概要
全社が4ストロークエンジンを搭載している。
元々は競技用モトクロッサーのシリーズであったが、現在は公道用も存在しており、本稿では公道用のみ記述する。
CRF250L
2012年発売。
CRFの名を冠する初の公道用バイク。
外観はモトクロッサーCRF250Rによく似ているが、こちらはスチール製フレームを使用。
エンジンもCBR250R(MC41)用を流用するなど、随所にコストダウンが図られている。
生産はタイで行われている。
このおかげで、アルミ製スイングアームや倒立フォークなど本格的な装備にもかかわらず車体価格は税抜き約46万円を実現。
2017年の排ガス規制でライバルが脱落して以降は、本シリーズは国内において唯一の250ccクラスのオフロード車となっている。
また、同年には車高を45mm下げたローダウン仕様を追加している。
車名の「L」は「Legal=合法」の意味。
CRF250M
2013年発売。
CRF250Lのスーパーモタード仕様で、オンロード用のタイヤとホイールを装備している。
2019年に生産終了。
CRF250RALLY
2017年発売。
CRF250Lをベースに、ダカールラリーに参戦していたCRF450RALLY風に仕上げたモデル。
大型のスクリーンや大容量の燃料タンクを装備しており、ラリー同様にロングランを想定したツーリング向けモデル。
LEDのヘッドライトは左右非対称形状であり、これは国内メーカーのバイクとしては非常に珍しい採用例である。
シート高が895mmと高い事から、ローダウン仕様は65mmも車高を下げている。
250ccクラスのツーリング向けオフロード車は、2008年に生産終了したスズキ・ジェベル以来の登場であった。
CRF450L
2018年発売。
簡単に言えばモトクロッサーCRF450Rの公道バージョン。
全体の70%もの部品をCRF450Rと共有しており、名前とスタイルのみをあやかっていたCRF250Lとは明確に設計意図が異なる。
最高出力24馬力のエンジンはCRF450Rを手直ししたものだが、オイルの交換頻度は1000km、オーバーホール周期は3万kmと、とても公道用のバイクとは思えない制約を持っている。
当然ながらフレームはアルミ製、燃料タンクに至ってはチタン製と、コスト度外視の徹底したスパルタンぶりである。
ローダウン仕様は設定されていない。
新車価格は税抜き120万円、販売はホンダドリーム店のみであった。
しかし、上記の通り価格や敷居の高さからか、僅か1年後の2019年に生産終了。