石岡 | ※レオナ初登場 |
水晶のピラミッド | 水晶のピラミッド | 石岡 | |
眩暈 | 眩暈 | 石岡 | |
アトポス | アトポス | 三人称 | ※御手洗とレオナ |
龍臥亭事件 上・下 | 龍臥亭事件 | 石岡 | ※石岡主役、里美初登場 |
御手洗潔のメロディ | IgE | 石岡 | |
SIVAD SELIM | 石岡 | ||
ボストン幽霊絵画事件 | 石岡 | ※ハーヴァード大生御手洗 | |
さらば遠い輝き | ハインリッヒ | ||
Pの密室 | 鈴蘭事件 | 石岡 | ※幼稚園児御手洗 |
Pの密室 | 石岡 | ※小学生御手洗 | |
最後のディナー | 里美上京 | 石岡 | ※石岡と里美 |
大根奇聞 | 石岡 | ※石岡と里美、御手洗電話で登場 | |
最後のディナー | 石岡 | ※石岡と里美、御手洗電話で登場 | |
ハリウッド・サーティフィケイト | ハリウッド・サーティフィケイト | 三人称 | ※レオナ主役、御手洗電話で登場 |
ロシア幽霊軍艦事件 | ロシア幽霊軍艦事件 | 石岡 | |
魔神の遊戯 | 魔神の遊戯 | 御手洗、バーニー | ※ウプサラ大教授御手洗 |
セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴 | シアルヴィ館のクリスマス | ハインリッヒ | ※ウプサラ大教授御手洗 |
セント・ニコラスの、ダイヤモンドの靴 | 石岡 | ||
上高地の切り裂きジャック | 上高地の切り裂きジャック | 石岡 | ※御手洗電話で登場 |
山手の幽霊 | 石岡 | ||
ネジ式ザゼツキー | ネジ式ザゼツキー | 御手洗、ハインリッヒ | ※ウプサラ大教授御手洗 |
龍臥亭幻想 上・下 | 龍臥亭幻想 | 石岡 | ※石岡主役、御手洗電話で登場 |
摩天楼の怪人 | 摩天楼の怪人 | デントン | ※コロンビア大助教授御手洗 |
溺れる人魚 | 溺れる人魚 | ハインリッヒ | ※ハインリッヒ主役 |
人魚兵器 | ハインリッヒ | ※ストックホルム大教授御手洗 | |
耳の光る児 | ハインリッヒ | ※ウプサラ大教授御手洗 | |
海と毒薬 | 石岡 | ※御手洗宛の手紙 | |
UFO大通り | UFO大通り | 石岡 | |
傘を折る女 | 石岡 | ||
最後の一球 | 最後の一球 | 石岡 | |
リベルタスの寓話 | リベルタスの寓話 | ハインリッヒ | ※御手洗電話で登場 |
クロアチア人の手 | 石岡 | ※御手洗電話で登場 | |
進々堂世界一周 追憶のカシュガル→(改題)→御手洗潔と進々堂珈琲 | 進々堂ブレンド 1974 | サトル | ※京大生御手洗 |
シェフィールドの奇跡 | サトル | ※京大生御手洗 | |
戻り橋と悲願花 | サトル | ※京大生御手洗 | |
追憶のカシュガル | サトル | ※京大生御手洗 | |
星籠の海 上・下 | 星籠の海 | 石岡 | |
御手洗潔スペシャルトーク〈上〉孫子の兵法の重要性とは? | 石岡 | ※ノベルス版のみ、御手洗と石岡の電話(2015年) | |
御手洗潔スペシャルトーク〈下〉弾丸なき戦争のトリックとは? | 石岡 | ※ノベルス版のみ、御手洗と石岡の電話(2015年) | |
屋上の道化たち | 屋上の道化たち | 石岡 | |
御手洗潔の追憶 | 御手洗潔、その時代の幻 | 島田荘司 | ※御手洗と石岡の知人として |
天使の名前 | 三人称 | ※御手洗潔の父直俊が主人公 | |
石岡先生の執筆メモから。 | 里美 | ||
石岡氏への手紙 | 石岡、レオナ | ||
石岡先生、ロング・ロング・インタヴュー | 島田荘司 | ※御手洗と石岡の知人として | |
シアルヴィ | ハインリッヒ | ||
ミタライ・カフェ | ハインリッヒ | ||
あとがきに代えて | 島田荘司 | ※御手洗と石岡の知人として | |
ローズマリーのあまき香り | ローズマリーのあまき香り |
作品リスト(シリーズ番外編)
本のタイトル | 作品タイトル | 語り手 | 注釈 |
---|---|---|---|
毒を売る女 | 糸ノコとジグザグ | 亀淵、林 | ※御手洗が名無しで登場 |
切り裂きジャック・百年の孤独 | 切り裂きジャック・百年の孤独 | ホルツァー | ※御手洗が偽名で登場 |
島田荘司読本 | レオナからの三通の手紙 石岡氏への手紙、「BEWITH」への手紙、読者への手紙 | レオナ | ※1通目及び短編作品は、御手洗潔の追憶とメロディに所収 |
御手洗くんの冒険 #1 | ブローフィッシュ教殺人事件 | 御手洗 | ※漫画(原作:島田荘司 作画:源一実)、中学生(飛び級)御手洗 |
御手洗パロディ・サイト事件 上・下 | 御手洗パロディ・サイト事件 | 石岡 | ※石岡と里美、多数のパスティーシュの中に本編に関わる本物1作 |
御手洗パロディサイト事件2 パロサイ・ホテル 上・下 | パロサイ・ホテル | 石岡 | ※石岡と里美、多数のパスティーシュをヒントに謎解き |
御手洗くんの冒険 #2 | マンモス館殺人事件(上) | 御手洗 | ※漫画(原作:島田荘司 作画:源一実)、中学生(飛び級)御手洗 |
御手洗くんの冒険 #3 | マンモス館殺人事件(下) | 御手洗 | ※漫画(原作:島田荘司 作画:源一実)、中学生(飛び級)御手洗 |
犬坊里美の冒険 | 犬坊里美の冒険 | 三人称 | ※里美主役、石岡電話で登場 |
ダ・ヴィンチ 2016年6月号 | 香具山の白い衣 | 石岡 | ※星籠の海スピンオフ |
関連イラスト
初心者のための御手洗シリーズと年表