プロフィール
『愛も憎しみも 闘うことでしか 表現する術を知らぬ』
概要
厳かな雰囲気を醸し出す白髪の老人で、和服を着ている外見からでは判断できないが、その正体は夜兎。吉原桃源郷の楼主であり、“夜王(やおう)”の異名で恐れられている。
現在は朝が訪れない吉原の王を意味すると考えられているが、本来の夜王とは、かつて強者ひしめく夜兎族の中で頂点に立ち最大勢力を率いた事に由来し、「夜兎族の王」を意味する言葉である。
元々は銀河系最大の犯罪シンジケートである宇宙海賊春雨の幹部も務め、神威が現在率いている第七師団の前師団長であり創設者でもあった。また、その神威とは師弟関係にあった。
作中での実力
かつて、神威の父・星海坊主と互角の戦いを繰り広げた過去がある。三日三晩に渡る激戦の末、星海坊主の勝手な理由(ウンコがしたい)で戦いは中断され、決着は付かなかった。その星海坊主からは好敵手のような印象を持たれていたようで作中で鳳仙が倒された際には密かに彼の墓前に訪れ寂しげな様子を見せていた。
隠居した現在も、その実力は現第七師団長である神威をも容易には寄せ付けず、神威は「おいそれと下克上ってわけにはいかないようだ」と評し、阿伏兎は「止めなきゃヤバかった」と吐露した。ただし、長年にわたり日の下に出なかったため他の夜兎族よりも日光に弱く、少しでも照らされれば皮膚が焼け落ちて大幅に弱体化するという致命的な弱点を持つ。
作中の動向
吉原炎上篇
日輪を吉原の地下に監禁しており、彼女に対して異様なまでの執着心を持ち愛憎入り混じった感情を抱いている。それと同時に、天敵である太陽を憎んでいながらもその一方で『太陽の光に浴びたい』という純粋な気持ちも抱いていた。日輪を殺さず自分の近くに置いていたのも何者にも屈せず決して心が折れない彼女を自らの天敵である太陽と重ねて見ていたがゆえであった。
晴太を日輪に会わせるために乗り込んできた坂田銀時と交戦。一時は圧倒的な力量差で彼を完膚なきまでに叩きのめすが、反旗を翻したまだ生きていた銀時と百華の加勢で反撃を受ける。それでも彼らを圧倒し続けたが、晴太が吉原のハッチを開いたことで太陽の光を浴びてしまい、急激に弱ったところを銀時に渾身の一撃を叩き込まれて敗北した。
敗北後、神威に自らの本質を説かれて暗闇の中で力尽きようとしたところ、日輪に「あなたは夜王なんて大層なものじゃない、日向で居眠りしたかっただけの普通のおじいちゃんなのよね」と評され、最期は彼女に看取られながら安らかに逝く(あの世へ旅立つ際のイメージシーンにおいては、憑き物が落ちたような笑顔を見せていた)。死後は「せめてあの世では日の光を浴びせてあげたい」という日輪をはじめとした遊女達の想いから、日の光が当たる場所へと埋葬された。
烙陽決戦篇
神威の回想において、春雨現役時代の若き姿で登場。吉原炎上篇では神威とは笑顔で旅をしているような描写があったが、実際にはそんな生易しい師弟関係ではなく、何度も立ち向かってくる神威を地に叩きのめしていた。
ただし、一矢報いてみせた神威に対して彼の望み(母親を船で烙陽から連れ出すこと)を聞き入れるなど、それなりの情は持ち合わせていた模様。また、星海坊主が「昔戦った鳳仙なんかは強かった」「今の神威の力はあの鳳仙をも凌駕している」と、たびたび鳳仙に言及する姿が見られる。
余談
- 作者の空知英秋氏によれば、「最初にチラリと描いた時は、ただの吉原の楼主のスケベジジイくらいに考えていた」との事(公式ガイドブック『銀魂くんのあゆみ』より抜粋)。
- キャラのモデルは『ドラゴンボール』のフリーザとベジータ王。
- 実は金庫に黄金の棒と二つの玉、更には黄金製のアワビを保管していた。どう考えてもアレである。