三皇を超越し、五帝を凌駕せし覇者。それこそが始皇帝、即ち朕である!
プロフィール
プロフィールは真人躯体の数値。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するルーラークラスのサーヴァント。レアリティは☆5。
第2部3章『人智統合真国 シン 紅の月下美人』で異聞帯の王として参戦。プレイアブル実装前から、同章の最終戦においてサポートとして使用可能だったが、その後2018年12月4日よりプレイアブル実装された。
人理が座に登録した英霊として存在は『Fate/strange Fake』で示唆されており、繰丘夫妻は当初始皇帝を召喚しようとしたが、娘が別のライダーを召喚したために失敗に終わっている。
また、カルデアエースの『英霊伝承〜荊軻〜』でも汎人類史の始皇帝が登場していた。
真名
現在の人類史にいたる過程で「不要なもの、不要なゆらぎ(イフ)」としてそぎ落とされた“もしも”の秦、「その先は行き止まり(デッドエンド)なので歴史を打ち切る」と並行世界論にすら切り捨てられた異聞帯の中国に君臨した皇帝。それが本作の始皇帝である。
本名・嬴政。汎人類史でも、奇怪な肉塊を背部に接続した異形の姿で不老不死を得ていたが、そちらは荊軻の特攻で微量のヒュドラ毒を刻まれたことにより不死性を失っている。その後も晩年に至るまで不死を求めたが、錬丹術研究の過程で水銀中毒によって逝去した。
異聞帯では、哪吒の残骸を発見したことで太乙真人のロストテクノロジーを知り、これを解析することで肉体を機械化する技術を獲得。「真人への羽化登仙」ではなく「霊珠子技術による肉体のサイバネ化」で不老不死を達成した。その実体は首都・咸陽上空に浮かぶ超巨大機械構造物「阿房宮」である。宝具開放時にはこれが仮想顕現する。
なお、『英霊伝承〜荊軻〜』によれば、汎人類史および異聞帯の始皇帝は荊軻によって不死性を失うまでは同じ歴史を歩んでおり、前述の肉体のサイバネ化を確立させた場合は異聞帯へ、それが間に合わないか霊珠子技術自体を得られなかった場合が汎人類史への歴史の分岐点となる模様。
その治世
人命の限界を超えた治世により戦乱時代を回避した結果、中国は西洋ルネサンスに先駆けて産業革命を達成。その圧倒的技術格差によって全世界を征服し地球国家を統一。
そして現在に至るまでの2200年余りもの間君臨し、地上全土の民達から生・老・病・死の苦痛を排した永久不変の管理社会を敷く絶対者となった。
既に地上は統治し切ってしまったため、衛星軌道上に防衛機構である「長城」を築いてまだ見ぬ侵略宇宙人への対策を講じている。己が統治を「完成された世界」と誇っていたが、未来への伸びしろを一切失った行き止まりの歴史と世界に断じられ、剪定された。
その統治は彼なりに秦とそこに住まう民達の為を思ってのものであり、民は生まれてから死ぬまで何かに思い煩うことなく健康に生き、始皇帝を讃え、死んでいく。
世界が統一されたため戦乱というものがなく、それによる死者もない。民の文化レベルこそ低いが、食糧問題や環境問題も存在せず、表面上は理想的な社会であり、圧制者絶対殺すマンであるスパルタクスですら自身のあり方に一瞬迷いを抱いていた。
しかしそれは始皇帝による、愚民政策の究極と言える統治であった。
この異聞帯において「人」とは始皇帝のみを指す。民は「民であって人民ではない」。
おおよそ全ての「知識」を「儒」と呼び徹底的に根絶しており、中国における文化的基盤のひとつである詩はおろか、字や親兄弟、自分の名前という概念など、民間に文化と呼べるものは何1つ残っていない。民の歓楽といえるものは始皇帝からの下賜――向精神作用のある薬物――のみとなっていて、首都・咸陽には各地から芸術の才能がある者が集められてはいるが、タコ部屋のような居住空間に押し込められた彼らが命の危機を推してまで一心不乱に作り出すものは、全て始皇帝を讃えるためだけにあり、「芸術家」と呼べる者は1人もいない(ダ・ヴィンチからも「こんなものは芸術でもなんでもない」と憤怒と共に否定している)。
汎人類史における暴君としての側面に違わず、民が知恵をつける事を嫌い、自分の意向に反する者は容赦なく粛清する。必要とあらば衛星軌道に移設した「長城」の一区画を地上へとパージして一地域丸ごと灰燼に帰すことも辞さない。この家畜かペットと呼ぶほかない民の実状を知った荊軻は、「この醜悪な統治」と嫌悪を露わにし、始皇帝打倒の決意を新たにした。
過去に偉業を為した傑物達は、全て驪山の冷凍保存施設にて有事の備えとして休眠させ、必要に応じ解放させ活動させている。なお、国盗りなどを考えそうな輩については、基本的に彼の治める絶対の泰平の世に放たれることはない(時と場合によって解放を考えるのかもしれないが)。
地球全域を支配するに足る能力の向上を求めて機械化聖躯を拡張し続けた結果、始皇帝の身体は居城であった阿房宮をも呑み込み、その巨体を咸陽上空に反重力で浮遊させるまでに至る。ゴルドルフはその巨体をデススターに例えている。
機械化聖躯の内部構造は人体ではなく自然環境そのものを模倣したものであり、ミニチュアの山林に水銀の河川が流れるという人工庭園の様相を呈していた。身体そのものを小宇宙とし、実際の自然界の運行と照応させる風水魔術の原理によって、阿房宮型始皇帝は駆動している。
人物
一人称は「朕」。
自らの姿を民に惜しむことなく晒し、口調で飾らなくとも自らの絶対性は疑われないという絶対の自信を有している。根本的に非常に聡明且つ、「自分が唯一の人として世を統べる」という認識の元絶対的とすら言える責任感を持つ人物である。だが、その反面で永きに渡る独裁のためか、あるいは後述の価値観の為か寛大であると同時に非常に尊大であり、多様性を否定している為に現代人から見た常識に欠けている面も存在する。しかし、聖躯形態時から片鱗を見せていたが所々に妙に軽い言い回しが混ざりながら気さくに接したりするなど、意外にもフランクな一面も見せている。
芥ヒナコから「支配欲と探求欲の権化」と評された通り、己以外の自我を「醜悪」と断じ、民から知識の一切を奪うなど、独裁の極致とも言える体制を敷いている。その一方で、未知の技術には感嘆し、取り入れようとする。具体的には己の永世楽土を突如として寸断した大嵐の壁を超えるためにカルデアの虚数潜航技術に興味を示し、賓客の礼をもって技術提供を申し込んだり、そのカルデアが「儒」を広める可能性があると知るや即座に接触した民ごと抹殺しようとした。
上述の様に知識・技術の普及には否定的で、競争相手がいないことから発展の方向もかなり限定的。自分だけが使えればいいため小型化への理解と関心がなく、カルデア一行が持ち込んだパソコンやスマホも演算装置としか認識せず、通信機能やその軍事的利点に関しては韓信や荊軻に言われるまで全く気づかなかった。
事実異聞帯の壁の向こうを調査するべくシャドウ・ボーダーを接収・解析した際は、搭載されたテクノロジーの密度に「ノミの解剖でもしている気分」「久々に忍耐の限界に挑んでいる」と呆れ返り、自分が機能すべてを再現したら余程の研究を重ねない限りは弩級戦艦サイズになるとも分析している。
マテリアルでは「根幹において善意の人物」「他者の窮状を見逃さない」と評される。しかし、何事も「秦が一番」という物差しで計り、かつ彼にとっての民(自分以外の者)は「家畜かペット」と考えているため、その行動理念は価値観の異なる他者にとってありがた迷惑でしかない。それゆえ、カルデアとの対話から知った汎人類史の「すべての民が人たり得る世界」すなわち民主主義の可能性に大きな衝撃を受けることとなった。
コヤンスカヤ曰く「他の異聞帯の王は純粋に“人の手に余る怪物”だが、始皇帝は“人の手に余る人”」「力任せの怪物は“その存在”自体が恐ろしいが、知恵持つ人間は“その行動”が恐ろしい」「このままでは中国異聞帯はクリプター側の手を離れる」「空想樹もアナタの苗床になる前に伐採されるかも」とその強かさを称賛しており後の章でも「人のすべてを体現した」と評価している。
最終盤において荊軻に機械化聖躯を機能停止に追い込まれた始皇帝は、「真人躯体」と称するヒト型の身体に精神を写し、荊軻をその背後から急襲、殺害した。
仙人の体質をコピーしたその霊基はルーラークラスで、かつ冠位クラスに匹敵する高次元のものだった。「カルデアの歴史と朕の歴史、どちらにも糺すべき非があり、誇るべき義があった。ならば信念を語り尽しあった以上、もはや問答による判定は不毛、後は人理の継承権を賭けた殴り合いをおいて他にない」とし、世界の存亡を賭けてカルデアに戦いを挑む。
このように、中国異聞帯としては彼のみが唯一の「人」であることや、民たちは不幸や悲嘆といったネガティブな感情を理解さえしないほど満ち足りたものであったことから、クリア報酬の概念礼装「不死鳥は大地に」は、カルデア退去後の滅び行く異聞帯の様子を、始皇帝を中心として「もしもの姿ではなくそのままの形で」描き出しており、民たちと同じ目線で最後の時をいつも通り過ごす始皇帝たちの幸せな様子が描かれていた。
サーヴァントとして
第2部3章のストーリー後にサーヴァントとなったらしいが、召喚された直後の台詞は「主人公が気になったので着いて来た」というノリ。カルデアに召喚された後は、(あくまでも秦の再興に役立てるためではあるが)汎人類史の様々なものについて吸収しようと色々と見聞きしているらしい。
2020年6月に追加された幕間の物語ではカルデアにやって来た経緯と目的が明らかになり、消滅しつつある異聞帯を見届ける傍らで阿房宮型始皇帝がシャドウ・ボーダーから密かに入手していた特異点に関するデータを元手に「種火」を多数仕込んでおり、それをカルデアとサーヴァントの始皇帝が探知することで異聞帯から干渉する術を模索していた。
ちなみに主人公たちの世界については絆lvが低い時だと「目に余る過ちがあれば秦再興に乗り出す」と釘をさしており、幕間においてそれが文字通りの意味であったことが分かる。
2019年水着イベント『水着剣豪七色勝負!』では、ラスベガスの賭場を「王侯たちの外交会場」と勘違い。ポーカーで「注目されている間は被害を出さずに、余所が争い合うと勝ちをかっさらう」という戦法で幸運A+を誇る征服王を含むギャンブラー相手に大勝していた。
しかし、ギャンブルの概念を教えられた際、惰性の極致と憤怒し、ラスベガスの壊滅に寸間なく踏み切ろうとした。どうにか力づくで抑えられたものの、「ラスベガスが特異点である」と聞いて、今度は「博打も特異点特有の現象」と勘違いし、イロモノの相手をさせられることに同情しながらも主人公に特異点解決を一任、カルデアに帰ってしまった。どれだけ自由なのか……
しかし、絆LVが上がると「目に余る悪逆や汚埃(おあい)もあるが、自分の世界になかった美徳や驚きがある」と評し、万人が人民としての矜持を持つというこの世界を見守ると宣言してくれる。もっとも、上記の「秦再興」に関する台詞が聞けなくなるわけではない。不満は抑えても秦が一番というスタンス自体はブレないようだ。
本質としてあらゆる時間軸の人の世の行く末を真剣に憂いている為政者であり、世界の危機には積極的に関与する。その手段は非常に徹底しており、主人公を「共に覇を競った民にして人たる者」と認めて庇護する一方で主人公との契約は義であるが、異星の神の打倒は大義であるとして、主人公が万一敗北した際、異星の神の侵略を阻止する為に策を講じる程。
現に2部3章でも捕らえて拷問に掛け命乞いをしたコヤンスカヤに対し、今ここで見逃したとしてもまた別の異聞帯で同じことをする気だと見抜きあえて殺さず、封印の術式で対処する気だった。
ちなみに本編で第2部3章に到達する以前でもピックアップであれば召喚が可能だが、人智統合真国シン攻略後と攻略前では召喚時の台詞が異なり、時系列の手違いについて触れてくるという仕様になっている。シン攻略前に召喚した場合、主人公から見ると未来に出会う相手がフライングで来てしまったということになるが、始皇帝自身もそれを把握しており、
「そなたとはいずれ覇を競う事になるのだが……その有様を他ならぬ朕が傍らから見守るというのはなかなか面白そうな趣向だな。その時は是非特等席で観戦させよ」
という特殊なマイルームボイスがある。
好きなものにも嫌いなものにも水銀を挙げている。
変わらぬ美しさを持つ事から自分にピッタリだと思う一方で、かつて不死を求めた際に呑んだ時のマズさ苦しさが長年を経た今でも忘れられないようだ。
戦闘ではどっかのロードやその姪っ子の水銀ゴーレムによく似た流体で斬撃や射撃を行う。
バレンタインイベントでは性別不明扱い故に男女版双方にシナリオがある。
女性バージョンでは「不老不死の仙丹」をくれるというとんでもない事をしでかしてくる。薬の性質上治験などは行っておらず、もちろん副作用などの危険性は一切不明。なお、一度飲んだら二度と普通の人間には戻れないとの事。
一方、男性バージョンでは、永世秦帝国の食事情について聞く事が出来る。
曰く、始皇帝自身は食を「文化の華」と見做していたが、始皇帝の身体がサイバネティクス化してからは食を必要としなくなり捧げ物としての料理が必要無かったことや、始皇帝の作った仙麦がただ炊き上げて食すだけで一日の栄養を全て賄えるうえ意気軒高・精力絶倫になるというチートスペックすぎる作物であった事から、次第に人々が食べ物を調理する気を無くしてしまい、「料理」という文化が自然消滅してしまったとの事。したがって、異聞帯には世界三大料理のひとつと言われるほど発展したあの中華料理が存在しない。食文化の消滅という民の選択について始皇帝は、「そも調理などという工程は、食すにあたって完璧なる食物がないからこその手間暇である。」と語っており、民が仙麦で満足しているならあえて食文化を再興するつもりは無かったようである。
真人躯体になってからは味覚を実装しておいたおかげで久々に味覚を実感したそうである。チョコの甘味は驚天動地だったとか。「(仙麦が)完璧すぎたが故に潰えてしまった創意工夫の文化というものもあったのだな」と汎人類史の食に素直に感心を示し、お返しに永世秦帝国の「文化の華」であった工芸技術の粋を凝らした特別性のチョコを作ってくれる。
霊基再臨第一・第二段階ではSFチックなボディースーツ風の外見をしているが、第三段階では生前を思わせる中国皇帝風の衣装に変化する。
能力
人為的に生み出された霊基であるためか、ステータス・クラススキル・宝具はすべてB+ランク、保有スキルはすべてAランクと均整のとれたパラメータになっている。
モーション中では、液体金属を操作して戦闘を行っており、巨大な玉を投下したり、両腕にブレードを形成して斬りつけたり、敵の身体から棘を突き出したり、水銀の刃を飛ばしたりする。
仙術も使用し、背中の輪をビットのように飛ばしたり、炎の鳥を形成したりしている。
第3再臨では、水銀のサーベルや大剣を作り出したり、それらに肩の青炎を纏わせたり、散弾のように発射したり、敵の足元から液体金属の渦を巻き起こしたりするという攻撃に変化する。
エクストラアタックでは、火の鳥を出現させて青い火柱を発生させている。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
---|---|---|---|---|---|---|
藤丸立香 | B+ | B+ | B+ | B+ | B+ | B+ |
保有スキル
対魔力(B+) | ルーラーのクラススキル。魔術に対する抵抗力。詠唱が三節以下の魔術を無効化する。大魔術や儀礼呪法などを以ってしても、傷つけるのは難しい。概ね紀元前の魔術に対しては対処出来るが、それ以降に汎人類史で編み出された魔術に関しては異聞帯の始皇帝にとって未知である為、突破口になり得る。 |
---|---|
書は焚すべし(A) | 他者の魔術回路に対して重圧を与える事が可能となる。2000年以上に亘り全世界を支配し続けた為政者としての始皇帝の結論を示す。民衆は徹底して知識を奪って衆愚に貶め、自意識の発芽を摘み取る事で、天下泰平の礎とする。 |
儒は坑すべし(A) | 敵対者に対し物理的重圧を科し動作を妨げる。坑す、とは生き埋めの処刑法を意味する。紀元前中国では大量虐殺の手段として最も効率的であり、今なお圧倒的な支配と苛烈なる統制の意思として、始皇帝のスキルに顕現している。 |
永世帝位(A) | 仙界の真人としての自己再生能力。不滅の為政者としての健勝さこそが始皇帝にとっての最優先事項である。それ故に、自己回復の手段は必須となる。 |
多多益善(ドゥオドゥオイーシャン)号
シャドウ・ボーダーの解析結果を基に、別の徴税車を改造して再現した戦闘装甲車両。熱線兵器・自動擲弾砲・1,500馬力ガスタービンエンジンを搭載。「多多益善(多ければ多いほど良い)」という名の通り「大量生産による随時投入」に重きを置いた設計コンセプトとなっており、始皇帝の行動力もあって、わずか1日で量産体制の確立に成功している。
しかし、質の方はお世辞にも高いとは言えず、火力はそれなりに搭載できたのだが、機構・装甲はサーヴァントが殴ればすぐ壊れる程度の強度であり、制御系統も自動人形の使い回しであった(後に始皇帝自身が政務リソースの0.03%を使って遠隔操縦をしている)。
初戦闘時は「急造品」という防御デバフスキル持ちのうえ、BGMが夏イベント。なぜか魅了有効だった。ボーダーを解析の為一度分解し再びくみ上げる際「余ったネジ」を出してしまう等、完全には解析も模倣もできておらず、実際のところ解析出来た技術の一部を流用して作り上げた普通の装甲車両、デッドコピーというべき代物。
秦良玉からはその紙装甲っぷりを「ぜんっぜんダメです!」と酷評されていたほか、虎のモチーフをやっつけ気味に追加した蛇足感あふれるデザインセンスは(マシュ以外の)カルデア陣営から総スカンを受け、特にダ・ヴィンチちゃんに至っては、「あれ焼き尽くして!対界宝具持ってきて!」と発言する程の逆鱗案件であった。
ただ、長らく兵器製造と無縁であったにもかかわらず、未知の技術を手にした途端にそれなりの火力の武装を備えた遠隔操縦式の装甲車で一個大隊を作るというのは普通に驚異。
ちなみに、史実で虎を模した兵器は三國時代の「虎戦車」が初。
後に、コヤンスカヤが(百均ショップでも買わないと酷評していたのに)「中国異聞帯特有の生物(?)」として蒐集していたことが判明。始皇帝本人はこの事を知ったらどう思うのだろうか……
宝具
始皇帝(ザ・ドミネーション・ビギニング)
- ランク:B+
- 種別:対界宝具
- レンジ:10~999
- 最大捕捉:60億人
「遊びは終わりか?」
「天と地の狭間にて、人は斯く在るべしと、此処に新たなる法(のり)を敷く!」
始皇帝の敷いた中央集権制度の国威の具現。
ただ独りの真人たる帝が、万民の奉仕を礎に万民を守護する法政の容。これを呪的な拘束力として世界そのものに強要する宝具。その場にいる全員を(敵味方の区別なく)弱体化させ、始皇帝ただ1人だけが圧倒的な能力増強を獲得する。
ただし対象範囲は始皇帝が自らの領土領民と認識した範囲に限定されるため、厳密には対界宝具のカテゴリには嵌まらない。また、どのような効果を及ぼすのかという具体的な部分は不明。
そして、過去に例を見ない60億人という膨大な最大捕捉を誇る宝具。
設定から考えると彼の支配する異聞帯の総人口なのだろう。
なお、よくネタにされるが、法(ノリ)なのであって海苔や糊ではない。あとワカメでもない。
ゲーム上での性能
最大HP | 15828 |
---|---|
最大ATK | 9977 |
カード配分 | Quick×1/Arts×2/Buster×2 |
スキル1 | 書は焚すべしA / 敵全体のチャージを1減らす&敵全体の防御力をダウン(3ターン) |
スキル2 | 儒は坑すべしA / 敵全体に確率でスタン状態を付与(1ターン)&自身の攻撃力をアップ(3ターン) |
スキル3 | 永世帝位A / 自身のNPを増やす&自身の弱体状態を解除&自身のHPを回復 |
宝具 | Arts / 自身に無敵状態を付与(1ターン)&自身にターゲット集中状態を付与(1ターン)&自身の攻撃力をアップ(3ターン)<オーバーチャージで効果アップ>&自身のクリティカル威力をアップLv1~(3ターン)&自身のスター集中度をアップ(3ターン) |
ステータス・性能面ともに救国の聖処女と不朽の名探偵を足して2で割ったワンマンヒーロー。
ルーラーという多くのクラスからの攻撃を半減できるクラス特性に加え、宝具がターゲット集中効果を持つことにより盾役のルーラーとして機能できる。なお、宝具やスキルによるバフの倍率次第だがルーラーの耐久力も活かし単騎アタッカーとして活躍することも可能。
特に聖杯戦線においては、クラス耐久力・無敵宝具・回復&NP補充スキル・敵スタンが噛み合うため、使えるならば使わない理由がないほど強力な一騎となる。
「書は焚すべし(A)」と「儒は坑すべし(A)」で敵陣を搔き乱し、「永生帝位(A)」でNPをチャージしながら態勢を整え、宝具で味方を庇いながらクリティカルアタッカーとして圧倒する強烈な個性を発揮する。自らをサポートする味方を擁護しながら、存分に暴れ回る爽快な立ち回りが可能な半面、編成そのものを自身主役として調整しないと真価を発揮しづらいという、なんとも始皇帝らしい問題点も同居している。
自己強化型宝具ゆえにArtsクリティカルアタッカーとして運用しないと攻撃性が鈍り、そしてスター生産役がいないと無双スイッチが起動しないため、他のエースアタッカー系の多くとは折り合いが芳しくない。同様にカード性能に頼ってスター生産するQuickタイプとは、スターの安定供給が難しい点から微妙な齟齬が生じる。
ほかにも無敵貫通が使えるクリッター、強化解除を連発できる相手には要注意。そこさえ抑えれば、覇道を以って押し通る最強の皇帝が降臨する。
性別:朕
極限まで進化したサイバー仙術の結晶として培養した「真人・始皇帝」の肉体は、人体が至りうる究極の均整と能力を備えた超生命体となっている。
唯一絶対にして永遠不滅、繁殖の必要すらないため性別をも超越している。
そのため、ゲーム中でもデオンやエルキドゥらと同様に性別を参照する特攻・バフ・デバフに全く引っかからない。ただし彼(女)らと違って黒髭の「紳士的な愛」の対象から外されている一方で、亜種特異点2の絆ボーナスの対象者であるなどゲーム的には特殊な扱いを受けている。
特殊な扱いを受けている性別「朕」だが、女性サーヴァントに特効礼装の攻撃力上昇効果が適用される『復刻版:プリズマ・コーズ』の開催告知時に「始皇帝に特効効果は乗るのか?」もっと言えば「朕は魔法少女になれるのか?」という点がマスターの間で注目された。
そして開催日前日告知において始皇帝にも特効礼装の攻撃力上昇効果が適用されることが明言され、始皇帝も魔法少女になれることが確定し、魔法少女プリズマ☆始皇帝/プリズマ☆朕というネタが誕生した。これにより同日新規実装が発表された美遊と共に、イベントには一切出てこないにもかかわらずイベントの話題の中心となった。
男の子だってプリキュアになれるのだから朕が魔法少女になれない道理は無いのである。
関連人物
生前
暗殺を返り討ちにしたが、かつて自分が有していた不死を剥奪した者。
始皇帝は怒り狂って荊軻の死体を切り刻んだという。
その今際に、「王は人として在るべきなのです」という言葉を送っていた。
人智統合真国の始皇帝に対しては、生理的嫌悪に近い感情を示す。始皇帝としては、今までに幾度となく命を狙われていた事もあってか彼女のことは「自分を暗殺しに来た無数の刺客の一人」程度としか認識していなかった。異聞帯における戦いの終盤、史実と重なるように二人は対峙し――
不老不死を求める中、そのための霊薬を探しに行くと自ら名乗り出てきたため、費用や人手を用意させた。史実ではそのまま逃亡を図ったとされるが、Fate世界では先に邂逅していた虞美人を永遠に続く生から解放してあげたいという一念で、不老不死を殺す研究のために出資させたらしい。
因みに不老不死の為になりふり構わぬ有様になった特異点の自分を見て、死の間際の自分の惨状を省みた本人は徐福が逃げ出すのも当然と思っている。
鮫(コウ)
『Fate/strange Fake』にとある形で登場したキャラクター。始皇帝を名前で「政」と親しげに呼ぶ性別不詳の麗人であり、汎人類史において、不老不死を求める過程で蓬莱への到達を妨げるものとして殺害した存在。その正体は十中八九、大鮫魚である。
この後、始皇帝は病に倒れ命を落とすことになるが、おそらく神殺しのために呪殺されたものと思われる。彼を殺害するためにありったけの礼装や装飾を搭載した弩弓なんて物を作った(伝承通りであれば、現実世界から夢の世界の存在を射抜くことができる秘密道具めいた代物らしい)。
本人同士の面識はないが、機能停止した彼女の残骸を発見した始皇帝によって「会稽零式」が作り上げられた。よって、項羽にとっては、始皇帝と哪吒の2人は両親ということに……?
汎人類史の始皇帝が接続した肉の塊が太歳ではないか?という考察がある。現実の歴史の記録にも、始皇帝の時代には肉霊芝と呼ばれる地中から見つかった肉の記述がある。不老長寿の仙薬の材料になり、いくらでも生えてくる、というもの。現実のものは肉厚な茸だという説が有力。
異聞帯
驪山で保存されている凍結英雄の1人。
世界平和と民の安寧を実現した始皇帝に対し、並々ならぬ忠誠心を抱いている。また始皇帝に従う経緯からか、「儒」の否定についてはある種狂的な様相を示す。
ただ、始皇帝大絶賛の多多益善号の良さについてはちょっと理解できない模様。
凍結英雄の1人で、国士無双の異名を持つ、始皇帝が現在の身体になるより前を知る名軍師。
その類稀なる戦術眼で以て、世界各地の敵対勢力を滅ぼすことに大いに貢献した。
始皇帝はその性癖を「キモすぎる」としつつも、実力面では最も信頼しており、韓信の方も確かな忠誠心を抱いている。被害を覚悟した戦術を立てさせればさらに恐ろしい才覚を発揮できるが、天下の安定を望む始皇帝の手前、自重している。始皇帝も、その点については不憫に思っていた。
始皇帝の傍に仕えている、皇室近衛武官のトップ。
秦良玉や韓信などとは異なり、現代の異聞帯を生きる生身の人間。しかし、始皇帝の仙術バイオニクスによって150年の齢を重ね、その果てに積み上げた功夫は奇襲とはいえコヤンスカヤさえ昏倒させ、彼女をして韓信と帥武の双璧を為す「もう1人の国士無双」と言わしめる。凍結英雄を覚醒させる際、万が一の事態に備えた抑え役を任されており、信頼されていることが窺える。
桃園ブラザーズ
ほぼ間違いなく『三国志』の「桃園の誓い」で有名なあの義兄弟のことと推測される凍結英雄。
始皇帝からは「目覚めたついでに内乱でも起こされたら目も当てられない」「勢い余って国盗りとかはじめかねん」と警戒されている。なお、サーヴァントとして実装されるかどうかは不明。
忠実な配下……というより兵器。殷の遺跡から発掘された仙術人形の残骸より作成された。
史実においては秦帝国を事実上滅ぼした者であり、なおかつ始皇帝の巡行に会った際には、「彼奴に取って代わってくれるわ!」と叫んだという。
Fate/Grand Order
中国において国を暴虐のままにした彼女のことを警戒しており、秦から消え失せても別の場所で悪行を働きかねないと述べている。そのため、隙を突いて拘束。完全に封印する術を見つける前段階として、壮絶な拷問を行い力を削いでいた。コヤンスカヤの方は、その統治に対する嫌悪(「人間は嫌いだが、家畜になった人間を見るのは願い下げ」)もあってか、始皇帝を非常に嫌っている。
彼女のペースを狂わせるために何度も(おそらくわざと)名前を呼び間違えていたが、中国異聞帯陥落後も後々別の場所で彼女のペースを狂わせることに……
カルデアでも、(彼女のオリジナルと目される)玉藻の前の動向には目を光らせているらしい。
敵対した汎人類史のマスターにして、「人たる民」。
カルデアに召喚されてからも自らの考えを曲げるつもりはない始皇帝だが、彼/彼女の存在は汎人類史が有する美徳の最たる物であると認めている。
彼女の真名から思うところがあるようで、所持時に専用マイルームセリフが有る。
彼女が辿った道筋に思うところこそあれど、中華を治めた竜であると認めている。
「儒の極み」として嫌悪している。神秘を否定し、社会全体に先進技術を普及させ、人民すべての文明レベルを引き上げる、という業績は、確かに始皇帝の信念とは完璧に真逆といえる。
ただしエジソンの方は「オンリーワンにしてゼネラルな指導者」とある程度敬意を払っている。
滅多な事では他人を認めないどころか名前すら覚えないギルガメッシュだが、始皇帝に対しては「ただ一人で惑星(ほし)を背負った男」「人の極致」「お前の登場は二千年早かった」と最大限に認めている。イベント(の主に礼装イラスト)ではオジマンディアスとの王様コンビに加わって3人の王様トリオとしてよくつるんでいる模様。
現状直接の絡みはないが、エジソンとは別の意味で嫌悪しそうな相手。
余談
デザイン
イラストレーターの東冬氏はTwitterにて「ちなみに始皇帝についてはお話を戴いた当初「蜂準長目(切れ長の蜂のような目つきの男)」という秦王政当時の形容からこのような成人男性を想定したのですが、「全裸で性別不明の異形の美形」とのオーダーがあり、一時間もしないうちに没りました」とツイートしている。この没デザインは一般的な始皇帝のイメージに近く、汎人類史における始皇帝本来の姿はこちらに準ずると思われる。この姿は後に『TYPE-MOON ACE vol.13』で始皇帝の幕間の物語がコミカライズした際特異点側の始皇帝として流用される事になった。
中の人繋がり
CVを務める福山潤氏は、春秋戦国時代を描いた原泰久先生の漫画作品『キングダム』のアニメ版においても、大陸統一以前の若き日の始皇帝である嬴政を務めている。
更なる余談だが、あるアニメにて中の人が共演したマーリンと葛飾北斎とも非常に相性が良い。
ライダー適性
汎人類史の始皇帝は『strange Fake』ではライダーとして召喚予定だった事もあり、『FGO』の会話中においてもライダー適性を持っていることが確認されている。
史実においても、始皇帝は7頭の優秀な馬を保有しており、中華統一後に何度か長い距離を旅した事も史料に残っているなど、ライダー適性も頷けるエピソードが残っている。
異聞帯側の始皇帝も不老不死を求める旅をしたとされており、もしかしたら異聞帯の始皇帝もライダー適性を保有しているのかもしれない。また完全に余談だが、保有していた7頭の優駿のうち、「最も速い」とされる「追風(ドレフォン)」号は2013年のアメリカ生まれの競走馬の命名に際して名前を拝借され、その名に恥じない優秀な成績を残している。
関連動画
A-1 Pictures制作による『FGO』公式のアニメーションCMにも登場。