概要
アイテム番号:SCP-184-JP
オブジェクトクラス:Safe
SCP財団日本支部が管理するSCPオブジェクトの一つ。通称「古ぼけた電柱」。
元々はとある町に普通に設置されていた、見た目はごく一般的なコンクリート製の電柱。電力会社によって派遣された作業員がこの電柱のメンテナンス中に不審な死を遂げたために財団に捕捉された。現在は根元から撤去され、サイト8181の収容施設21-Aに移送・保管されている。
異常性は作業用の足場ボルトの最上段に手を掛けると発揮される。
この足場ボルトに触れた瞬間、その人物は突然全身が硬直し、ボルトに手を掛けた体制のままその場から動かなくなる。そして、結論から言って死ぬまで離れられない。
硬直状態となった対象者は、雲さえ突き抜けるような異常な高度にまで伸びた電柱の最上部に居るような幻覚に見舞われる。
幻覚に取り込まれてしまっても対象者の実体は周囲からは電柱の最上部で硬直しているようにしか見えず、呼吸や瞬きなどの生理的な行動は継続されている。幻覚内の具体的な高度には個人差があるらしいが、いずれにせよとてつもない高度に居るように感じ、高度計や温度計を装備している場合はそれらしい数値が計測されているように見える(この表示や数値はあくまで当人の見ている幻覚であり、他の人間が対象者に接近して実際に装備している高度計などを見てもそのような異常は確認できない)。トランシーバーなどを用いて通信する事は可能だが、その場合対象者は口を動かしていないのに音声はハッキリ聞こえてくるという異常も見られる。また、無風状態であってもトランシーバーからは高所を吹き荒れている強風と思しきノイズも聞こえてくる。
高所故の恐怖感、寒さ、強風などがリアルに感じられるため、対象者は必死に降りようとするが、あまりの高さに自力で降りる事はほぼ不可能。幻覚だからと言って手を離すと、その幻覚の中で数十秒に及ぶ落下を体験した末に幻覚の地面に叩きつけられる(通信機を付けている場合は衝突音と思しき大きなノイズが聞こえる)。現実の肉体は幻覚内で地面に叩きつけられたと思われるタイミングで心肺停止に陥り、それによって対象者は死亡してしまう(と同時に対象者の肉体が異常性から解放され、普通に回収できるようになる)。なお、クレーン車などで対象者を強引に回収しようとすると、対象者は幻覚内で何者かに引っ張られる(=落とされそうになる)感覚を覚えるために強く抵抗する。それでも無理やり引き離すと幻覚内で落下してしまい、結局対象者は死ぬ事になる。
事前にパラシュートなどを装備している場合は幻覚内でもそれを使う事が出来、着地自体は安全に行う事ができる模様。しかし、それをDクラス職員で実験した際、着地は上手くいったらしいものの対象のDクラス職員が突然泣き始め、「上にいた方が良かった」という謎の言葉を残し、「パチン」という音と共に通信が断絶、直後にDクラス職員はそのまま心肺停止に陥り死亡してしまった。
このような結果を受けて現在はSCP-184-JPを用いた実験は中止されている。
──彼はいったい、何を見たのだろうか。
外部リンク
http://scp-jp.wikidot.com/scp-184-jp