概要
スズキが発売していた250ccのネイキッドバイク。
生産は中国で行われ、現地では2011年、日本と欧州では2012年に発売された。
尚、中国向けは「GW250」、欧州向けは「Inazuma250」と命名されており、GSR250という名前は日本仕様固有のものである。
フルカウル版の「GSR250F」、ハーフカウル版の「GSR250S」も存在するが、どちらもスズキ流の独特のデザインで異彩を放っていた。
↑GSR250F
デザインはB-KINGを強く意識したもので、特にフロント周りは非常によく似ている。
エンジンは新開発のSOHC並列2気筒で、最高出力は24馬力と控えめ。
その分低回転域でのトルクを太らせるよう設計されており、実際は数値で見るほど非力ではない。車両重量は183kgとライバルに比べるとかなり重く、取り回しでは不利だが、どっしりしているため長距離では疲れにくい。
同クラスでライバルとされたNinja250、CBR250Rがいずれも軽量なボディと高回転まで吹け上がりの良いエンジンを身上とするスポーツモデルなのに対し、本車はツアラーといえる。
他にライバル車種には無い特徴として、左右2本出しのマフラーとセンタースタンドの装着が挙げられる。特にセンタースタンドはメンテナンス時に重宝すると好評であった。
これらのパッケージングと税抜き438,900円というこれまたスズキらしい低価格から、市場において一定の人気を得た。
後にヤマハがYZF-R25を発売すると、ライバル車種が全てフルカウルスポーツという状況になり、2017年にはスズキもよりスポーティーな雰囲気を目指したGSX250Rを発売して応戦。これと入れ替わりで本車は生産終了となったが、エンジンはキャリーオーバーされており、その精神は今も息づいている。