本怖!貴方の後ろにいるよ
二つ名の初出は『東方深秘録』。
『深秘録』では各キャラクターの二つ名は二つの語の節から構成される。
主に二語または四語から成る、意味がその次の語にもかかる前段と、前段を「!」でしめた後に続く、主に『深秘録』においてそのキャラクターが関連した、あるいは選んだ「オカルト」、「都市伝説」などに関連する後段である。
こいしの二つ名は「本怖!」と「貴方の後ろにいるよ」から成っている。
「本怖」と「メリーさん」
「本怖」がどのような意味であるか明確には語られていないが、本作でのこいしは自身が選んだオカルト・都市伝説である「メリーさん」を通して色々な人を怖がらせることを望んでいることから、例えば「本当に怖い」といったニュアンスのあおり文句としてのものや、あるいは都市伝説につきものの「本当にあった怖い話」といった文句を縮めたものであるのかもしれない。
『深秘録』におけるこいしの動機には、「メリーさん」がどこまで通用するかを知りたいという興味とともに、「 今、貴方の後ろに居るの 」というセリフを言ってみたいという想いや、それらを通して誰かを怖がらせてみたいという想いもあったようである。
本作ではこいしは本二つ名をはじめオカルトアタック、怪ラストワードにて、「メリーさん」に由来すると思われるアクションを行っているなど、次述のこいし個人の性質も相まって両者の相性が良い様子が描かれている。例えば怪ラストワードにみる<*今から電話をするから出てね*>などは、メリーさんの性質とこいしのアクションとを組み合わせたものである。
貴方の後ろにいるよ
「貴方の後ろにいるよ」とは、都市伝説としての「メリーさん」の最終段階である。
メリーさんは電話による通話を通して、次第にターゲットの生活圏・所在圏ににじり寄ってくる様を伝えてくることにその恐怖の一つがある。
「貴方の後ろ」は「メリーさん」の最終目的地にして、メリーさんが相手に投げかける最後の台詞である。
こいしは第三の目を閉じたことによる性質並びにその能力である「無意識を操る程度の能力」によって、相手の知覚圏内にあったとしても他者の「意識」にその存在がのぼらない。
この「認識されない」という性質が「貴方の後ろ」に辿りつくことを容易にさせる。
例えばこいしの場合、「メリーさん」の通信を受けた相手が逃げ出したとしても、相手に気付かれないまま逃げ回る相手と一緒に例のスキップで移動し続けていた、等という事も可能である。
作中では霧雨魔理沙や茨木華扇、宇佐見菫子が、自身の正面にいるこいしに最初は気付かない様子であるなど、その姿が最終時点に至るまで見えないという「メリーさん」と共通している。
「 貴方の後ろー……貴方の目の前にいるの! 」(こいし、『深秘録』)
なお時系列の最終段階としての「貴方の後ろにいるよ」という要素は<*今から電話をするから出てね*>(怪ラストワード)や「今から貴方のところに行くね」(オカルトアタック)から繋がるものでもあり、『深秘録』でこいしはその決闘スタイルを通して「メリーさん」の一連の流れも表現している。
幻想郷の通信事情と「メリーさん」
当初、こいしの「メリーさん」は人々にあまり恐れられなかった。
「 あんまり有名じゃ無いのかなー、メリーさん もうちょっと有名だと思ってた
ねえ、そこんところどうなんです? 」(こいし、『深秘録』、「論点はそこではない」)
こいしにもその理由が判らなかったようであるが、魔理沙からの助言によって、目からうろこが落ちるようにその理由を理解する。そして次からは、相手が「メリーさん」に不可欠なツールを知っているかいないかを問いかけることから始めることにする。
最初のころの出会いこそ「メリーさん」の恐怖は理解されなかったが、その後の出会いでは「メリーさん」を多少理解できる人物にも出会う事が出来た。
さらにその後には「メリーさん」の本懐ともいえる実際の「電話」を通したオカルトも達成し、期待通りの反応を得る事も出来たこともあってこいしはご機嫌であった。
またこいしはこのとき驚かせた相手が落した「電話」も拾い、満足した表情も見せている。
「 もしもーし。今貴方の後ろにいるつもりですー 」(こいし、『深秘録』)
pixivでは
pixivでは『深秘録』でのこいしの様子をもとにした作品をはじめ実際にこいしが誰かの背後に居る様子、または象徴的にそれが描かれた作品などにも用いられている。
こいしが具体的に誰か他者の背後に立つ場合、その相手は古明地さとりや秦こころである事が多い。『深秘録』の経緯から、宇佐見菫子の背後をとることもある。
関連イラスト
- 貴方の後ろに立つこいし(さとり / こころ)