概要
初出は漫画『鬼滅の刃』の公式スピンオフ「キメツ学園」。学年は不明の生徒・累の名前(フルネーム)として登場した。
これに準じて本稿では累が人間であった頃についても解説する。
名前の留意
「綾木累(あやき るい)」は、公式スピンオフ「キメツ学園」に登場する(元は)鬼の累へ与えられた名前。公式ファンブック・弐だと、原作上で人間だった頃の名前は「累」とされている。
そのため「綾木累」とは、キメツ学園にのみ登場する架空の人間として用いられる名前なのかもしれない。
ただし、これといった確かな規制・制限はないので、作品のタグ付けなどで「綾木累」を用いる場合は、上記の事があると留意しておけばいいぐらいの認識で用いればよろしいかと思われる。
キメツ学園の累
7巻にて設定が明かされた。
学年は中等部一年紅葉組で、煉獄千寿郎のクラスメイト。あやとり大会で優勝し、キメツ新聞でも特集が組まれて一躍時の人に。
独特のホクロが可愛いとネットでも話題らしい。
キメツ学園!では8話から登場。夜によく中等部校舎に入り浸ってあやとりの練習をしていることと、霊感があり、学校にいる妖怪の気配を感じとれることが明らかにされた。
学園七不思議に投稿するためのお化け探しに来た禰豆子一行と会い、高等部から気配を感じることを伝えた。禰豆子たちから一緒に行かないか誘われるものの断ったが、代わりに大量のお菓子をプレゼントされた。
8話時点では千寿朗とはクラスメイト故に顔見知り程度の間柄であったが、秘密を知ったためか親しくなったようで、以後は千寿朗とセットでモブ出演している。
最終話(30話)の最強文化祭でも千寿朗と一緒に行動して、過去にハイカラバンカラデモクラシーのゲリラライブを聞いていたことが判明して、千寿朗から感想を聞かれてずばり「地獄」と答えた。
最後のコマでは千寿朗を司会にあやとりを披露していると見られる写真がある。
人間の累
容姿は、鬼の累を黒髪にして顔と目の紋様が失せて、白肌から生気のある肌色になった風貌。
人間の累は生まれつき身体が弱い子どもだった。それは外を歩くだけでも、数歩進めばその場に倒れてしまうほどの虚弱体質。そのためか同年代の子どもと遊ぶなどの交流は、累本人が望もうとしても出来ず、殆ど寝たきりで家族と暮らす生活だったようだ。
父(CV:立花慎之介)と母(CV:桑谷夏子)の三人家族で不遇な少年時代を過ごす人間の累。
彼はどこからか知った『家族の話』が印象深く心へ留まっていた。それは川に落ちた我が子を命懸けで助けた親の話。その親は子を助けるために命を落としてしまった。悲しい結末であるが、人間の累は〝家族の絆〟が強い糸で結ばれたように頑な繋がりがあったから出来た行動に、心から感動し強く憧憬していた。親が子を助ける〝役目〟を果たした事。それは親の愛情であり尊い行いで、それはかけがえのない存在(きずな)なのだと感じた。
『家族の話』を今の自分と重ね、この窮地から救ってくれる相手(かぞく)を想って考え深くなっていたのかもしれない。
彼から「鬼」にならないかという提案、それが救いであるという誘惑の言葉を囁かれる。まだ幼い人間の累は、それでどういう結末になるか考えが及ばなかったのかもしれない。いや、それよりも〝今〟の不遇な身体・生活から救われる願望が強かったのだろう。
人間の累は「鬼」になった。
累本人は、満足に動ける強靭な身体や病に脅かされずにいられる事へ歓喜した。しかし喜んだのは累本人だけで、累の両親は一人息子の変貌を快く思わなかった。
それでも家族として、暫くは人間として暮らす累だった。
(余談だが、鬼となったばかりの鬼は飢餓状態となっている為、累は鬼となった直後に同じ家に居たであろう両親を喰い殺していてもおかしくは無かったが、そうはならなかった為鬼化後も一応の理性は保たれていたようである。)
だが〝人間〟の生活は唐突に終わる。
今の累は人間ではなく「鬼」で、人を食べなければ生きていけない生物。
ある日、一人息子が人を喰い殺している現場を目撃してしまった両親。母は泣き崩れ、父は慟哭しながら就寝中の息子を殺そうとし、目を覚ました息子(累)は激昂、両親を手にかけた…。
そして、もうこの場にはいられないと悟り、人間だった累は鬼の累として悪鬼羅刹の道を歩む。
それでも〝家族の絆〟に執着していた鬼の累は、鬼の主・鬼舞辻無惨から気に入られていた事(鬼化後も人間時代からの名前である累を名乗らせている事からも特別扱いであった事が窺える)や、その潜在能力が高い事もあってか、同族嫌悪や「共食い」の性質を持たされる鬼でありながら、他の鬼と『家族』になる特異な存在へとなっていった。
関連項目