概要
日本の国務大臣のひとつ。防衛省の長たる国務大臣であり、国家行政組織法第5条第1項に規定する「各省大臣」のひとつに数えられる。前身は防衛庁長官であり、2007年に第1次安倍内閣が防衛庁を防衛省に昇格させたことに伴い、置き換えられた。英称は"Minister of Defense"。
日本国憲法第66条の規定に基づき、文民統制(シビリアンコントロール)を確保するため、防衛大臣には文民(簡単に言うと、軍人でない者のこと。日本においては自衛官でない者がこれに該当する)が命ぜられなければならない。また、内閣総理大臣の指揮下において自衛隊を監督する。
なお現職でない自衛官obについては文民として扱われ、これまで森本敏・中谷元の2名の自衛隊出身者が就任している。
このように重要機関を統括する官職ではあるが、戦後しばらくの間、自衛隊が積極的に動くことはあまりなかったため、前身の防衛庁長官は初入閣者が命ぜられることが多い官職であった。しかし、近年、日本を取り巻く国際情勢の変化、自衛隊の活動範囲・機会の国内外での増加(災害派遣、海外派遣等)、国民の自衛隊に対する支持の広がり等もあって、自衛隊のプレゼンスは着実に向上してきており、それに伴い防衛大臣の閣僚ポストとしての重要度も大きくなってきている。
2022年現在の現職者は岸信夫(第2次岸田内閣)。
フィクション作品においては、下の統合幕僚長その他の自衛隊制服組、又は上の内閣総理大臣がクローズアップされることが多いため、脇役になりがち。しかし、リアリティを重視する作品では群集劇を構成する一人として登場することも。もっとも、性格は人それぞれであり、頼りにならない新入閣者、優れたリーダーシップを発揮する者、強硬なタカ派など様々。
歴代の主な防衛大臣
- 久間章生(第1次安倍内閣、初代防衛大臣)
- 小池百合子(第1次安倍内閣)
- 石破茂(福田康夫内閣)
- 北澤俊美(鳩山由紀夫内閣、菅直人内閣、菅直人第1次改造内閣、菅直人第2次改造内閣)
- 田中直紀(野田第1次改造内閣)
- 稲田朋美(第3次安倍第2次改造内閣)
- 岸田文雄(第3次安倍第2次改造内閣、外務大臣兼任)
- 小野寺五典(第3次安倍第3次改造内閣、第4次安倍内閣)
- 河野太郎(第4次安倍第2次改造内閣)
- 岸信夫(菅義偉内閣、第1次岸田内閣、第2次岸田内閣)