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蕭衍

しょうえん

魏晋南北朝の国の一つ・南朝梁の建国者にして魏晋南北朝一の名君。464〜549
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概要編集

生没:464 - 549年〈86歳〉

在位:502年 − 549年〈47年〉

蕭衍、字は叔達。の初代皇帝・武帝である。南朝の皇帝のなかで最も長い47年の在位で、安定した治世だったことで知られる。残虐だったり無能だったりする皇帝が多い南朝のなかでは、ひときわ名君として名高い。

479年に始まった南斉は、502年までの短期王朝だった。皇帝は蕭道成(高帝)から5代まで続いたが、まともなのは高帝と息子の武帝だけだった。498年、東昏侯(愚かな東の侯爵、という意味)が帝位についた。殺戮が趣味であるかのように、この皇帝は殺しまくった。朝廷の重臣たちも次々と殺され、蕭衍の兄も犠牲となつた。ここにいたり、ついに蕭衍は決起した。東昏侯を倒すと、その異母弟を皇帝に擁立(和帝)。そして、その和帝から帝位を譲られるかたちで、梁を建国し、皇帝となったのである。502年のことだった。

武帝はその姓が示すように、斉を建国した蕭の一族である。本来ならば、同姓の国を滅ぼすのは、よくない行為だし、彼がいつ皇帝になろうという野心を抱いたかは、よく分からない。ともあれ、南斉末期があまりにもひどかつたので、彼の行動も支持されたのである。殺さなければ殺される。そんな時代だった。

この時代、経済も飛躍的に発展した。だが、それは貧官の格差も生んだ。富裕階層は浪費しまくり、その一方で、貧農は流浪し、世情不安の一因となつた。

華北を北魏が統一したのは439年で、それから約百年たった五三五年、その北魏は東西に分裂した。

これが梁に大きな影響を与えた。547年、東魏の将軍・侯景が、自分が制圧している13の州をもって、梁に帰属したいと投降してきたのである。重臣のなかには反対する者もいたが、何もせずに13州が手に入るわけだから、武帝はそれを受け入れた。当然、東魏は裏切った侯景討伐軍を出した。梁は武帝の甥の蕭淵明を司令官とする援軍を派遣したが、惨敗。蕭淵明は捕虜になってしまった。侯景もほとんどの軍勢を失った。

一年後、東魏に囚われの身となっている蕭淵明から、東魏は梁と和平を結びたいと考えているとの使いが来た。これを知って、侯景は焦った。自分の首を差し出すことが和平の条件ではないかと疑ったのだ。侯景は先手を打つことにし、反乱を起こした。侯景の軍勢は、 一気に主都・建康(いまの南京)を襲い、油断していた朝廷は宮城に立てこもるしかなかった。

勢いに乗る反乱軍は、いつのまにか10万もの大軍となり、宮城を包囲。食糧も尽き、城は陥落した。86歳になっていた武帝は幽閉されてしまう。

だが、そのとき武帝は決して怒らず、反逆者に向かい、「さぞ疲れたであろう」という余裕と威厳を見せたという。武帝は幽閉されて三ヵ月後に亡くなった。皇太子・蕭綱が帝位についた(簡文帝)が、侯景に殺されてしまった。

だが、その侯景も552年に討ち取られる。梁は、その子たちが次々と帝位については殺され、結局、557年、武帝の九男の敬帝が、陳覇先に帝位を譲るかたちで、梁王朝は終わった。


人物編集

蕭衍は文武両道の才能があり、邸宅には多くの文化人・教養人が招かれていた。仏教に熱心で、僧侶以上に修行をしたともいう。功績のひとつとして、国立の大学を設立し、 一般の秀才にも入学を許可し、それとともに国家試験に合格すれば、家柄に関係なく、高級官吏として採用する制度を作った。後に、「科挙」として知られる試験の先駆けである。武帝は自分が能力があったので、実力主義だった。試験を重視したのも、それゆえである。だが、この人事政策は庶民からは支持されたかもしれないが、門閥に頼って出世してきた貴族階級からは反感を買った。

また反乱を起こした反逆者に対しても怒らず「さぞ疲れたであろう」と余裕と威厳を見せるなど人の上に立つに相応しい要素を持っていた。


別名・表記ゆれ編集

梁武帝


関連タグ編集

魏晋南北朝 長寿

名君(治世前半) 暗君(治世後半)

 

李隆基/玄宗 乾隆帝:長寿、治世の前半は名君だったが後半は暗君という共通点がある。蕭衍/梁武帝は中華皇帝では乾隆帝に次ぐ長寿。

趙構/高宗(宋):建国者、初代皇帝、長寿、優れた文人と共通点が多い。

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