「ひょっひょっ 良ーいぞよ」
概要
学園を統率する「天下五剣」の一人。幼い見た目だがこれでも最上級生であり、五剣の中でも年長者に当たる。そのため五剣の会議では同数票であれば年功序列で優先される立場にあり、それを利用して色々とんでもないことをしでかす厄介な人物。しかし根は善良でまともな性格。
人物
笑い方は「ひょっひょっひょっ」。幼い外見に似合わずやや古風な喋り方をし、同じ天下五剣の面々は「~姫」とつけて呼んでいる。
五剣のなかでも行動のスケールが非常に大きく、矯正の為ならば学校全体を巻き込むことも厭わない。先生曰く「HR(ホームルーム)が葬(ほうむ)るーむ」。眠目ほどではないがその内容は破天荒であり、かつて校舎が半焼する事態にまでなったことも。大体の場合話が通じないため、周囲の人間からは暴君として恐れられている。
しかしそれは自身の絶対的な立ち位置を誇張することで、後述する熊の飼育のように自分の大切なものを守るのに必要な無理を通す力を得るため。軽い言動も多いがその根底は年長者としての自覚と責任を持ち、なにかあれば冷静に対処できる頭を備えている。キョーボーや友達の為に涙を流せるほどに心根も優しく、また恩がある相手には協力を惜しまない義理堅さもある。根っこはイイ子。
眠目の次に『マキャヴェリズム(手段問わずの結果主義)』を体現しているともいえるが、情緒不安定で予測不能な彼女に比べると、普段は年長者としての冷静さをちゃんと持っており、基本的にはまともな人物である。
戦闘能力
剣術の流派はタイ捨流。通常の構えから不規則な体の回転や跳躍を交え、回避やカウンターに転じるトリッキーな戦闘スタイルが持ち味。それに加え、小柄な体から繰り出される暗器・足技・目潰しといった搦め手の数々で相手を翻弄するまさにトリックスター。かつてとある藩の隠密集団がタイ捨流の者で統一された事例もあるように、棒手裏剣や苦無など、いかにも忍者が用いそうな武器も隠し持つ。
また後述する熊のキョーボーを飼い慣らしており、一人と一匹で強力な連携も見せる。一方は強力無比なパワー、もう一方は予測不能の手段を引っ提げ、咄嗟の位置交換も含めて相当な面倒な攻撃を繰り出す。その姿はまさに「人獣一体」だが、鬼瓦には「サーカス団」と評された。
キョーボー
CV:藤田咲(イラスト左)
花酒が飼っている巨大な熊。体重は300kgを超え、腹部と左目のあたりに大きな傷を持つ。
実際の外見はゆるキャラのごとくホンワカしたものだが、大抵の人間は恐怖によってリアルな黒い熊にしか見えない。
縄跳び・相撲・ボクシングとかなり芸達者な熊であり、戦闘では花酒と息のあったコンビネーションを見せる。時には相手の攻撃に苛立ち野生が出てしまうこともあるが、有事の際にはその身を盾にして花酒を庇うなど、かなりの忠誠心の持ち主。
実は雌であり、「ドォーモォー」という子供を産んだ(イラスト中の子熊)。
三獣士
花酒の配下の中でも実力が高い三者を集めた精鋭。3人の女生徒が登場したが、実は3人目は熊のキョーボーが数えられており、思わせぶりな登場をした3人目の女生徒は本気で正体不明の輩だった。しかも後になって花酒のクラスメイト30人も強引にチームに換算し、最終的に「三獣士」が「三十四」になって名前も「WRB34」に変更になった。
ぶっちゃけ後半は花酒のアドリブとノリによるところが大きく、どこまで本気かはわからない。結局普段は特定の女生徒3人と熊1匹を連れて歩いている。
動向
鬼瓦とノムラの対決は教室から眺めていたが、亀鶴城とノムラが衝突した頃は修学旅行でハワイに行っていた。そして帰国して間もなく、天下五剣の二人が男に絆されたという事実を知り、学園全体を巻き込んだ無茶ぶりイベント・「ワラビンピック」を開催する。しかし一回戦で早くも人間のノムラが熊のキョーボーに相撲で勝つという大番狂わせが発生。急遽予定を変更し総力戦を準備するも、何の気まぐれか眠目に配下をほぼ全員壊滅させられ、早々に屋上でノムラ・鬼瓦ペアと決戦に。一人と一匹で二人を翻弄するも、覚悟と信頼で結ばれた二人に敗北する。精鋭の3人も亀鶴城に敗れ、完全に白旗を挙げることに。
先述したように彼女の振る舞いにはそれなりの事情があったのだが、それを知ってか知らずかノムラが中継のカメラの前で機転を利かせたことで、五剣としての失墜を免れる。
後日眠目によってスキャンダルを捏造され、鬼瓦と亀鶴城と敵対することになってしまったノムラに対し、先日の恩を返すために協力を申し出る。結果、女子寮への侵入や写真の奪還をサポートし、スキャンダルの冤罪を晴らすことに成功した。
更にその後、眠目が天羽の怒りを買って交戦したことをいち早く察知し、ノムラが近くにいないことや天羽の情報が不足していることを悔やみながらも天羽を止めに駆け付ける。しかし彼女には歯が立たず、キョーボーや友人たちまで重傷を負う事態に。挙句自身も目を斬りつけられ深手となるが、幸い瞼で斬撃は止まり眼球は無傷。入院によって回復した。
余談
眠目共々天羽に病院送りにされたせいで、中盤では長らく本編に登場しなかった。そのため再登場した際には単行本の空きページにて元号が変わったことを嘆いた。