映画作品
原題は " Attack of the 50 Foot Woman" 。邦題の『妖怪巨大女』も、少数ながらタグとしての用例がある。
監督ネイザン・ハーツ、脚本マーク・ハンナ。
製作会社のアライド・アーティスツ・ピクチャーズ・コーポレーション(Allied Artists Pictures Corporation)はもともとモノグラム・ピクチャーズ(Monogram Pictures)の子会社で、1980年代に買収された結果、作品の権利はワーナーが保有している。
正体不明のエイリアンによって身長50フィート(≒15.24m)の巨人にされたナンシー・アーチャー(アリソン・ヘイズ)が、不誠実な夫ハリー(ウィリアム・ハドソン)を追い回し、大騒動を巻き起こすB級映画。日本では劇場公開されず1970年代にテレビ放映が行われたのみのため「知る人ぞ知る」扱いの作品だったが、2019年にDVDが発売された。
トレイラー映像
2024年には、ワーナーがティム・バートンの監督でリメイク版(邦題未定)を製作することを発表した。これ以前から1993年にダリル・ハンナ主演のテレビ映画(邦題「ダリル・ハンナのジャイアント・ウーマン」)や複数のパロディ映画が作られている。
備考
巨大化したナンシーが左手に壊れた乗用車を持ちながら高速道路を跨ぐポスター画の構図が非常に秀逸で、特にアメリカでは多くのリメイクと派生作品を生み出しているばかりでなく何度もパロディのネタとされているが、本編中にそのような場面は出て来ない。
「人間が巨大化して街中で暴れ回る」と言うアイデア自体は前年に公開された『The Amazing Colossal Man』(邦題『戦慄! プルトニウム人間』)からインスパイアされたものだと言うのが定説だが、男性の巨人でなく女性を巨大化させたのは、撮影当時に映画の表現規制(ヘイズ・コード)が厳しかったためヒロインに露出度の高い格好をさせる口実に「巨大化したのでサイズに合う服が無いから仕方なく布を巻いている」設定で逃げ道を作る目的があったと言われている。
アメリカでの評価は「ツッコミ所多数で名作には程遠いが、愛すべきカルト・ムービー」と言うもので"giantess" と言えば「とりあえず50フィート」が一種のお約束となっている。日本でもアニメ『らき☆すた』第19話で小早川ゆたかが巨大化するイメージ映像に本作のパロディが採り入れられていた。