曖昧さ回避
概要
初出作品は『真・女神転生デビルサマナー』。
デザインは黒い烏帽子形兜に緋色の鎧具足を身につけ、太刀と脇差の二刀を手に持つ長髪の美青年という出で立ちで、後の作品でも変わらずこの姿で登場している。
破魔無効と物理系特技を全て反射する防御相性や高い攻撃力、後述する専用スキル「はっそうとび」など尋常でない実力を誇り、性格が「虚心」であることからほぼ確実に命令を実行するため安定した戦力としての運用が可能な存在である。
以上の能力やデザインから仲魔として愛好され、今日では複数の作品に渡って登場する常連悪魔としての確固たる地位を築いている。
スキル「はっそうとび(HASSO-BEAT)」
シリーズを通して「敵全体に八回連続攻撃」で、初出はヨシツネ本人と同じく『真・女神転生デビルサマナー』。
表記は「八艘跳び」、「八双跳び」、「八艘飛び」などシリーズによって表記ゆれがある。
セガサターン版では八回攻撃の一発一発が単体物理攻撃スキルに匹敵する威力を備えていたことで猛威を振るい、後の『デビルサマナー ソウルハッカーズ』では弱体化した。
しかし、『ペルソナ4』においてはヨシツネ自身が補助スキル「チャージ」(次の物理属性攻撃を二倍以上ダメージ)、「ヒートライザ」(味方一人の全ステータス上昇)、「ランダマイザ」(敵一体の全ステータス弱体化)を所持することが可能なことから、過去作をはるかに凌駕するバランスブレイカーと化している。
オマケにコミュ解禁ペルソナではないため、「塔」のコミュニティをMAXにしなくとも創れてしまう。
まあ、肝心の「八艘跳び」を習得するにはレベルを初期の75から83まで上げなければならないので、基本的にコミュMAXにしてから創ったほうが良いが。
ただし、PS2版ではランダマイザは修得条件がやや特殊すぎるため、修得を悩む或いは諦めてしまうプレイヤーもいる。
尤も、無理にヨシツネに全てを習得させなくても、「八艘跳び」以外は他にも習得できるペルソナが居る(特にランダマイザ・ヒートライザを両方覚えるトランペッター)のでペルソナチェンジで対応すれば良いだけなのだが。
完全版である『ペルソナ4ザ・ゴールデン』では、スキルカード(ポケモンのわざマシンのようなもの)で無理なく習得可能になった。なおスキルカードの入手経路の関係でこちらでもトランペッターが相棒である。
それどころか、直斗が「ヒートライザ」を、千枝がその全体版である「ドラゴンハッスル」を習得するようになったので、より高い回転率で「八艘跳び」を放てるようになった。
ペルソナ5Rでも「チャージ」(次の物理攻撃2.5倍)→「ランダマイザ」(相手の全ステータス低下)→「ヒートライザ」(対象の味方の全ステータス上昇)→「八艘跳び」の異常火力なコンボは健在。
さらに合体素材の1体であるフツヌシから特性「剣神の念(チャージとコンセントレイトの効果を3倍に強化)」を持ってきたり、奥村春が栽培してくれる新野菜「大地ビーンズ(対象にチャージ効果・自分以外にも使用可能)」での運用柔軟化など、ロイヤルでの追加要素も追い風になっている。
ただしP4を顧みたためか、そのフツヌシがストーリー進行でしか進まないコープ「魔術師」MAX解禁ペルソナであるため、1周目だと活躍は2学期最終盤からになる。また、3学期で追加されたパレスには物理耐性持ちのシャドウが多く、物理反射持ちも2種いるので通りがやや悪くなる。
それでも単純火力では今回もトップだった。あるペルソナが来るまでは……
ペルソナ5スクランブルにも登場。ターン制バトルから無双風アクションに変わったことで「チャージ」の意義が薄くなったものの、相変わらず「ヒートライザ」→「ランダマイザ」→「八艘跳び」の火力は強力。特に今作のスクカジャやヒートライザは『クリティカル率上昇』が含まれている為相性抜群。上述のロイヤルでのほぼ上位互換な怪物ペルソナがいないこともあって最強格の一体としてカムバック。
加えて、今作は「ダウンゲージ」というバトルシステムが採用されており、これを削らなければダウンを取って総攻撃を仕掛けられない為、弱点属性での攻撃やクリティカルやテクニカル(状態異常を付与した敵への攻撃時に発生するダメージ増加)の発生が非常に重要となっている。この為クリティカル特化の多段ヒットの物理アタッカーたるヨシツネはシステムとの噛み合いもあって極めて強力。
特に弱点属性が存在しないどこぞのてるてる坊主相手には必須級。
またテクニカル特化型としても猛威を振るい、例として「ドルミンラッシュ」で睡眠を付与し物理スキルでみじん切りにして即座にダウンを取り総攻撃で削り切るというお手軽高火力の「睡眠ヨシツネ」なる型も考案されている。
各作品のヨシツネ
真・女神転生デビルサマナー
ヨシツネ見参!!
ヨシツネの初出作品。種族は「英雄」。
レベル55以上の造魔と魔神ハチマンを合体させることで作成可能。
「はっそうとび」の強さは先の通りだが、「やくしぶっしょう(敵全体にCLOSE付着)」、「たたみがえし(1ターンの間、味方全体の物理攻撃反射)」、「ちょうはつ(敵の攻撃力を倍加し、防御力を半減にする)」等の補助スキルを持ち、速さパラメータが23もあるためそれらを先手で行使でき、単純なアタッカーに留まらない幅広い立ち回りが期待できる仲魔である。ひたすら八艘飛びやらせるだけになる事も多いしそれが一番強いと言ってしまえばそれまでではあるが…
オリジナルのセガサターン版には「速さパラメータが26を超えると行動順が最後になる」というバグがあるので、ニギミタマ合体による素早さ増強は1回に留めないとマズイ。
デビルサマナー ソウルハッカーズ
遠カラン者ハ、音ニモ聞ケイッ!我コソハ、猛将ヨシツネ。魔ヲ滅ボサンガタメ、イザ参ル!
新月時にレベル60以上の造魔と威霊ハチマンを合体させることで作成できる猛将種族の悪魔として登場。
今作の「八そう跳び」はなぜか魔法攻撃扱い。属性は物理系なのにダメージ計算は魔法攻撃力を参照、という珍しいスキルである(他には今作ヒロインのネミッサの「戦の魔王」など)。
にも拘らずステータスは脳筋型で魔は低く、御霊合体を施してもわずか24止まり(上限は40)。
上記の通り単発火力が下がった事も災いし、前作で見せた圧倒的な火力は鳴りを潜めてしまった。
デビルサマナー葛葉ライドウ対超力兵団
やあやあ 遠からん者は音に聞けっ!近くば寄って 目にも見よっ!…て まぁ 堅苦しくても仕方ねぇ。オレはヨシツネだ よろしくな。
蛮力属の悪魔として登場。今作では第五話以降に修験界第四階層にいるヨシツネと会話した後に撃破することで合体が解禁される仕様で、葛葉ライドウの噂を聞いて興味を持っていたことを打ち明け、ライドウが自身が従うに足りるだけの実力を有するか見極める為に刃を交えることとなる。
銃撃耐性と呪殺無効相性以外は特に弱点属性を持たないことから隙が無い立ち回りとタフさを誇り、通常攻撃の威力倍率の高さと物理攻撃スキルのリーチ・継続時間が長い、「雄叫び」による攻撃強化、合体攻撃「震天大雷」による突破力等、自慢の「はっそうとび」こそ無いものの作中でも随一の攻撃的な能力を持つ。
デビルサマナー葛葉ライドウ対アバドン王
蛮力属の悪魔として登場。
レベルが前作の36から29に引き下げられたことで所持スキルのランクも全体的に下がったものの、通常攻撃の威力が依然として高く、思い出技「報復の狼煙(死亡を一度だけ防ぎ、HP50%で復活)」を最速で覚える仲魔であることから高い生存能力と悪魔合体素材としての希少性を持つ。
真・女神転生Ⅲ-NOCTURNE マニアクス クロニクル
葛葉ライドウが使用する高クリティカル倍率の単体物理スキル「ヨシツネ見参」において使役悪魔の一体として登場。
同スキルのモーションはライドウが対手に煉獄撃・刃、壊、塵による三連斬撃を繰り出した後、召喚されたヨシツネが上空から飛び込んで二連斬撃で仕留めるという仕様になっている。
デビルサマナー葛葉ライドウ対コドクノマレビト
剣の神と戦えるとは武人冥利に尽きる!我が京八流に敵はなし!
第参話において凪が実力試験であるダークサマナー(十文字ワーグナー)討伐の為に持ち出した悪魔として初登場。
凪はヨシツネゆかりの籠手を媒介に召喚したが力不足であったため当初は反抗的な態度を取られるがワーグナーが召喚した剣神フツヌシの姿を見て武人の血が騒ぎ、一時的に協力関係を結ぶ。しかし、落ちたりと言えど“神”であるフツヌシとの実力差に苦戦し、八艘飛びによって相手の懐へ飛び込んで一息に勝負を決めようとするも、その動きを読んで展開していたフツヌシの剣で串刺しにされて消滅してしまう。
第拾陸話ではライドウが凪からヨシツネを譲り受けたことで仲魔として正式に加入し、ヒノカグツチと化したワーグナーとの戦いに参戦する。フツヌシと協力してソロネの群れを蹴散らすが、ヒノカグツチに追い詰められたライドウを救う際に負傷し、フツヌシに後を託して火炎の中に散っていく。
後の弐拾漆話におけるライドウと安倍星命との決戦では、十二天将セイリュウが放った絶対零度を回避する際にライドウが赤口葛葉に宿るヨシツネの力を発動、八艘飛びによる圧倒的な跳躍力でセイリュウとの間合いを詰めて一刀の下にこれを斬り倒し、捕えられていた串蛇を取り戻すことに成功している。
真・女神転生Ⅳ
英傑種族の悪魔として登場、女神転生のナンバリング作品には今作が初参加である。
今作の英傑は合体エラー限定悪魔であることから入手難易度が高いことと、「八艘飛び」を持たない上に所持スキルのほとんどが特殊な補助・自動スキルで揃えられていることから実用的とは言い難い悪魔である。
なお、装備することでヨシツネと同じ姿になれる“源家竜胆具足”が防具一式として作中に登場する。
真・女神転生Ⅴ
軍神種族の悪魔として登場。
「八艘飛び」が“敵全体ランダムに8回小威力の物理属性攻撃。必ずクリティカルが発生する”というプレスターンバトルシステムが採用されている今作では強力無比な性能になっている。また、防御相性の耐物理が通常攻撃や物理攻撃スキルによるクリティカル判定が発生しない仕様であることから、攻防兼ね備えた強力な仲魔である。
ソウルハッカーズ2
英雄種族の悪魔として登場。
レベル39という中堅枠、かつ「八艘飛び」のような独自スキルも持たないため、他作品と比べて地味な印象は拭えない。
それでも同レベル帯では飛び抜けた物理攻撃力を持ち、防御面でも物理・雷撃無効と火炎耐性を持つため、ゲーム中盤では特定の場面で頼りになる存在である。
なお、口調はなぜか渡世人のようなものとなっている。
その他
アニメ版『P5A』の特番にも登場し、ヤフートレンドにヨシツネがランクインする事態に発展した。
『真・女神転生IMAGINE』及び『D×2真・女神転生リベレーション』での発言によれば、兄上が存在する事が示唆されている。
特にIMAGINEでは7th Anniversaryイベント「デビルロワイヤル~史上最大の頂上決戦~」の“魂の牢獄・長成”において、魔人アリスが友達として引き連れる魔人たちの一体にヨシツネが並んでいる。アリスが選んだ魔人達はいずれも信じていたものに裏切られて命を落とした存在であり、アリスはヨシツネを兄に裏切られた者として「信じていたんでしょ?お兄ちゃんを」と呼び掛けている(他はジャンヌとトキサダで、前者は「未来」に、後者は「神様」に裏切られた者として扱われている)。