プロフィール
人物
十二天将の一人『貴人(きじん)』の称号を有する陰陽師で、鸕宮家の現当主。
眼の色が左右で異なるオッドアイをしており、女性だと見間違うほどに中性的な姿をしている。
性格は一言で表せば傲慢無礼。
何者に対しても物怖じせず、目上に対しても何の躊躇いもなくタメ口なのだが、最強と称される実力も相まって周囲からの評価は高い。
他人に独特なあだ名を付ける癖があり、士門は《トリ丸》と呼んでいる。
(他のあだ名は単行本12巻に掲載されている)
一度付けたあだ名は当人が嫌がろうとも拒否しようとも決して止めない。
双星であるろくろに期待しているようで、アドバイスや煽りを入れてゲン担ぎを行ったこともある。
本人曰く『俺を越えてもらわなきゃ俺が困る(要訳)』とのこと。
最大派閥の鸕宮家の当主にして最強の陰陽師と言われるだけあって、他の十二天将さえ知らない機密情報にも触れているようである。
21巻以降では髪の毛が伸び、一部を後ろで束ねている。
また五点同時襲撃時の戦闘の影響で左手は義手になっており、左目にも透明な眼帯を付けている。
能力
覇刃顕符 貴爀人機(はじんげんぷ きかくじんき)
十二天将"貴人"の呪装。変幻自在のブレードで攻撃する。ブレードの大きさや数を自由に変えることが出来る。
貴爀人機には武器の移動時間というものが存在せず、天馬が攻撃指示を出した時点でブレードはそこに在る。
貴人明鏡符 貴爀人機 纏神呪
普段は霊符を必要としない天馬も専用の『貴人明鏡符』で呪装する。
メイン画像のように右手とブレードが一体となった形態へ変化する。
色はやや赤みががった白と黒基調。
元々の呪力が更に凝縮された影響でブレードの斬れ味が更に向上している。
戦闘能力
生まれながらに有り余るほど高い呪力を持っており、10歳で鸕宮家の当主となった。
また、天才と言われた士門が1年かけてようやく可能とした纏神呪の5分間維持も修行開始から1週間で達成したという実力者。
7歳で初参加した御前試合では清弦と引き分け、それ以降は他の十二天将相手に5分以内で勝利するという功績を持っている。
これらの経歴から総覇陰陽連の中でも最強最高の陰陽師である十二天将の中で最強と謳われている。
その実力は並のケガレや強力なケガレである真蛇種は勿論、本来ならば十二天将を数人要しての大隊で討伐する婆娑羅でも単独で渡り合い、場合によっては纏神呪を使わない通常の呪装だけで討伐する程。
それでいて未だに実力は未知数。
攻撃時は他の陰陽師と違い、長い呪文詠唱も無しに貴爀人機を『ズバァァァン!!!』という掛け声と共に振るい、ケガレを周囲の地形ごと一刀両断し巨大な亀裂を生じさせるほどの力を有する。
これだけの能力を有していながら、本人にとっては術の使用も呪装も日常動作(食う・寝る等)の延長線上でしかないため、どんなに強力な呪装も術も、予備動作(呪文)も殆ど無しでさも当たり前のように使いこなす。
特殊能力
無詠唱、無霊符
普通の陰陽師は有馬や士門など天才や規格外と呼ばれる者であっても術の行使には呪文や霊符が必要であり、婆娑羅やケガレ堕ち悠斗であってもそれは例外ではない。
だが天馬だけは呪文も霊符もなしに様々な術や呪装を使用できる。
共振(レゾナンス)
双星にしか使えないと言われるレゾナンスと同様の現象をろくろとの間に発現させられる。
先読みの術
天馬の夢の中で他人の死を通して未来を視る能力。頻度も条件も不明。ただ、ある程度の回避は可能であるらしい。
五点同時襲撃以降は使えなくなった。
過去
一見明るい性格に見えるが、その過去は恐ろしく壮絶。
天将十二家筆頭とされている鸕宮家では宗家分家の区分けが存在せず、一族全員は陰陽師の中でも精鋭中の精鋭で知られている。その当主となり十二天将『貴人』の継承する儀式は、他の家とは異なり同門同士による蠱毒術、つまり殺し合いである。
一定の年齢になると10名ほどの候補者に百足の呪印が刻まれ、最後の1人になるまで殺し合い、生き残った1人が継承する。
もし儀式を拒否して島から抜け出そうとすれば呪印により殺害されるので、拒否権はないに等しい。
これが鸕宮家の当主の座を決める儀式である。
そして、鸕宮天馬も10歳にしてこの継承式に選ばれた。他には親族が数人と姉が一人選ばれ、儀式は行われた。
つまり、天馬は10歳にして数人の親族と実の姉を殺したということになる。
更に最後に殺した姉は、普段の優しい顔を捨てて「どうせアンタが生き残るって分かってんのに引き立て役のために生きていなければならなかった、本当にクソみたいな人生だったわ」「最強になったアンタは誰からも理解されない、ずっと孤独なまま」「知ってる?人殺しは地獄に堕ちるのよ?」と本性を露わにして罵詈雑言を浴びせて死んでいった。
この過去が天馬を深い闇に堕としている。
貴人
貴人の式神は器という機能があり、その正体は太陰になり損なった双星の女の霊の集合体である。
それゆえにろくろをはじめとする双星の男とのレゾナンスが可能である。
貴人を継承した際に左目が黄緑色に変色しオッドアイとなった。