概要
元々はGSX-Rシリーズの海外のバイクファンの間での俗称で、「ジーエスエックス・アール」を略して「ジクサー(GIXXER)」と呼ばれていた。
2014年にインドでストリートファイター(ネイキッド)タイプの「ジクサー150」を、2019年には「ジクサー250」とそのフルカウル版である「ジクサーSF250」を発売した。日本でも150が2017年、250/SF250が2020年から正規販売されている。
その最大の特徴はエンジン冷却装置。現在バイクの殆どを占める水冷に対し、ジクサー150は空冷、そして250/SF250は油冷である。
特に油冷は,SOCS(Suzuki Oil Cooling System)と名付けられた従来にない発想の方式で、旧油冷(SACS)の弱点であった冷却能力の低さを克服しつつ、更なる軽量化の恩恵を得た。これによりSF250はABS機構も込みで158kgという軽量ボディを実現している。
価格も破格に安く、ジクサー250は44万円、SF250は同クラスのフルカウルで唯一50万を切る48万円。150に至っては原二のGSX-S125やCB125Rより3万以上も安い35万である。
エンジンはいずれもSOHC4ストローク単気筒で、いわゆる「シングルスポーツ」である。
昨今の250ccクラスのフルカウルスポーツはYAMAHAのYZF-R25やHONDAのCBR250RR、KawasakiのZX-25Rという高性能・高額路線への流れが定着しつつあるが、SUZUKIはそうした流れを無視するらしさ全開の独自路線で、バイクファンたちを「さすがSUZUKI」と感心させた。
ただし250ccのシングルスポーツは近年ではCBR250R・Ninja250SL/Z250SLが存在したが、いずれも評価こそ高かれど売上は2気筒勢に押されており、現在はCB250Rを残すのみと、商業的には難しい立ち位置である。SUZUKIはコスパの良さがウリのブランドなのが好材料だが、いずれにせよ今後の売上が注目される。
150は中免(普通自動二輪免許)が必要なバイクの中では最弱レベルの排気量であるため、中途半端で売れないのでは?と言われていたが、高速/自動車専用道路に乗り入れられるバイクの中で最も維持費が安く取り回しも良いという点が受けており、そこそこの人気があるようだ。
世間は広いもので、この軽量さを生かしてオフロードに参戦する猛者もいる。
なおSUZUKIにはすでにGSX-250Rというフルカウル250ccが存在するが、こちらは水冷SOHC2気筒で、車重はABS込みで181kgもあり、スポーツというよりはツアラーに近い。
しかし「GSX-R」を由来とするジクサーとGSXが同じフルカウル・同じエクスターブルーで同じ排気量に同居するというのはなんとも奇妙な感じである。
また「GSX-R」は全てフルカウルだが、「ジクサー」は無印だとネイキッドなのもちょっと不思議である。
関連タグ
隼:海外では「(HAYABUSAの)“BUSA”」と呼ばれているとか。