概要
夏に暑さを避けるため、工夫をこらして涼しさを味わうこと。涼み。
日本では、古くは緑陰あるいは水辺に涼を求めることが多かった。
『宇津保物語』や『源氏物語』では、平安貴族は寝殿造の泉殿や釣殿で、池の面を吹く夕風を感じながら、釣りをしたり詩歌の会や音楽の会を催して暑さを忘れたと書かれている。
また氷室に貯蔵しておいた氷を、立夏の日に『氷室開き』(氷室から氷を取り出す行事)をして、盛夏にそれを用いたりしていた。
江戸時代になると、夕方の涼風を利用して行う夕涼みは、貴賤を問わず盛んになり、川に屋形船を浮べたり、河原を利用したりして遊興がなされた。