概要
ファミリーコンピューターで発売された初代『女神転生』およびリメイク作『旧約・女神転生』に登場する中立種族「魔獣」であるが、イベントキャラであるプルーシーとともに、何故かどうやっても仲魔にはできない特殊な悪魔である。
魔王セトが支配する「炎の腐海」に出現する、三つ目で青い舌を伸ばした赤い毛むくじゃらの獣で、色違いに鬼女ランダや神獣バロンがいる。
続編である『デジタル・デビル・ストーリー女神転生Ⅱ』および派生作『魔神転生』では、種族が仲魔にできないEVIL属性の妖獣ドドンゴーになり、姿は聖獣キリンの色違いになった。
元ネタ
この悪魔の元ネタは、昭和時代に出版された『世界妖怪図鑑』という児童書で紹介された、ドイツやフランスに現われた死神ベヘモスの騎乗魔獣ドドンゴであると考察されている。
主人のベへモス共々人には姿を認識できないが、真夜中に「ドドーン……」と地の底から響くような声で鳴くので、気付いた者はすぐさま彼らが苦手な十字架がある教会に逃げるとよいとされる。
実はこの魔獣を紹介した中世の悪魔図では、ドドンゴとされるほうがベヘモスで、乗っているほうはサタンである。
なお水木しげる氏は自著の悪魔図鑑では、麒麟のような姿のイラストカットを描いている。
また同著者の児童書『吸血鬼百科』に掲載される、武器の類が一切効かない硬い鱗に覆われた人面吸血獣・吸血ダダンゴと呼ばれるものと同一視される場合もある。
この獣はイギリスのヨークシャー州では羊300匹の血を吸い、吸うものがいなくなると民家の扉や壁を破壊して人を襲ってきたので、恐れられていたという。
しかし、ノミやシラミのような小さな吸血虫にはめっぽう弱く、鱗の隙間から侵入されるとそこで増殖され、逆に血を吸われてミイラのようになってしまい倒されてしまうのである。
『女神転生』シリーズでは同名怪獣との混同を避けるためか、登場させるにあたって長音「ー」が加えられたようである。