声:島本須美
概要
メルヘンランドの女王。皇帝ピエーロによって力の源であるキュアデコルを奪われ、その力を封印されてしまうが、その直前にピエーロを封印し、キャンディにプリキュアの捜索とキュアデコルの回収を託した。
22話でデコルが16個が集まったものの、ペガサスの力を呼び覚ましてプリキュア達に新たな力を与えるのが精一杯であったため、復活は果たせなかった。しかし、テレパシーを通じての会話が可能となり、まだ感じられるピエーロの気配を警戒しつつ、残るデコルの回収という使命をプリキュアに託した。
更に30話で再びデコルが16個集まったが、今度はロイヤルクロックをプリキュアたちに与えた。
ピエーロの復活が目前に迫った46話で再登場するが、ジョーカーはこのときにクイーンの隠された秘密に気づくことになる。
クイーンがバッドエンド王国はもとよりプリキュアたちにも隠し続けていた秘密……それは「クイーンは既にこの世の者ではなく、復活することなど最初から不可能」というものだった。
たびたびあらわていたクイーンの幻は、残留思念にすぎなかったのだ。
そしてミラクルジュエルは新しいクイーンを生み出すための卵であること、キャンディの母親であることも明らかになった。
そして47話ではメルヘンランドの次の女王であるロイヤルキャンディが目覚める。このときに、キャンディの台詞からロイヤルクイーンはメルヘンランドの全ての妖精の母親であることが告げられた。そして、キャンディとプリキュアとポップに感謝の気持ちと自分の思いを託し、クイーンの残留思念は役目を終えて消滅した。
余談
本作でのプリキュアたちの目的は「キュアデコルを集めてロイヤルクイーンを目覚めさせること」であるのだが、その目的自体がすべて虚偽であったという衝撃の展開ということである。
ロイヤルクイーン(の意思の残滓)は24話で、これからもデコルを集めて自身の復活に力を貸してくれるようにプリキュアに直接お願いしていたので、相当な役者としか言えない。
上述したように、デコルを揃えて起こる本当の奇跡は「クイーンの復活」ではなく「ミラクルジュエルから次代の女王が誕生する」である。デコルを揃えれば自らが復活するかのようにプリキュアたちに語っていたのは、ミラクルジュエルが敵に注目されすぎないようにという目くらましのためだったというわけである。
実際、バッドエンド王国はミラクルジュエルのことを「どんな願いを叶えるという伝説があるアイテム」として存在は知っており、それがプリキュアたちの手に渡るのを早期から警戒していたが、プリキュアたちがそれを探そうとしていたわけでなかったため、優先順位としては低めだった。プリキュアたちにとって重要なのはまずはデコル集めだったのである。
終盤にピエーロの核が人間界に飛来した影響で、キャンディはミラクルジュエルに変化する。そう、ミラクルジュエルの正体とはキャンディそのものであったのだ。これには敵もプリキュアたちもびっくりだが、確かにミラクルジュエルのことが注目されてキャンディのことが早めに知られていたら、バッドエンド王国はキャンディ抹殺にすべてをかけていただろう。そうなると序盤のプリキュアたちで守りきれたかどうかはわからないところだ。
作中ではクイーンが復活不可なことやミラクルジュエルの正体がキャンディなことを想像できる伏線は皆無なため、ロイヤルクイーンがプリキュアたちを欺いていたとして感情移入できないファンも少なからず存在する様子。
そのこともあってか、次回作では1話丸々かけて同一ポジションの人物に関する話をきちんとプリキュア達がその事実を受け入れられる様、辻褄をあわせて描いていた。