概要
統合幕僚長(通称:統幕長)とは、自衛隊の実質的な総司令官であり、防衛省の制服組トップのこと。
有事の際に防衛大臣の命令を受け、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊の幕僚長から戦力の提供を受けて、陸海空の区別に囚われない統合任務部隊(JTF)を編成し、その司令官を通じて指揮を執る要職である。隷下のJTFの司令官には陸上総隊司令官や陸自方面総監、自衛艦隊司令官や海自地方総監、航空総隊司令官などが任命される。
平時は防衛大臣のアドバイザーとして活躍し、しばしば国家安全保障会議で専門家としての意見を述べる。また、統合幕僚長の業務を補佐する為に、統合幕僚監部という陸海空自の区別を越えた組織がサポートする。
しかしこれだと統幕長が大臣らへの補佐に忙殺され、部隊運用の指揮が出来なくなるのではという問題が指摘されている。実際に令和6年能登半島地震では、時の統幕長が対応の激務により過労で倒れて入院する事態も発生した。このため2020年代半ば、統幕を大臣の補佐に専念させ、これとは別に部隊運用に専念する統合作戦司令官と統合作戦司令部が統幕長の下に設置される。
統合幕僚長は陸将・海将・空将のいずれかの階級の自衛官より任ぜられ、諸外国での軍隊では大将相当と見なされる。