概要
中国後漢末、三国時代、五胡十六国時代、南北朝時代を経て隋の中華統一までの戦乱期の総称。
また、北方遊牧民の侵出による混乱で、従来の中華王朝の社会制度や文化が崩壊、大きく変化していった時代である。
この項目では三国時代や五胡十六国にも触れつつ、南北朝時代について詳しく解説する。
略史
黄巾の乱ののち、天下は三分されるが、西晋により一旦は統一される。→三国志
しかし、暗愚な皇帝が続き、一族内の紛争など混乱が勃発。すると、後漢末より浸透が続いていた遊牧民が反乱を起こす。
結果、中原は蹂躙され西晋は滅亡、五胡十六国時代に突入する。→五胡十六国
この時代が100年ほど続いたのち、北魏が統一、東晋も宋に代わられ、南北朝時代となる。
北朝では、北魏において均田制や律令制度などが整えられ安定する。一方で南朝は貴族勢力(=地主)の勢力が強く、短命王朝が続いた。長期的には徐々に北朝優位になっていく時代であった。
6世紀半ば、北朝と南朝は分裂の時代を迎える。その後再統一された北朝は、ついに隋の手により南北朝を統一することになる。
文化
文化的に共通するものと言えば、南北朝時代、仏教が盛んになったことが挙げられる。
五胡十六国時代より、西域から優れた仏教僧が訪れるようになった。北朝では雲崗石窟などの石窟寺院が多く作られ、梁の武帝も仏教に傾倒した。「だるま」で有名な達磨大師が活躍したのもこの頃である。
一方で、北朝では道武帝の道教への傾倒や過剰な寺院建設により財政が悪化したことで、仏教の弾圧が行われた。また、南朝でも武帝が仏教に傾倒しすぎた余り、政治に省みなくなり、侯景の乱による梁の滅亡を招いた。
王朝一覧
※注釈
西魏と北周も北朝(華北)に含む。
呉、東晋、南朝の宋、斉、梁、陳は六朝と呼ばれる。いずれも建康(建業)に都を置き、江南地域を支配した。