北魏(ほくぎ、拼音:Bĕiwèi、存続:386年 - 534年)は、中国の五胡十六国時代に鮮卑族の拓跋氏の拓跋珪によって建てられた国。
国号は、正式には魏であるが、戦国時代の魏や、三国時代の魏などと区別するため、通常はこの拓跋氏の魏を北魏と呼んでいる。三国時代の魏は曹氏が建てたことからこれを曹魏と呼ぶのに対して、拓跋氏の魏はその漢風姓である元氏からとって元魏(げんぎ)と呼ぶこともある(広義にはこの拓跋氏が配下の軍人により分裂させられた東魏と西魏もこれに含まれる)。さらに国号の由来(拓跋氏は曹魏に朝貢していたことによる)より、曹魏のことを前魏、元魏のことを後魏(こうぎ)と呼ぶこともある。
拓跋珪は、後燕や北燕などの華北の国々を滅ぼし、北魏を大国へと成長させる。
拓跋珪の死後も、2代皇帝の嗣や3代皇帝の燾が残った華北の国々を滅ぼした結果、中国の五胡十六国時代は終焉し、華北と華南でそれぞれの強国が併存する南北朝時代に移行する。
150年ほど華北を支配したが、漢族と鮮卑の反目や、それに伴う反乱の続発により崩壊。西魏、東魏という2つの国に分裂し、その国もまた周(北周)、斉(北斉)に取って代わられた。北斉は北周に滅ぼされ、また北周も隋に滅ぼされた。隋は華南を支配していた陳も滅ぼし、西晋滅亡以来続いた分裂の時代を終わられて、273年ぶりに中国全土を統一した。
歴代皇帝
北魏宗室の本来の姓は「拓跋」であったが、孝文帝の漢化政策により漢風の姓「元」に改めた。
太祖道武帝(拓跋珪、在位:386年/398年 - 409年)
太宗明元帝(拓跋嗣、在位:409年 - 423年)
世祖太武帝(拓跋燾、在位:423年 - 452年)
南安隠王 (拓跋余、在位:452年)
高宗文成帝(拓跋濬、在位:452年 - 465年)
顕祖献文帝(拓跋弘、在位:465年 - 471年)
高祖孝文帝(元宏、在位:471年 - 499年)
世祖宣武帝(元恪、在位:499年 - 515年)
粛宗孝明帝(元詡、在位:515年 - 528年)
皇女某 (名不詳、孝明帝の皇女、在位:528年4月1日–2日)
幼主 (元釗、在位:528年)
敬宗孝荘帝(元子攸、在位:528年 - 530年)
東海王 (元曄、在位:530年 - 531年)
節閔帝・前廃帝(元恭、在位:531年)
安定郡王・後廃帝(元朗、在位:531年 - 532年)
孝武帝・出帝(元修、在位:532年 - 534年)