CV:高垣彩陽
概要
月詠と同期の遊女である人気の花魁。
常に閉じている瞳と左目にある泣きぼくろが特徴。
故郷に想い人がいたが、告白出来ないまま吉原に売られる事となる。
吉原の惚れ薬騒動「愛染香」事件の黒幕。
上客からの落籍を拒む程想い続けていた故郷の幼馴染と吉原で再会し、いつか迎えに来ると約束されるが、鳳仙の死による吉原解放後にこっそりと訪れた故郷で、彼が立派な大工になり棟梁の娘との縁談を持ちかけられるまで出世している事を知り、最早遊女である彼女が近づける存在ではないと感じ身を引く。
その後も彼の事が忘れられず仕事に身が入らなくなり、常に他の誰かを好きでいられるように愛染香に溺れるようになっていく。そして愛染香により人々の心を操り、永遠に愛し愛される神・愛染明王となるが……。
なお、「螢」とは吉原でつけられた名前であり、本名は別にあるようだ。
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愛染明王となり吉原中の男女を自身の下僕へと変えた螢。だがどれだけ人の心を掌握しようとも彼女の心は満たされることはなく、逆に彼女自身の心を蝕んでいくこととなった。かつての失恋から、もはや人を愛すること・人から愛されることを忘れてしまった彼女は下僕たちに愛染香を天守閣に集めさせ、自身が飛び降りると同時に天守閣を撃たせることで自身の存在を人々の心に刻み付けつつ自分は甘い思い出に浸ったまま命を絶とうとする。
だが罪なき吉原の人々に多大な迷惑をかけておきながら死という逃げの一手に走る行為を当然銀時や月詠が許すはずもなく、自身を捕まえた銀時と彼の手を掴んだ月詠により阻止される。だが幾多の修羅場を潜り抜けてきた月詠と言えども、人二人(ましてや方や白夜叉と呼ばれた筋肉の塊)を引き上げるには力が足りず、加えて自身が飛び降りたことで大砲発射の合図が下僕たちに行き届いてしまったことで月詠が砲弾の餌食になりそうになってしまう。
それを察した螢は早く手を放すよう叫ぶ。だが月詠はその手を決して離さなかった。
「逃げぬ、螢!今なら、わっちにもわかるから・・・。皆、主と同じじゃ。その華の前では、どんな手練手管さえも忘れ去ってしまう。そんな、ままならぬ華を女は心に咲かせて生きておるのじゃ!永遠に咲く華ではないのかもしれぬ。簡単に色褪せ、枯れてゆくのかもしれぬ。
だが螢、何度枯れようとも、季節が廻ればまた咲くのが華でありんす!」
そう言い放ち、下僕が放つ砲弾の雨を投げ苦無で迎撃していく月詠。流石に無傷で迎撃とはならず、腕や頭部を負傷してしまうも、それでも彼女は諦めなかった。
「枯れることを知らない華など美しいとは思わぬ。何度散っても返り咲くからこそ華は美しいのじゃ。螢、主はまだ、何度だって咲けるさ。」
かつてないほど優しい笑みを浮かべ言の葉を紡ぐ彼女によって、自身が犯した大きな過ちに気付かされ涙を流す螢。その直後、下僕が放った大砲を迎撃に向かった銀時が爆風で大量の愛染香へと吹っ飛ばされてしまう。爆風の火で銀時(の尻)が火種になってしまい、全ての愛染香に引火。だがそれを見て安堵の表情を浮かべる螢。
実は部屋に積まれていたのは愛染香ではなく、愛染香の効果を打ち消す(思い人を嫌いになる)『愛断香』であった。
その後、月詠の部下たちによって愛断香が愛染香の被害者たちに振り分けられたことでなんとか事態は収束。その話を聞き、日輪は「あの子(螢)は、最初からこうするつもりだったのだろう」と推察している。どれだけ忘れようとしても決して忘れることができず苦しみ暴走する自分を誰かに止めてほしかったのだと。
因みにこの一件で愛断香を吸った銀時はスケコマシが反転して重度の女嫌いになってしまった(だが実際は女に興味こそあるもののビビッて近づけないガチガチのチェリーボーイだった)。
その後螢には処罰として『吉原からの追放』を言い渡され、月詠直々に案内されることとなった。その時二人の門番も同行することになったのだが、地上までの道程で彼らはある男の話を始めた。
その男はその腕前から棟梁を約束されるほどの凄腕であり、職場の棟梁の娘との縁談も決まるなど順風満帆な人生を歩んでいた。だが彼は「嘗て迎えに行くと約束した遊女がいる」と言って縁談を蹴ってしまう。
その後は独立して一人前になるべく必死に働いたが、無理が祟った結果歩けない体になってしまった。それ以降彼は今の自分の体では彼女に迷惑がかかってしまうと思い、今なお吉原の門前にあるベンチに座って彼女のことを思い続けているのだという。
そしてとうとう昇降機(エレベーター)の前までたどり着くのだが、トラブルが発生したとのことで月詠は門番とその対処に向かうことに。螢を一人扉の前で待たせることになった月詠は彼女に対し「逃げるなよ。」と念を押すも、男の話を聞いて全てを察した螢は泣きながら月詠と門番(に変装した銀時と新八)、彼女の部下(に変装した神楽)を引き留める。
「逃げたくとももう逃げられんさ。主が作った幻はもうどこにもない。夢から醒めた今なら見えるじゃろう?吉原の外はもう春じゃ。華は、もう咲いてありんす。螢。」
その言葉に嗚咽を漏らす彼女を尻目に、トラブルが解消された昇降機が彼女を迎えに来る。そして彼女は扉の先から溢れる眩しい光と大量の桜の花びらに包まれながら、自身を待ち続けてくれていた彼の許へと足を運ぶのだった・・・
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