概要
第二次関大戦後に制定された日本国憲法の憲法9条に明記されている通り、日本は軍事力を放棄した平和国家である。自衛隊は軍隊ではなく、国内を守る警察の予備戦力が増強されていった結果、誕生した国土防衛の為の組織でしかない。
従って自衛隊で使われる階級は旧軍が使っていた軍階級とは異なる階級を用いているのは当然といえる。だから旧軍の階級と対応する一覧表があっても、それはあくまで便宜的なものに過ぎないのである。
ややこしいという意見もあるだろうが、ややこしくしないと憲法違反になるから無理なのである。
階級一覧
自衛隊※1 | 旧軍の階級 | 警察予備隊 | 保安隊 |
---|---|---|---|
幕僚長※2 | 大将 | ||
〇将 | 中将 | 警察監 | 保安監 |
〇将補 | 少将 | 警察監補 | 保安監補 |
1等〇佐 | 大佐 | 1等警察正 | 1等保安正 |
2等〇佐 | 中佐 | 2等警察正 | 1等保安正 |
3等〇佐 | 少佐 | 警察士長/3等警察正 | 1等保安正 |
1等〇尉 | 大尉 | 1等警察士 | 1等保安士 |
2等〇尉 | 中尉 | 2等警察士 | 2等保安士 |
3等〇尉 | 少尉 | 3等警察士 | 3等保安士 |
准〇尉 | 准尉 | ||
〇曹長※3 | 曹長 | ||
1等〇曹 | 軍曹 | 1等警察士補 | 1等保安士補 |
2等〇曹 | 伍長 | 2等警察士補 | 2等保安士補 |
3等〇曹 | 兵長 | 3等警察士補 | 3等保安士補 |
〇士長 | 上等兵 | 警査長 | 保査長 |
1等〇士 | 一等兵 | 1等警査 | 1等保査 |
2等〇士 | 二等兵 | 2等警査 | 2等保査 |
※1 〇にはそれぞれ対応する自衛組織の名が入る。
陸上自衛隊→陸。海上自衛隊→海。航空自衛隊→空。
例えば1等〇尉で陸上自衛隊なら「1等陸尉」、海上自衛隊なら「1等海尉」、航空自衛隊なら「1等空尉」となる。
※2 幕僚長は役職であり階級としては〇将と一緒だが、幕僚長とそれ以外では歴然とした差がある。
※3 1980年に新設された階級である。
※4 2等〇士の下に三等兵扱いの3等〇士があったが、さまざまな問題から平成22年10月1日に廃止された。
※5 階級を略して呼ぶ場合、1等〇尉なら「1尉」といったように「等級の数字+『佐』『尉』『曹』『士』のいずれか」で略称される。