お前には何もわかるまい。お前は何も知らない。何も知らないものが何を見ても――そう、何も理解はできない
概要
CV:大塚明夫
『キングダムハーツ』シリーズに登場するヴィラン(悪役)である。
KH1のラスボス。
ある城で、賢者として心の研究をしていたが、その過程で闇の狂気に取り憑かれ、心の真理は闇だと説くようになる。ハートレスを人工的に作りだすという恐ろしい機器も開発していた。
そして自らの意思でハートレス化し、全ての世界を闇に吞み込もうと暗躍する。
実は一番初めに登場しているが、その時はローブ姿で、肉体を失った心だけの存在、ハートレスそのものだった。
終盤での彼の姿は、リクの身体を乗っ取り宿ったもの。最終的に、膨大かつ強力な闇の力により、戦艦の如き巨体と圧倒的な戦闘力を持つ「ワールドオブカオス」へと変貌し、ソラ達に最後の戦いを挑む。
激戦の末にソラ達に敗れるも、さらなる闇の力を求めて闇の扉にすがる。
開いてゆく闇の扉から煙のように闇が溢れ出す。しかし、キングダムハーツは闇ではなくどんな闇も打ち消せる光だと言い放ったソラに呼応するように闇を押しのけて強烈な光が差し込み、光に包まれながら今度こそ消滅した。
……かに思われたが、COMのリク編では自身の影をリクの心に忍ばせており、復活の機会を窺っていた。
忘却の城を進む中で何度もリクをそそのかし身体を乗っ取ろうとするが、最終的に闇を自身の力として受け入れ強い心を手に入れたリクに敗北し、彼の心の中に封印された。
この姿の時は、背後にスタンドの如く上半身のみの筋肉質なハートレス(何故か口元部分に何かを封じるような包帯らしきものが巻かれている)。
アンセム本人が『闇の探求者アンセム』というハートレスなら、背後にいるハートレスは誰なのだろうか?
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正体(ネタバレ注意!)
『KHⅡ』では、アンセムは上記の人物と別人という事が判明。
本名は”ゼアノート”。彼が倒れていたところを本物の賢者アンセムに拾われ、弟子にしたとのこと。
彼はその後上記の通りとなり、師のアンセムを蹴落とし、自ら”アンセム”を名乗った。
同時に、KHIIの黒幕であるXIII機関のリーダーゼムナスは、ゼアノートがハートレス化したと同時に生まれた彼のノーバディである事も判明する。
『KHⅡ』や『Days』にも現れるが、これらは本人ではなくリクが闇の力を解放しその象徴として変化した姿である。
『3D』においては物語におけるキーパーソンであり、時空移動には「その時、その場所に自分が存在しなくてはならない」という制約があり、そのためイェン・シッドは防衛策の意味もあって『KH1』の闇に飲まれる寸前のデスティニーアイランドから夢の世界でソラとリクのマスター承認試験を執り行ったのだが、その当時闇の探求者アンセムもデスティニーアイランドにいたため、彼をポータルにして真XIII機関のメンバーが集結し、ソラが眠りに落ちた瞬間から夢の世界に介入して13番目のゼアノートとするべく闇へと誘うことを可能とした。
『KH3』では真XIII機関の一人として登場。機関が用意したレプリカに過去から呼び寄せた心が入り、疑似的なヒトと化した存在。
闇の海岸にいる賢者アンセムを誘拐し、その時彼を守ろうとしたアクアを闇の深淵へと落とし彼女を闇落ちさせた。
賢者アンセムがソラの記憶を復元させたことがあると知り、それと同じ手法で、師は大きな秘密を抱えていた記憶喪失の少女「被験体x」の記憶を復元していたのでないか、そしてその記憶を知ったがために心の研究を中止する決断を下したのではないかと勘ぐり、そのデータを探している。
しかし賢者アンセムと共にトワイライトタウンの幽霊屋敷に訪れた際に
そこへ、屋敷の門前から突然ピンツが現れる。
「誰も住んでいない 帰れ!」
「おいおいおいおい 入ってくるな!」
と、芸人顔負けのリアクションを披露してプレイヤーたちを爆笑させた後、ハイネ、ピンツ、オレットの3人と意外な人物の横槍のせいで賢者アンセムの逃走を許してしまう。
最終決戦では歴代ラスボスらを伴って参戦するが、内心では闇に打ち勝ったソラや闇をも包む強さを持ったリクという存在もあって、自分たちは既に負けているようなものと思っていた。それでも目的のために悪あがきをしようと考えていたが、機関に裏切り者がいると知っても正直どうでもいいと思っている自分に気づいて報告もせずに放置していた。
「これで、俺とお前の旅は終わる」
「お前たちはまだ、探求の旅を続けるんだ」
最終決戦敗北後、リクに自分の旅は終わったと語り掛け、少年たちにこれからも探求の旅を続けろと言い残して消滅する。それを見届けるリクもまた奇妙な寂しさを感じていた。