「だあれ? わたしは、くるおかつばきです」
概要
CV:古賀葵
偽りの聖杯戦争にライダーのマスターとして参加することになった10歳の少女。
両親が得たある一族の術の影響で魔術回路は後天的に増幅している。
まだ10歳と3ヶ月の幼い少女ながら、ともに魔術師である両親から自分たちの研究成果をその身に宿し、次代に受け継がせるための道具としてただ両親の期待に応えたいという子供らしい健気さで苦痛と恐怖しか与えられない実験に耐え、遂には『細菌』の暴走によって意識を奪われ1年以上前から昏睡状態にある。そんな状態にもかかわらず両親からは次代に血を引き継がせればいいとしか思われてない。
そんな中、自ら意図せぬままライダーを召喚、偽りの聖杯戦争の最初の参加者となる。
両親の行った非道な実験により、その魔術回路は後天的に絶大な増幅・拡張を遂げてはいるが、まだ繰丘家の魔術を伝授される段階にはなかったため、使える魔術は彼女が無意識に行使している「夢の中に現実を投影する」もののみ。現実世界を再現するための演算に大容量の魔術回路を要する割に、夢の中から現実に働きかける事は出来ず、進んで研究したり開発したりする魔術師もまずいないような術である。但し、そこにライダーの能力が合わさる事で、椿の夢は病に冒され、生ける死者と化した人々を閉じ込める牢獄へと変わっていく。
まだ幼いためあまり難しいことは考えられず、「大好きな家族と幸せな毎日を過ごす」以外に特に望みはない。まがりなりにも魔術師としての訓練を受けているため、敵意の無い霊などの超自然的なものは平気だが、地震や雷などの自然現象は年相応に怖がる。
しかしそこは成田良悟の登場人物。劇中の人物達の度肝を抜く選択を自ら選ぶことになる。
上述の細菌は南米由来らしく、型月設定のアステカ・マヤ神話の神々はそれらに似た細菌を起源としており、関連性が疑われている。魔術回路の本数ではなく、質を上げるために導入されたとの事だが、椿のような幼い体にしか定着しないという。
関連人物
繰丘夕鶴
彼女の父親。穏やかな人物なのだが、やはりというか魔術師的な思考の持ち主。一応、衣服には困らせておらず、パンケーキを振る舞うなど食事を摂らせたり、童話を読む機会や内容を思い起こす余裕を与える程度には愛情を与えているが、必要とあらば、自分本位な理由で手を切断しようとするなど、その形は利己的かつ歪んだものである。
妻も同じ考えの様子。本来は彼が聖杯戦争参加者になる予定であったため、夢の世界から解放されると椿からマスター権を奪取しようと試みるが、シグマの怒りを買ってしまい、魔術回路を破壊される。
短絡思考の持ち主でもあり、一度はペイルライダーに瞬殺されていながら、復活早々に英霊の速度を侮ったまま、呑気にマスターである椿の令呪を腕ごと切断する算段を口にしていた(ペイルライダーの速度はBと、決して鈍足とは言い難いのだが、腕の切断と令呪奪取が済む前に、また同じ英霊に襲撃されるとは考えなかったのだろうか……)。
鮫
夕鶴が用意していた始皇帝召喚用の触媒である弩に付いてきた精霊。
どうやら彼女に害をなす様子は無いようだ。
恐らく始皇帝が生前に射殺した怪魚『大鮫魚』の事。蓬莱に至れない理由は彼にあると吹き込まれた始皇帝が殺したが、数日後に病で死亡しており、恐らく呪殺されたのだと思われる。
『病』に関連したキャラクターであるが故の登場なのかもしれない。ちなみに、ウォッチャーは海獣の姿をしているが、関連性は不明。
キャラクター造形的に彼女の系譜。
ライダーと主従関係にある点や、災いを齎しかねない原因になったという共通点がある。
ちびちゅき!でも慎二から幼少期の桜にそっくりと評されている。
こちらは幼少時に、夢の空間内で(身体面か精神面かの違いはあれど)人でなしで特定の真っ直ぐな人物に熱烈で歪んだ愛情を抱く者によって、破滅に導かれた点・魔術や兵器を表立って用いぬ一般人に対し、意図的に悪意や攻撃性を向ける気がない点で共通。
ただし椿が父親から酷薄な仕打ちを日常的に受けていたのに対し、美沙夜は父親から真っ当な愛情を注がれている。
余談
演者の古賀女史はFateシリーズにおいては『FGO』のクリームヒルトに続いて二人目のネームドキャラを演じることとなる。