概要
個性暴走事件、蜂須賀九印の事件、スカイエッグ爆破事件と作中で起きた数々の事件の裏で暗躍していた“傷顔の男”と呼ばれるヴィラン。
その正体はAFOが作り出した人工生命体兼"人工ヴィラン"であり、後の脳無の試作型と言える存在。
それ故本名はなく、彼の背後にいる上の人間からは「No.6(試験体6号)」と呼ばれている。
数年前に活躍していたヒーロー「オクロック」と同じ「加速(オーバークロック)」の“個性”を持つ。
人物
軽薄な性格。「〜っス」とヘラヘラした態度で話し、遊びのような感覚で各地で襲撃を行う。
しかし自分の思い通りに行かないとすぐに激昂し、特に顔に自分のつけた以外の傷をつけられることを酷く嫌っており、一般人相手であっても“個性”を平気で振るう。
自分が「何者でもない奴」である事へのコンプレックスが根底に根付いており、自身に与えられた「加速」元々の持ち主であるオクロックに憧れ、彼を勝手に「師匠」と呼び、自身が第二のオクロックとなることを望む。
しかしそれはオクロックというヒーローの生き方への憧れではなく、「俺らしく自由に生きたい」ためにオールマイトのように好き勝手に使えない強大すぎる力ではなく、常に相手の先手を取れる「加速」という強力な“個性”に憧れたという、これまた軽薄な理由である。
ちなみに顔の傷は、顔に傷を負ったオクロックの映像を見て自分でつけたもの。
様々な個性を使用した実験を行なっており、「爆破」「飛行」の“個性”を組み合わせた爆弾敵を作り出しキャプテン・セレブリティを襲撃、この時の結果を元に大量の爆弾敵を製造、スカイエッグ襲撃を行った。
その際に自身が師匠と仰ぐ元オクロック、ナックルダスターと交戦している。
その後は「野村六郎」、通称「ロック」を名乗り、海外に渡ったマコトの後任としてマルカネのイベント企画部のマネージャーとなった。この姿の時は顔の傷が消えているが、感情が高ぶると傷が浮き出る。
またヒーロー免許を所有しており、警察の召集に応じて任務に参加し、ヒーロー達の中に潜り込める立場にある。
その立場を利用して、なるフェス終了やコーイチの就活、そしてコーイチとマコトの接近により不安定になっていたポップに近づき、雄黒珠緒と同じように彼女に「女王蜂」を植え付けた。
そして「女王蜂」に操られ破壊を繰り返すポップを止め、彼女を助けようとしたコーイチの前に新たなヒーローコスチュームの姿で現れ「オクロックⅡ」を名乗る。
No.6がポップに近づいた目的は「少女を操った真の敵」という罪をコーイチに被せ、さらに「少女を救えなかった」と二人を犠牲に悲劇を演出することで、自分がヒーローとして大々的にデビューすることだった。
しかしその陰謀はコーイチの奮戦と、ポップや彼を捕らえようと現れたエンデヴァーの攻撃により、それに巻き込まれる形で失敗。
エンデヴァーの炎に焼かれる中、“個性”を進化させ炎から逃れて空へと飛んでいったコーイチの姿を見て、彼に対する憎悪を膨らませる。
作り物と借り物だけで構成され、ヒーローにもなれず、ヴィラン足りえる背景や信念も存在しなかった空っぽの彼だが、長年かけて計画してきた自分の物語が、自分をヴィランとすら思ってない相手の活躍で潰されたことで、ただの逆恨みではあるが「この「怒り」は本物だ」と自分自身の感情を獲得する。
そして名無しの「6号」はコーイチを敵として認定し、ヴィランとして強い怒りを持って彼に宣戦布告した。
…が終始暗躍に徹しそれがうまくいったためかコーイチからは「よくわからないけど強い敵意を抱かれてる」程度の認識しかなかった。
個性
前述のように、オクロックが所有していた「加速(オーバークロック)」の“個性”を持つ。
脳機能を活性化させることで体感時間を遅延させる能力であり、極限まで集中すれば止まった時の中で自分だけが動けるような感覚で行動が行える。
使えるのは戦闘だけでなく、処理速度の向上により洞察力も高まるため、会話の中で相手の無意識の感情を読み取って望む答えをすぐに用意する、といった芸当も可能。
さらにNo.6は筋力の強化や痛覚の遮断など、“個性”を使いこなすため様々な検証や実験を行なっているが、“個性”自体に関してはその全容を理解しているわけではなく、そのために本来の持ち主であるナックルダスターに出し抜かれることもあった。
一方で体に爆弾敵の細胞を寄生させ、自分の体を爆弾に変えて身動きが取れない状況を突破したり、殴打の際に爆発させることで攻撃力を高めたり、「加速」と組み合わせる事で細胞をすぐに増殖させ、吹き飛んだ手足を瞬時に治すなど、元のオクロックには不可能だった戦法を使うことも出来る。
また元々他人の“個性”であるためか、ワン・フォー・オールのように他者の意思が宿っており、脳内で冷静な思考能力を持ったオクロックの姿からアドバイスが与えられ、No.6の思考を補っている。