概要
クレヨンしんちゃんのエピソードの一つ。
野原家がガス爆発で爆散してしまうという衝撃のエピソード。
あらすじ
あるよく晴れた日、外で洗濯物を干していたみさえは「何だかいいことありそう」という。
そこにしんのすけがサッカーボールを蹴ってやってきた。よそでやれというみさえの言うことを聞いてしんのすけは別の場所でサッカーを始めたが、突然別の方角から鈍い音がした。
みさえが駆け付けるとなんとさっきまでしんのすけが蹴っていたサッカーボールが壁にめり込んでいたのだった。逃亡を図ったのかしんのすけはそこにはいない。
物干し竿を使ってサッカーボールを取り除こうとするみさえだったが、足を踏み外してボールをついてしまい、壁に大穴を開けてしまった。大ショックを受けるみさえに戻ってきたしんのすけは「人は過ちを犯す生き物だから……」と励ますのだった。
その後、ひろしが壁の穴を修理することとなった。穴に枠をはめてセメントを塗りたくる作業を始めるひろしを見たしんのすけは自分もやると言い出した。危ないというひろしに何でもできる立派な男になりたいと宣言したしんのすけに感動するひろし。しかしみさえに早く修理しろと怒られてしまった。
釘を打つために枠を抑えているしんのすけ。だがいざひろしがハンマーを打ち付けようとしたとき、頭に止まったトンボを両手で捕まえたせいでずれて枠を破壊してしまった。
そのころ、がんばっている二人のためにお汁粉を作ろうとするみさえだったが、ガス台が古くなっているのか火がつかない。するとひまわりが化粧水を飲み込もうとしていたのを見て慌てて止めようとしたがテーブルに蹴躓いてテーブルを盛大に破壊してしまった。みさえの悲鳴を聞きつけ駆け付け唖然とするしんのすけとひろし。
するとひろしが異変に気付いた。
「おい、なんかガス臭いぞ……」
「いけない!ガスつけっぱなし!火!」
そこへしんのすけが
「ほい火!」
とチャッカマンをつけてしまい、野原家は火柱を上げて大爆発してしまうのだった。
犬小屋ごと空高く飛ばされたシロが地上に着地すると同時に黒焦げアフロになった野原一家が棒立ちになっていた。
「あと32年ローンが残ってるのに……」
その後
このエピソードの後しんのすけが家が無くなったため今回でクレヨンしんちゃんは終わりと宣言するが、みさえに止められ、ひろしが「つづく」の札を出し後半に続く。
続きとなる「オラの家がなくなったゾ」ではしんのすけが隣のおばさんの家で目を覚まし、ひろしは野原家の跡地で家族との思い出を思い出しながら泣いていると隣のおばさんやミッチーとヨシリン、組長先生やカスカベ防衛隊に励まされて立ち直り、さらにみさえがへそくりで火災保険に加入していたことから家が再建されることになる。次の「引っ越しだゾ」でいつまでも隣のおばさんの家に居候するわけにいかないからと家が完成するまでの仮住まいをさがすがひろしの条件がきつすぎてなかなか見つからず困っていたが最終的に新婚時代に住んでいたアパートに似ていたという理由で家が完成するまでの間またずれ荘に住むこととなる。
そしてこのエピソードからまたずれ荘編へと繋がることになる。
原作との相違点
- 壁に穴が開いた原因が台風で看板が突っ込んできたこと
『安心な生活をあなたに!アクション生命保険』
「安心して暮らせねーよ!」
- 穴を塞ごうとしたときにアニメでは蝶を捕まえようとして板を放してしまいさらに穴を広げてしまったが、原作ではトンボになっている。
- 家の床下がシロアリに食われており、みさえがゴキブリをかかと落としで潰そうとして床に大穴を開けてしまう。-
余談
―ギャグマンガでよくある「次の話には何事もなかったように元通り」と思いきや、本当に家が無くなり次の回以降約一年間またずれ荘で生活していたという展開は当時の読者に衝撃を与えた。
―この展開について作者である臼井義人は掲載誌が「漫画アクション」から「まんがタウン」へ移籍することになったため、「掲載誌を引っ越すのならいっそ、しんちゃんの家を爆発させてしまいましょう」と提案したからだという。
―様々な要因が重なったとはいえ、流石にガスが充満している状況で火をつけるというしんのすけの行動はギャグっぽく描かれてはいるが、今回ばかりは本当にシャレにならない事態を引き起こしてしまったと言える。