概要
スズキが2017年から発売しているバイク。
2012年から販売していたツアラーのGSR250Fの後継にあたり、生産も引き続き中国で行われている。エンジンやフレームは同車のものを流用しているため、フルカウルでGSXの名を冠するのに、スポーツ系のGSX-Rシリーズには属していないという結構ややこしい位置となっている。が、あのスズキが誇る隼も同様の型式名(GSX-1300R)という前例もあるので決して侮れない。
エンジンは2バルブSOHC並列2気筒であり、最高出力は24馬力とライバル車種に比べて大きく劣る。これは低回転域でのトルクを太らせ、最高出力よりも実用における乗りやすさを優先した事による。実際8000回転までの後輪出力ではライバルを上回っているとスズキは説明している(参考までに、馬力=トルク×回転数である)。
一方で「GSX」のXは本来4バルブを意味するものであり、2バルブの本車がGSXを名乗ることに対しては信心厚い鈴菌たちからも異論が出ることがある。
250ccクラスの国産フルカウルで唯一馬力競争に参加していないという点で異彩を放っており、GSX-Rを名乗っていないという点でもスポーツと言うよりは先代GSR250と同じくツアラータイプであると言ったほうが的確である。
また、メーターに時計やギアポジションの他、オイルチェンジのインジケーターや燃費計を装備している点も、実用性重視の表れである。
車体価格は発売時は48万円であったが、ジクサー250/SF250発売後の2020年1月に値上げされた。それでも税抜きで約53万円、ABS込で56万円と、ジクサーを除けばこのクラスのフルカウルでは最も安い。
アドベンチャータイプであるVストローム250とは多くの部品を共有しており、事実上の兄弟車である。