ZERO-X号
ぜろえっくすごう
劇場版サンダーバード第一作で登場した二対の大型の翼を持つ宇宙船。
この大型の翼の揚力でもって滑走路から離陸して火星を目指す、いわゆるスペースプレーンなのだが、最も英国面溢れるのはその構造。
この機体はなんと本体である宇宙船ユニット前方にある操縦席部分がそのまま有人火星探査車となり、さらにその探査車を大気圏突破まで保護する銀色のノーズコーンと、上面と下面に二つの無線操縦翼をそれぞれ連結し、その分離合体によって、スペースプレーン→ロケット→探査車に変わるというロマン溢れる設計となっている。
だが、あまりにも複雑な設計であるためにそのコストも莫大なものとなってしまっている。
劇中では二機登場したが、いずれも事故の末に喪失してしまっている。
まず、地上の基地で宇宙船ユニットを中心に無線操縦翼2号、同1号、火星探査車、ノーズコーンの順番に組み立て、その後滑走路から離陸。
大気が薄くなる超高高度に到達後、無線操縦翼を切り離して、後は宇宙船ユニットのロケットエンジンの推力で重力を振り切り宇宙へ出る。
火星では周回軌道に宇宙船ユニットを待機させて火星探査車だけで火星に降り立ち探査。
探査終了後に探査車は火星の大地を離れて待機していた宇宙船ユニットとドッキングして地球圏まで帰還、大気圏突入後に無線操縦翼を再度ドッキングして滑走路迄降りてくる。
1号機
フッドが内部に潜り込んで内部構造の撮影をしていたのだが、離陸後のトリムチェックの際にフッドの足が油圧ジャッキに挟まれてしまったがためにシステムが故障、トリムが機首下げの状態で動かなくなってしまい、已む無くクルーは脱出。
足を負傷したフッドも何とか脱出には成功したが、機体は高速で海面に叩きつけられ爆散した。
なお、結果的に妨害工作にはなったが、フッドはあくまでZERO-X号の秘密を盗みに来ただけであり、墜落させるのは本意ではなかった。
なお、フッドが油圧ジャッキに足(フット)を挟まれたことを皮肉って「フッドのフット」と呼ばれたりもした。
2号機
万一に備えた国際救助隊のエスコートを受けながら発進し、火星への旅自体は成功。
岩だと誤認して採取しようと爆破してしまった火星の原生生物ガンジャの反撃にあい火星探査自体は殆ど成果は無かったが、無事に地球まで帰ってきた。
だが、大気圏突入後の無線操縦翼の再ドッキングの際に2号翼の無線操縦装置が故障したために2号翼が宇宙船ユニットに衝突して2号翼は墜落、空中爆発を起こす。
しかも衝突時に宇宙船ユニットの連結器が損傷して別の2号翼を送ってもドッキングできない状態に陥ってしまう。
おまけに脱出装置まで故障し、このままでは揚力が足りず滑走路にたどり着く前にクルー諸共地面に叩きつけられてしまうという状況に追い込まれる。
国際救助隊の活躍により何とか脱出装置だけは動かせるようになり、墜落ギリギリでクルーは全員脱出に成功したが、機体はそのまま避難が完了していた無人の町に突っ込み爆発炎上してしまった。