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陸圧道人

るぅやーだおれん

陸圧道人(Luya Daoren、ルゥヤーダオレン、日本語読み:りくあつどうじん)とは神怪小説『封神演義(封神演义)』の登場人物。
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繁体字表記:陸壓道人

簡体字表記:陆压道人

概要編集

長いひげを生やし、頭に魚尾冠を被り、背の低い身体に大紅袍をまとう西崑崙の道士。姓は陸、名は圧。闡教(人間出身の仙道集団)や截教(人間以外の動植物・森羅万象出身の仙道集団)、西方教(大乗仏教尊格がモチーフの集団)といった作中の諸勢力のいずれにも属さない散人。

(散人とは、世事を離れ気ままに暮らす人、無用な人物、閑人、暇人等を意味する)。

彼が自作の詩歌で語るところによると、山海を渡り、気ままに各地を転々とする風来坊のような暮らしをしていた。

玄都や玉虚(それぞれ天界にある老君元始天尊の住居)にも行ったことががあるが、そこの主を訪ねたり、籍をおいたりもしていない。

そのせいか、彼と顔を合わせた誰も陸圧の事を知らなかった。

原作では彼の詳細なプロフィールは明らかにされていないが、自身の火にまつわる能力で矢の雨を無効にした際(後述)には敵の者達が自分の「根腳(出自、出身、来歴、の意)」を知らないと発言している。

そのためか[「火の精」「炎の精」「离火之精」と解釈される事もある。


物語では主人公太公望と彼が属する闡教の側に立ち、封神計画の妨げとなる趙公明や彼の趙公明の姉妹(雲霄、瓊霄、碧霄)の撃破に貢献。三姉妹との決戦が大詰めになるあたりで一旦紙面から姿を消し、天の定めを執行する立場として太公望に対して度々助言や助力を行う。


第四十八回にて、強敵趙公明に苦戦する太公望らの前に現れ呪殺の書『釘頭七箭書』を授ける。

『釘頭七箭書』は草を編んで形作り呪い殺したい相手の名を書いた人形と組み合わせて使う道具。

使用にあたっては儀式用の営(遠征中の軍隊が仮設する兵営のようなスペース)と台を設け、符を書き、道術の専門的な所作を行い、一日三度の拝礼を二十一日に渡って行い、最終日の正午に弓矢で人形の両目と心臓部分を射る必要がある。

太公望は趙公明の同輩達からの妨害を乗り越えて祈祷を完遂させた。


持ち主本人もかなりの強キャラとして描写されている。陸圧はその身一つに「火内の之珍」「離地の精」「三昧の霊」を宿しており、百天君との戦闘においては彼が発生させた空中火、地中火、三昧火が一切効かなかった。

この三火は炎による攻撃だけでなく、弓で射られた矢をも無効にしてしまう。第四十九回では敵討ちに来た姉妹が五百人の弓兵に射らせた矢の雨は彼の身体に届く前に灰になった。

第四十八回で趙公明が金蛟剪(得道した神仙をも両断できるハサミ)を飛ばして来た際には虹に変身して退避した。

その前後のシーンでは(自分に)金蛟剪は効かないと発言したり、自分が趙公明を倒してもよい(が、ここは太公望にやってもらおう)と言っている。


戦闘用宝貝として、「斬仙飛刀(斬将封神飛刀)」が入った葫蘆を持つ。この葫蘆(ころ、ひょうたん)は蓋をとると中から翼と眉と目のある刀が出てきて飛んでいく。第八十四回にて、別れ際に太公望に授けられ、物語の最終盤、第九十七回で妲己の首を撥ねるのに使用されている。


信仰編集

陸圧道人は先行する道教文書や史書、雑劇や小説類において確認されておらず、本作オリジナルのキャラクターとされている。が、『封神演義』の影響は強く、実際に彼が神として祀られる例がある。彼を祭神に含める寺院として、香港の嶺南古廟や台湾彰化県の彰化埤頭救世宮がある。


関連タグ編集

封神演义

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