LOMO
ろも
LOMO(ロモ/АО〈ЛОМО〉)は、ロシアの光学機器メーカー。
レニングラード光学器械 (Ленинградское оптико-механическое объединение)の略。
その名の通りソ連時代から存在し、創業は更に遡って帝政時代の1914年、当時の首都であったペテルブルク(現:サンクトペテルブルク)で設立された。
主に民生用カメラのほか、研究機関向けの天体望遠鏡などの光学機器や、軍用の各種光学機器など幅広く手がけるメーカーであった。
冷戦時代、鉄のカーテンの向こう側であった西側でも名前が知られた珍しいメーカーで、1980年代にコンパクトフィルムカメラ『LC-A』や『SMENA8(СМЕНА8)』といった機種が西側の芸術写真家の間で出回ると、単なる時代遅れのカメラと思われていたソ連製カメラが人気を博すようになった。
尤も、カルト的人気を博していたLC-Aは日本のコシナが発売していたコンパクトカメラの焼き直しと言える代物であったし、人気の理由も性能の高さでは無く「予想できない写真が撮れる」というもので、露骨に言えば不安定な品質や性能の不足が写真に味わいを生むからというものであった。
とはいえこのLC-Aは、1983年の発売されて以来、現在でも新品が買える驚きの長寿モデルである。
沿革
1914年に創業するも、1917年にはロシア革命による混乱で工場が操業停止。ところが、1919年には革命勢力である共産党によって「映画が党の広報活動に有益である」と判断されたため、ウラジーミル・レーニンの指示のもと映画用カメラの製造を開始している。
創業以来の所在地、ペテルブルクは何度か名前を変えているが、現在のLOMOという社名となったのは1965年、レニングラードと呼ばれていた時代である。
その後、ソ連崩壊と共にレニングラードはサンクトペテルブルクと名乗るようになったが、現在でも社名は「レニングラード」を冠したままである。
現在では、民生用カメラ事業から撤退しているものの、かつて製造していたカメラのうち『LC-A』は、オーストリアの「ロモグラフィー」で再生産されている。
一方で、軍事機器や研究用途の光学機器の開発・製造は現在でも続けられている。