概要
1980年代初頭に旧式化したM551の代わりとして、緊急時の早期展開が可能で機動性と装甲、火力を持ち合わせたAFVの開発構想が始動し、機動防護砲システム(Mobile Protected Gun System)の名称が与えられた。後に名称を装甲砲システム(Armored Gun System)に変更した。
仕様要求としては主砲は105mm砲と高い機動性、空輸能力を備え、装甲車以上の生存性も持ち、可能な限りコストを低減するというものであった。
開発に名乗りを上げたFMC社が1983年から開発を開始し、近接戦闘車両(軽量)(Close Combat Vehicle - Light)が完成した。FMC社は同車で計画に応募し、キャデラック・ゲージ社はスティングレイ軽戦車やテレダイン社の遠征戦車を提案し採用を競った。選定の結果、1992年にFMC社案を選定しXM8の名で仮採用した。1995年10月にM8 AGSとして制式化され、量産車の生産準備が始まろうとしていたが、翌1996年2月5日、冷戦終結に伴う予算削減からアメリカ陸軍はAGS計画のキャンセルを発表した。
これで終わるかと思われたが、今度はイギリスがFV101スコーピオン軽戦車の後継車両を検討していると知り、FMCは同国のヴィッカーズ・ディフェンス・システムズ社と共同で、この計画用の車両の開発を開始し、変更を加えたVFM5を開発した。しかしこちらも計画がキャンセルとなり、採用されることは無かった。
なお、コンペで競ったスティングレイはタイ王国陸軍に106両採用され、テレダイン案の無人砲塔は後にストライカー装甲車のバリエーションの一つ、M1128MGSへ流用され量産化された。
しかし2010年代に入るとアメリカ陸軍が新たな計画、機動防護火力計画(Mobile Protected Firepower Project)を始動、これは装甲砲システムと類似点が多かったため、FMCを買収したBAEシステムズ社からM8AGSを近代化した車両を提案し、2018年に試作車の製造許可が下りた。2021年よりゼネラルダイナミクス社の試作車と共に評価試験が行われた。
2022年6月にはゼネラルダイナミクスが提案していたグリフィンの採用が決定しM10ブッカー戦闘車の正式名称が与えられた。
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