では、無音の極技をお見せしよう――
プロフィール
真名 | 荊軻 |
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クラス | アサシン |
性別 | 女性 ※ |
身長 | 159cm |
体重 | 48kg |
出典 | 史実 |
地域 | 中国 |
属性 | 混沌・善・人 |
好きなもの | 酒、月、花 |
嫌いなもの | 家族(人生が守りに入ってしまうため) |
設定担当 | 東出祐一郎 |
ILLUST | 高橋慶太郎 |
CV | 田中敦子 |
※ 史実では男性として伝わっている。
概要
『Fate/Grand Order』に登場するアサシンクラスのサーヴァント。レアリティは☆3。
メインシナリオでは第1部2章『永続狂気帝国 セプテム』にて、連合ローマ帝国打倒へ動くネロ・クラウディウスの客将として登場。生前のリベンジとばかりに、主人公達と合流する以前の時点で既に3人、連合ローマの皇帝サーヴァント達を屠っていた。
第2部3章『人智統合真国 シン』においては、カルデア側の主要サーヴァントとして登場。かつて斃し切れなかった暗殺対象と再び相まみえ、正史以上に周到さに磨きをかけて殺しに臨む。
真名
――残り十歩、必ず殺す。
始皇帝暗殺を企み、あと一歩のところで果たせなかった毒牙の刺客、「荊軻」。
対外的な理由での邪魔さえなければ、中国の歴史を塗り替えたかもしれない人物。
彼女は元々暗殺を生業としていたわけではなく、読書と剣術、賢友との語らい、そして何より酒を愛した快人物であった。燕国の太子、丹より始皇帝暗殺の依頼を受けた荊軻は快く引き受け、用心深い皇帝を暗殺するために計画を練りに練った。
始皇帝に捧げる手土産を持ち、暗殺用に毒を焼き入れた短刀を手に入れ、計画実行まで後少しと迫った頃、暗殺の助手として命を捨てる友を待っている荊軻に、丹は「臆病風に吹かれたのではないか」と疑念を抱いてしまう。
荊軻は渋々太子が推薦した男を助手に抱え、秦へと旅立った。
だが、暗殺決行が目前まで迫った時、その助手の男が恐怖で動けなくなり、仕方なく単独での暗殺に挑むが、皇帝の強運の為せる業か、間一髪のところで取り逃がしてしまう。
覚悟を決めた荊軻は始皇帝を嘲りながら殺されたとされる。
暗殺者でありながら、暗殺を果たすことなく露と消えた荊軻。だが、生きて戻れぬことを知りながら快く頼みを引き受けた荊軻は、まさに天下の義侠とも呼べる人物である。
風蕭蕭兮易水寒(風簫簫として易水寒し)
壮士一去兮不復還(壮士 ひとたび去ってまた還らず)
――荊軻が別れの際に残した詩
人物
一人称は「私(わたし)」。
泰然自若としており、女性らしいたおやかさを纏いながらも、さっぱりした男らしさを併せ持つ。
もちろん絆を深めていけば艶やかな態度を示すこともあるが、常に落ち着き払って余裕に満ちている。まさに姉御。死生観を含めて達観したところがあり、他者の死はもちろん、己の死さえも大袈裟にする事はない。己の死に泣いて悼む者があればそれで満足する、まさに義侠の鑑と言える。
理知的で慎重、かつ勝機と見れば大胆に動ける剛胆さも備えており、鍛錬と知略の研鑽に余念がなく、常に最善の一手で必殺の瞬間に臨む。
酒好きで良く呑んでいるようだが、このときばかりは少し素が出るようで、普段の毅然とした態度とは違って少し弱気なところを見せてくれることもある。
ただし、酔いがまわり過ぎると大変な事になる(下記参照)。
始皇帝を仕留め損ねたことには些か未練があるらしく、「もし叶うなら、もう一度あの暗殺に挑んでみたい」と、どこかで燻っている節がある。幕間の物語ではこの未練を払拭するため、始皇帝の暗殺をシミュレートしたトレーニングを要求してくる(始皇帝役はギルガメッシュ)。
特定の主人や居場所は持たない主義で、マスターに対しても当初はドライな関係を保つつもりだったようだが、絆を深めると「我が主」と呼んでくれたり、「別れの時には笑っていてほしい。涙を見せることだけが愛じゃない(要約)」といじらしい事を言ったりする。(酔った状態とはいえ)膝枕をしてきたり、髪を梳かしてもらっていたりと、マイルームでは割と距離が近い。
第2部3章の実装に合わせて戦闘モーションがリニューアルされ、より暗殺者らしい身のこなしになった。華麗に宙を舞い、敵の喉首に容赦なく刃を突き立てる様は、風に踊る白い花弁のよう。
武器である匕首も抜き身ではなく、巻物に常に収めた状態の立ちグラフィックとなった。宝具演出もより迫力あるものになっている。
能力
戦闘では、毒を塗った匕首を用いて死角から奇襲する典型的な暗殺者スタイル。
モーション中では、主に匕首によるスピーディーな接近戦で戦う。他にも手裏剣を投擲したり、敵の首元に飛び乗って頸動脈と気管を千切り裂くという攻撃も見せている。
ステータス
マスター | 筋力 | 耐久 | 敏捷 | 魔力 | 幸運 | 宝具 |
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藤丸立香 | D | E | A | E | D | B |
保有スキル
気配遮断(B) | アサシンのクラススキル。自身の気配を消す能力。サーヴァントとしての気配を断つ。隠密行動に適しており、Bランクでは、完全に気配を絶てば感知及び発見は極めて困難。ただし、攻撃態勢に移るとランクは大きくダウンする。 |
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抑制(A) | 攻撃寸前まで殺気の一切も出さない暗殺者の秘奥。Aランクともなれば得物を握る瞬間まで殺気を全く勘付かれない。「気配遮断」との合わせ技は強力。 |
プランニング(B) | 対象を暗殺するまでの戦術思考を示したスキル。「軍略」とは異なり、少数での暗殺任務のみに絞られる。ただし、自己の生還に関しては考慮していない。 |
十歩殺一人(B+) | 「プランニング(B)」が変化したスキル。李白の漢詩『侠客行』の言葉。 |
傍若無人(A) | 現在でも普通に使われているこの熟語の生みの親は、彼女である。酒乱っぷりに由来し、その酒の飲みっぷりは「傍らに人無きが若し」と嘆かれたとか。 |
宝具
不還匕首(ただ、あやめるのみ)
- ランク:B→B+
- 種別:対人宝具
- レンジ:1
- 最大補足:1人
「では、行くか。」
「此処より己の死は恐れず、生も求めず……『不還匕首(ただ、あやめるのみ)』」
荊軻が始皇帝暗殺のために用意した匕首(あいくち、ひしゅ)。
地図に巻いて隠したという逸話により、隠匿面に非常に優れている。
毒は掠り傷程度でも即死であるが、耐毒の逸話があるものは有利な判定を行える。
己が還らないこと(ゲーム中では、自分にダメージ付与で再現)を前提で任務を遂行するという点で、この宝具に因る暗殺を回避することは大変困難である。
詳細は該当記事を参照。
傍らに人無きが若し
荊軻は「傍若無人」の四字熟語の元となった人物でもある。
酒を飲んで出来上がってしまうと時に歌い、時に泣き、ところかまわず騒ぎ喚くなど、まるで傍に人がいないかのような振る舞いをしていたという(上述の題はそれに由来する)。
しかも後に登場した強化クエストで、本当にスキル(ランクA)として追加実装された。でもスキル化したってことは、“へべれけーか”状態で暴れているって訳じゃ……
2015年クリスマスイベント『ほぼ週間 サンタオルタさん』においてもそれは健在であり、偽サンタのDEBUに騙されて家財を差し押さえられてしまい、ステゴロ聖女と傷心のあまり飲んだくれていた。無論、完全に出来上がっており、いつものようなクールな彼女は完全に崩壊している。普段の凛々しさとのギャップのせいか、妙にかわいい姐さんが爆誕してしまった。だがこれもいい。
また、戦闘でも「へべれけパワー」という謎スキルを使い、1ターン目から宝具をぶっ刺してくる。
酔ったほうが強い暗殺者とか、絶対酔拳極めたほうが良いよ……
繰り返すが、これはイベント内のギャグではあるものの、半分は事実なのである。
また、サンタオルタにプレゼントとして渡された「優雅たれ」を見て、
「素敵! このヒゲのおじさま素敵ーー!あ。ちょっときた。キュンときた。
私、この人暗殺してくるーー!後ろから刺したくなる顔してるーーー!」
と言い残し、へべれけな状態で意気揚々と暗殺へ向かった。やめてあげてください。
なお、この時の酔っぱらった荊軻の絵は、脚本を手掛けたきのこが表現に困ったので打診したところ、イベントのためだけに高橋慶太郎先生が差分を作ってくれた(しかも速攻!)という。
先生、ありがとうございました!
そして翌年の『二代目はオルタちゃん』でも飲んだくれた姿で登場。
エネミーネームもずばり「帰ってきたへべれけ荊軻」で、スキル名も「へべれけパワーリターンズ」に変わっている(効果は据え置き)。だが、ジャンタちゃんに渡された薬で強制的に素面に戻されてしまったため、薬を作った人物へ殴り込みに行くのだった。
サバフェスでも、あるイベントで出来上がっている彼女と戦うことになるのだが、名義こそ「荊軻」なのに戦闘開始と同時に「へべれけパワー」を発動して次のターンに一撃ぶっ刺してくる。
そして2019年正月イベント『閻魔亭繁盛記』においても登場。
泥酔して上機嫌になり、わざわざツインテールになってエリちゃんの『恋はドラクル』を熱唱した。なんと専用の立ち絵イラストも用意されている。とても かわいい
ゲーム上での性能
最大ATK | 7207 |
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最大HP | 8293 |
カード構成 | Buster:1/Arts:1/Quick:3 |
宝具カード | Quick |
スキル1 | 抑制(A) / 自身のスター集中度をアップ(3T)+スターを大量獲得 |
スキル2 | プランニング(B) / 自身のスター発生率をアップ(3T) |
(強化後) | 十歩殺一人(B+) / ↑+自身に〔王〕特攻状態付与&「Quick攻撃時に敵単体の防御力ダウン(3T)する状態」付与(5回)(各3T) |
スキル3 | 傍若無人(A) / 自身のQuickカード性能をアップ&クリティカル威力をアップ(各1T) |
アペンド3 | 対アサシン攻撃適性 |
宝具 | 敵単体に超強力な攻撃&敵単体に中確率で即死<オーバーチャージで確率アップ>+スターを大量獲得<オーバーチャージで効果アップ>+自身のHPを1,000減らす【デメリット】 |
2015年末の第1部4章で二重人格博士が登場するまで唯一の☆3アサシンだったため、初期勢では佐々木小次郎やハサン先生と並んで使用率が高かった。
ステータスは攻撃重視で、ATKは今なお☆3アサシンでトップを誇る。
スキル構成は、クリティカルとQuickアップを軸とした自己強化で纏まっており、最後はたった一人で暗殺を決行した彼女らしい構成と言える。また、スキル強化で獲得した「王」特攻状態は、ライダークラスに該当者が多いため使い勝手が良く、火力を大きく上げてくれる。
反面、宝具のデメリットと相まって生存力に乏しく、極めて打たれ弱い。その辺りはパーティ編成や概念礼装でカバーしよう。
関連人物
生前
始皇帝(汎人類史)
かつて暗殺に挑み、阻止された王。その後、怒り狂った始皇帝によって荊軻は惨殺された。
その今際に、「王は人として在るべきなのです」という言葉を送っている。
『カルデアエース』での『英霊伝承~荊軻~』によると、彼女が討とうとした汎人類史の始皇帝は巨大な肉塊のような謎の「何か」に接続して不死性を手に入れた異種であった。
荊軻は始皇帝を討つ奥の手として、遥か西方から齎された九頭蛇の毒を使用。大量生産によって毒性が弱まっており、命までは奪えなかったが、掠り傷だけで不死性を剥奪することに成功した。
この暗殺未遂の後に始皇帝は病に倒れ、再度不老不死を求めるも病没したという。
死に至らしめるまで17年の時を要したが、実は彼女は暗殺に成功していたのである。
Fate/Grand Order
契約したマスター。
自分の身を省みなさすぎる所を彼/彼女に度々叱られているが、幕間や閻魔亭の描写から仲は良好。
たまに、へべれけーかちゃん状態になって振り回している模様。
始皇帝(異聞帯)
中国異聞帯の始皇帝に対しては、生理的嫌悪に近い感情を示す。
曰く「この醜悪な治世」「2200年を経て、輪をかけて悪辣になった」。
始皇帝としては、今までに幾度となく命を狙われていた事もあってか彼女の事は「自分を暗殺しに来た無数の刺客の1人」程度としか認識していない。
戦いの終盤、史実と重なるように2人は対峙し──
荊軻、モードレッドと合わせて「叛逆三銃士」の1人。本人はこの扱いに不満の様子。
かつて第二特異点(及びネロ祭)で共闘したためか、あるいは侠客として通ずるものがあるのか、彼の行動原理にもかなり理解を示している。
始皇帝の後に続いた中国の統治者。
自分も暗殺するんじゃないかと疑っており、警戒している。
一方でスキルの噛み合わせは良く、荊軻のサポーターにうってつけなのが皮肉である。
伝説に名高い侠客の先輩が女性だったと知って驚いていた。
CVが同じ。『閻魔亭繁盛記』で荊軻はエリザベートの持ち曲を熱唱するが、これはおそらくエリザベートの成長後がカーミラであることからの「中の人ネタ」と思われる。
マシュからも「エリザベートさんが成長したような声」と評されていた。
余談
『FGO』初出の女性化サーヴァントの1人である。なお同じ☆3で初期実装の同期である牛若丸については、武内社長が「男女比率がやばい。男ばっかだと華がない」とぶっちゃけ、女の子になったという。もしかしたら荊軻も似た理由で女性キャラになったのかもしれない。
『FGO』公式生放送の司会などでたびたび登場するマフィア梶田氏のお気に入り。ゲームを始めて最初に召喚したサーヴァントであるため、長らく愛用しているとのこと。
2018年水着イベントでは、限定概念礼装「ウォーター・シャイン」にて、アサシン・パライソと共に水着姿を披露している。やはりというかハメを外している様子。かわいい。
声を担当した田中敦子氏は2024年8月に61歳の若さで逝去。
後任・代役声優についてのアナウンスは現時点ではされていない。