曖昧さ回避
概要
阪急電鉄の前身、阪神急行電鉄が1934年に導入した通勤型電車。
神戸本線での特急列車運転開始に際し、阪神間の所要時間25分を実現するべく900形をベースにして開発された本形式は戦前の阪急を代表する車両であり2両固定編成の採用や連結部への広幅貫通路の設置など、後のデファクトスタンダードとなるギミックやデザインが多数初採用されている。
スペック
車体は全長17.6m、車体幅2.74mで、ベースとなった900形に準じて片側2ドアとなっている。
Mc-Tcの2両固定編成で、運転台側は自動連結器、非運転台側は密着連結器を搭載している。非運転台側には幅1mの広幅貫通路が設置され、2両の車内が一体に見えるよう演出されている。ただ貫通路への幌の設置は1936年と遅れている。
電装品は将来の1500V昇圧を念頭に設計されたものを搭載。モーター出力は1機170kwのものを4機搭載する高馬力設計で、歯車比も高速運転重視のセッティングとしている。このモーター出力のおかげで昇圧後も長く生き残ることが出来た。
終焉とその後
1970年代中頃になって本線運用からの撤退が進み、1978年には宝塚線での運用を終了。晩年は全車が支線運用となり、1982年に甲陽線での運用を最後に営業運転を終了した。
営業運転終了後も969-972の4両は救援車の4050形へと改造され、既に車籍は抜かれているもののその姿を令和の今も留めている。
またトップナンバーの920の前頭部は宝塚ファミリーランドの宝塚電車館で展示され、ファミリーランド閉園後は931の貫通扉と共に正雀工場で保管されている。