うわさ
期待は外れ、裏切りを経験し、人の争いを目にしてきたアルヴァは、公式と原理では永遠に人の心を推し量ることができないと考えていた。この世で彼の味方になってくれるのは、彼を檻の中から救ってくれた神だけだ。
概要
隠者はゲーム「IdentityV」に登場するハンター。
プロフィール
通称 | 隠者 |
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名前 | アルヴァ・ロレンツ |
記念日 | 4月20日 |
趣味 | 新聞を読む・文献を読む・執筆 |
長所 | 電力知識・機械工学 |
嫌いなもの | 高いリスク・社交 |
好きなもの | 猫・発明・学術雑誌 |
CV(日本語吹き替え版) | 津田健次郎 |
キャスト(舞台版) | 菅野勇城 |
細身の体格と常に伸びた背筋、長い杖を持っている。
窓枠を優雅に超えるなど品格ある所作が特徴。よく服の汚れを払っているなど潔癖もみられる。
性能
外在特質(パッシブ能力)
- 恩典
隠者の杖は漆黒の瞳の力を有している。通常攻撃を行うと1.2倍のダメージを与える。
杖は電流を起こし、磁場を生成してサバイバーに恩典を与え、恩典の力を持つ正極または負極電荷を付与する。
施し | 電荷を携帯していないサバイバーは杖が生成する磁場によって電荷と対応する極性が付与される。隠者はマップ内の暗号機と脱出ゲートを接続することができる。隠者に接続された暗号機と脱出ゲートに触れたサバイバーにも正極電荷が付与される。 |
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変換 | サバイバーは接続された暗号機と脱出ゲートを解読する時に自身の極性を切り替えることができる。80秒ごとに1回切り替え可能。対戦開始時には50秒のクールタイムがある。 |
- シェア
漆黒の瞳の信者は分担と共有を提唱する。
マップ内の同じ極性の電荷を持つサバイバーは隠者による攻撃ダメージを分担する。
この効果が発動すると、サバイバーの極性は解除される。分担されたダメージは恐怖の一撃を発動しない。
形態変化/固有スキル(アクティブ能力)
- 奇跡
現在のカメラ方向に電磁エネルギーの塊を発射し、モジュールに命中すると電流磁場を生成する。
命中した場所の高度が高すぎると電流磁場を生成できない。
磁場:磁場は電荷を携帯していないサバイバーに対応する電荷を付与、あるいは範囲内にいる逆極性の電荷を携帯しているサバイバーを中心に引き寄せ、2秒間気絶させる。
サバイバーが短時間内に磁場による気絶を複数回受けた時、3回目及びそれ以降の気絶時間は0.5秒に短縮される。
- 極性切替
電磁装置が生成する電荷の極性を切り替える。
- 感知
隠者が瞑想状態に入ると、マップ内の暗号機の状況を感知する。
瞑想中、最大5台の暗号機を接続し、封鎖された回路を形成することができる。
サバイバーがこれらの暗号機を解読すると、解読進度の50%がこの暗号機に残され、35%が接続された他の暗号機に伝送され平均的に分配される。伝送は15%の暗号機進度を消耗する。
脱出ゲートが通電した後、隠者は脱出ゲートの回路を接続することができ、サバイバーが脱出ゲートを開放すると暗号機と同じ伝送・消耗効果を与える。
- 寄託
隠者が意志を杖の上部にある電磁ボールに託すと、電磁ボールが短い間空中に浮かび上がり、隠者は空中の視野を獲得する。寄託状態の時、電磁ボールはカメラ方向に電磁エネルギーの塊を発射できる。
再臨:意志を浮遊する電磁ボールに託している間、カメラ方向に電磁ボールを発射することができる。着地した後、隠者本体がこの地点に瞬間移動し、磁場を1回発動する。
長所
暗号機の解読遅延と全体負荷に優れたハンター。
試合開始直後に感知によって暗号機を接続する事で強制的に解読速度の低下ができ、暗号機に触ったサバイバーにもダメージを分散する事で全体負荷を同時に行う事ができる。
チェイス面でも電磁エネルギーを当てる事でわずかな時間ながらサバイバーをスタンさせる事ができるので、「使徒」と同じくサバイバーのスキルを封じてダメージを与える事ができる。
存在感を貯める事で解放される寄託からの再臨は壁を貫通して移動できるため、救助後にアイテムによって距離を離されても追いやすい。
椅子前の攻防でもスタンによって椅子耐久値の5割(10割)越えや、恐怖の一撃による駆け引きで救助者に圧をかける事ができる。
サバイバー側も危機一髪救助後にすぐ殴られたからと言って、効果時間中殴られ続ければそれだけ他のサバイバーへのダメージ蓄積も増えて行くことになる。
特に試合後半ではダメージシェアによって遠く離れていたはずなのに同時にダウンを取られると言う危険もあり、サバイバー側はチェイスをしている人の電極が正負どちらなのか、自分は電極を変えるべきかを考慮する必要がある。
短所
元々のダメージ値が通常のハンターの1.2倍とは言え、それを全てのサバイバーに分散されればダウンまでに必要な2と言う数値に達するまでに3回4回と攻撃を当てる必要がある為、追いかけるサバイバーによってはチェイス時間をそれだけ伸ばされる事になる。
これは椅子救助後も同じであり、他のハンターなら危機一髪時間終了と同時にダウンが取れるはずがそのままチェイス続行になる可能性もある。
また、電磁エネルギーは着弾点に小さな磁場を形成するが、基本的には直接ヒットさせる必要があるので射撃の精度が非常に重要。的確にスタンを取れなければクールタイムの間は徒歩で追跡しなければならないのでチェイスを伸ばされてしまう。
ダメージ分散と言う性質から医師や祭司とは相性が悪く、シェアによるダメージをすぐに治療されて全体負荷を軽減される事になる(それでも治療時間の分解読遅延がかかるが)。
衣装(スキン)一覧
UR | |
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看守長 | 首席顧問 |
秩序? 道徳? 時にそれらは鎖よりも強固な道具となる。 | 人々は10月の祭典で存分に笑い合い、踊り出す。しかし派手な幕の裏に、どのような秘密が隠されているのかを知る者はいない――シッ……あの軽やかな足音が聞こえるか? |
SSR | |
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ハヤブサ | 始業式 |
彼は砂漠で彷徨う狩人。黄砂と強風以外に彼の由来を知る者はいない。 | 勲章は彼が茨の道を越えてきた証でしかない。舞台の下に目を向けた時、ただまっすぐに知識を求めていた当時の自分の姿を見つけて初めて、彼の心は満たされる。 |
SR |
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焔の心 |
彼は未だに灼熱の松明の炎に触れることはできないが、自分の焔心になる方法はもう分かっていた。 |
深い霧 |
信仰とは一種の契約である。人間と強者の取引を取り繕うものだ。 |
技術顧問 |
未知の文化の最深部へ冒険に行った時、得られるのは経験の蓄積か、それとも永遠の堕落か? |
アパタイト |
愚者は無意味な犠牲を冒険と呼ぶ。 |
反響定位 |
海の吐息は長く、鼓動は高らかに響く。その捉えられた音は鍵盤が紡ぐ音色のように美しい。 |
初期衣装 | ボロい服 |
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初期衣装。すべてが自然に見える。 | 服がボロボロだ。本当にただゲームをしただけ? |
関連タグ
IdentityV 第五人格 ハンター(IdentityV) 「囚人」 「使徒」
背景ストーリー
「アルヴァ、我が友よ。君さえも私の研究を否定するのならば、この世界で誰が私のことを理解してくれるのだろうか?」
これはアルヴァ・ロレンツにとっての悪夢だった。
当時ヘルマンと共に仕事をしていた彼は、いつも「完璧な永久機関」について口論していた。
しかし実験による火災で全てが焼失し、手中に残ったのはヘルマンの実験記録と原稿のみだった。
長い年月を経てアルヴァは町の有名な発明家となり、勤勉にして誠実な愛弟子もできた。
しかし、自身が持ちゆる知識の限りを継がせようと思っていた矢先、その愛弟子から非難と裏切りを受ける。
「才能尽きた泥棒に、このような知識を持つ資格などないだろう。あなたは父の研究成果を独占し、私の研究まで妨害する。なぜだ?誰かに先を越されることがそんなに怖いのか?」
師弟の争いはすぐ町中の噂になったが、アルヴァはそれを弁解したいとは思わなかった。
世論は都市の隅々まで広まり、状況が悪化する中、全てを終わらせたのは数年前と同じ爆発だった。
アルヴァが目覚めると、ローブを着た者たちが押し入ってきた。
彼らは寛大な神がアルヴァを救い、新たなる力……そして他人に邪魔されない新たなる人生を賜ったのだと言った。
アルヴァはそこに残ることを選んだ。ここでは自分の好きな研究に集中できる。
彼は公式や原理で人の心を推し量るなど永遠にできないことを知った。
この世にはアルヴァを苦境から救った神以外、彼の傍に立つ資格がある者など存在しない。
背景推理(ネタバレ注意!)
この先、他のキャラクターの背景推理のネタバレも含みます。
1.粒子 | 小さな粒子でも、目まぐるしく変化する、膨大で賑やかな世界を構築することができる。 |
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1通の家書:「行きなさい、アルヴァ。こんな貧しい場所には戻らず、あなたが変えるべき世界へ。」 | |
2.異電性 | 吸引、それは互いの違いによって起こる。 |
教師の1件のコメント:ヘルマンは情熱に溢れ、ロマンある科学の理想を抱いている。アルヴァはそれに比べると寡黙で、しっかりと地道に足を進めるような実用主義者だ……学術研究において、彼らは最高のパートナーと言えるだろう。 | |
3.理論 | 全ての理論は天翔ける夢から生まれる。そして私たちの使命は、それを実現させることだ。 |
一枚のスケッチ:卒業証書に挟まれていた、複雑な機械構造のスケッチ。ヘルマン・ゼーマンの署名入り。 | |
4.反証可能性 | 科学命題の基準の1つは、理論上の反例が必要なことである。 |
日記の1ページ:姿を消してから2年間、彼は研究用経費を毎月欠かさず振り込んでくれるだけで、自分のことは決して話したがらない。そんな彼も昨日になってようやく帰ってきたのだが、私はあの研究の乏しい実現性に不安を募らせていた……私たちは存在しないものを証明すべきではなかったのかもしれない。私の友は、そのために多くの代償を支払いすぎた。 | |
5.ねじり秤 | どんな変化も見逃してはいけない。 |
タブロイド紙の見出し:夫の新事業投資で家財がなくなり、妻の貴族女性が病死、一人息子が家出。 | |
6.絶縁体 | それはエネルギーの伝達を阻止したが、悲劇の発生も防いでくれた。 |
1枚の手稿:びっしりと計算過程で埋め尽くされている紙。その細々とした隙間に、同じ言葉が繰り返し殴り書かれていた:「アルヴァ・ロレンツは私を裏切った。私の理想を奪い、私の人生を滅ぼした。」 | |
7.場 | そこに身を置いたとき、私たちは自らの身に起きている変化に気づけない。 |
1篇の報道:……今回の事故では、火災現場で1人の死亡が確認された。初歩的な調査によれば、発火原因は実験による爆発である。 | |
8.媒質 | 全ての過去が1人に残された時、彼らはそれを担う媒質となる。 |
1篇の日記:彼と永久機関にまつわる全ての過去を封じようとしたが、彼らの説得を断れず、私はあの失敗作を展示することになってしまった……展示会当日、私は再び幻覚を目にした。彼もこの場にいるべきな気がしたのだ。 | |
9.参照枠 | 過去を参照枠とし、私たちは常に0に帰する結論が出てしまうことを恐れている。 |
1通の推薦状:「展示ブースであの偉大な作品を見た瞬間、私はこれこそが自分の生涯追い求めるものだと確信したのです……いつの日か、『永遠の偉大なる完璧な機械』が実現されると信じています。」 | |
10.規則性 | 客観的事実に対する記述は、大量の帰納・検証作業が必要である。 |
結論:「あの人の筆跡を、あなたがあの人の実験結果を奪った証拠を見つけた!この嘘つき!」 | |
11.光 | 燃焼反応の産物か、それとも一種の電磁波か、あるいは神の創造物か? |
とある声:「アルヴァ、君は我々が求める『科学の才能』であり、素晴らしい世界を開く鍵となるだろう……」 | |
12.本質 | 一種の不変の属性。 |
最後の筆跡:彼らの言う通りだ。私が必要としているのはあんな愚かなものではない。人とは常にそうであると、私ももっと早く理解すべきだった。 |
※補足
ヘルマン・ゼーマンは「囚人」ことルカ・バルサーの父親、親子で姓が異なるのはヘルマンが後に貴族のバルサーク家に婿入りしたからか、またはルカが家出して母方の姓を名乗ったからと考えられる。
背景推理9の推薦状は「囚人」の誕生日手紙1年目で読むことができる。
背景推理11のとある声は「使徒」の背景推理にも登場した「猫のような影」のこと。猫の像と漆黒の瞳を信仰する宗教における神のような存在。
アルヴァはこの猫により死の淵から蘇り、この宗教を信奉するようになる。背景推理12の彼らも同じ教友だろう。
蘇った後は各地で集会を開いているようで、そこに参加した「使徒」の父を布教し家に招かれる仲になったことが「使徒」のキャラの日タスクで明らかになっている。
キャラの日
1通の古い手紙(1年目)
敬愛なるカイザー教授
先日はご協力いただきありがとうございます。
ヘルマン・ゼーマンの後事の段取りはすべて無事に整いました。あの事故の後、あなたの手助けがなかったら、私は自分の力だけで未来の計画を立て、過去を反省することはできなかったでしょう。
学生時代、私とヘルマンはあなたの門下で学びを得たことで、物理学の素晴らしさと至高の価値を窺い知ることができました。
共に学び、共に研究に携わってきた彼という親友を失い、私は今でも悲しみを抑えられません。
特に、彼の尊い命が実現不能な夢――永久機関などのために無駄になったと思うと……
かつて彼は、私ですら彼の研究を否定するなら、この世で彼のことを理解できる人間はいないだろうと言ったことがありました。そんな彼に、私は科学に友情で定義される真理などないと答えました。
私はずっと、彼に引き返して欲しかったのです。
彼には感謝しています。共に歩んでくれた親友であり、父が病に倒れた時は私が研究に専念できるように経済的な援助をしてくれたほどです。
それでも全ての真相を知った後、私は彼の選択を理解できず、怒りさえ覚えました。
その怒りは今、彼と共に過ごした研究の日々を脳裏に浮かばせては、彼がこの世を去った事実を私に突き付けています。そんな中、私は無力感と落胆に襲われました。
ここまで書いたところで、カイザー教授もこの手紙の目的を察したことでしょう。学院に残るよう私に声を掛け、研究室の教師に推薦してくれたことは心から感謝しています。
ですが今の私は、まだ過去の全てに向き合えていません。ヘルマンの死を通して、今後の研究の道について考え直す時間が私には必要です。
どうすれば過去を裏切らず、真理に向かって慎重に足を薦めることができるのでしょうか?
そこで、私は今の環境から離れ、新しい心の居場所を探しに行くことにしました。
仕事や家庭……あるいは他の個人的な目標でもいい。人間は必ず移り変わる空間と時間の中で再び心の希望と安寧を見つけられる……そういう風にできているものだと私は思っています。
今でも科学への探求は諦めておりませんが、今回は過去と同じ轍を踏まないよう、今まで以上に慎重に自分の進む道を選ぶつもりです。
それから私たちの「成果」についてですが、私はあの罪の機械の全てを永遠に封印することにしました。ヘルマン亡き今、それを思い出す者は二度と現れないでしょう。
流れゆく時の中で、その存在が完全に人々の視線から姿を消すのを待ちます。
アルヴァ・ロレンツ
※補足
背景推理7の後に書かれた手紙。おそらくカイザー教授は背景推理2の教師と思われる。
ヘルマンの死後、アルヴァは手稿の収集を始めている。
囚人背景推理3や6のようにオークションで買い集めたり、ルカを門下生とする条件に手稿を引き取るなどしていた。
それは研究を「永遠に封印する」ためのものだったが、背景推理10ルカが手稿からアルヴァ裏切り部分を読んでしまい、ルカは囚人誕生日手紙2「協力者の成果を横取り」「あくどい手段で売名を図る偽善者だった」と思い込んでしまった。
ルカ視点だと展示会(工業博覧会)に素晴らしい発明品を展示して世間の関心を集めているように見えるので、裏切って成果を奪い売名したのは真実に見える。