概要
藤真拓哉氏が描く魔法少女リリカルなのはシリーズ初の「(TVシリーズのコミカライズでは無い)オリジナル作品」である。
キャッチフレーズは「次世代型”文系”魔法少女、頑張ってます」←文系って何だっけ?
本作は主人公「高町ヴィヴィオ」と本作からの新キャラクター「アインハルト・ストラトス」の2人の関係を軸に描く「今までのなのはシリーズよりももう少しゆるめで、もう少し魔法少女っぽい物語」である。
「重い展開の戦いでなくても、心のあり方、悲しみに立ち向かう強さを描くことはきっとできる」というコンセプトの関係上、前作までの「魔砲少女」ではなく「スポーツ格闘魔法少女まんが」と表現した方がいいほど、ほのぼのとした明るい日常をメインに描かれており、風呂や変身シーン等、ファンサービスが豊富であることも特徴である(特に単行本2巻掲載の第11話では、コンプエース連載作品としては珍しい乳首の描写があることで話題になったほど)。
特に本作では、なのは達の「休日」の描写、ストライクアーツ、模擬戦等、スポーツとしての格闘シーンが多く描かれている。
時間軸としては、前作『StrikerS』(厳密にはドラマCD『StrikerS サウンドステージX』)と『Force』の間で『Force』の2年前である(PSP版ゲームの2作目である『-THE GEARS OF DESTINY-』で登場するヴィヴィオとアインハルトはこの時間軸上から飛ばされてきている)。
ストーリー
「JS事件」から4年、高町なのはの娘となった高町ヴィヴィオは、ごく普通に学校に通い、クラスメイト達と一緒に魔法の勉強をしていた。
ある日「魔法の基礎もできてきた」と判断したなのはとフェイトは、ヴィヴィオに「いたずらに使わない」という条件で大人モード(聖王モード)になることが出来る専用のインテリジェントデバイス「セイクリッド・ハート(通称:クリス)を与えた。
一方その頃、ミッドチルダでは、覇王を自称するイングヴァルトという謎の人物が強い人物に試合を申し込み、徹底的に叩きのめす事件が頻発していた…
主な登場キャラクター
本作の主人公。養女で幼女。
- アインハルト・ストラトス(CV:能登麻美子)
本作のもう一人の主人公。覇王「イングヴァルト」を自称するが…
ヴィヴィオ、コロナの同級生。電気と炎両方の属性を持つ変換資質である「炎雷」というレアスキルの持ち主。
ヴィヴィオ、リオの同級生。腕っぷしは弱いがゴーレム創成では誰にも負けないと自負する。
八神道場の門下生で一人称は「ボク」。シグナムやヴィータと練習試合が出来るほどの実力を持つが、極度の上がり症。
ヴィヴィオの母親。泣く子も黙る「管理局の白い魔王」だが、娘であるヴィヴィオとの絆は実の母娘と同じくらい強い。
- フェイト・T・ハラオウン(CV:水樹奈々)
ヴィヴィオのもう一人の母親(二次創作などで誤解されがちだが、本編での立ち位置は「高町家の養子縁組の法的後見人」である)。厳しい一面を見せる「なのはママ」の反動からか、ヴィヴィオに対しては過保護的に甘い。
なのは、フェイトの同い年の親友にして元・上司。たまたま「タヌキ」のお面を被っていたために、アインハルトから「たぬ…」と言われた人でもある。
元機動6課メンバーで、現在は特別救助隊の隊長として活躍している。ノーヴェと並んでヴィヴィオに格闘技の基礎を教えた師匠の一人でもある。
- ティアナ・ランスター(CV:中原麻衣)
元機動6課メンバーで、現在はクロノやフェイトと同じく管理局執務官となっている。
- エリオ・モンディアル(CV:井上麻里奈)
元機動6課メンバー。現在は辺境世界の自然保護員として働いている。
元機動6課メンバー。エリオと同じく自然保護員をしている。4年経っても身長がほとんど伸びていない。
元ナンバーズで、更正後はナカジマ家に養子に入り、スバルの義妹となった。ヴィヴィオに格闘技を教えた師匠的存在で、本編ではレギュラーキャラとしてヴィヴィオとアインハルトを全面的に支えている。
- ルーテシア・アルピーノ(CV:桑谷夏子)
JS事件解決後になのは達の仲間になった召喚士の少女。あの頃とはキャラが180度近く変わっているが気にしてはいけない。
- ジークリンデ・エレミア
- シャンテ・アピニオン
- ハリー・トライベッカ
- エルス・タスミン
- ミカヤ・シェベル
- ヴィクトーリア・ダールグリュン
- ファビア・クロゼルグ
- オリヴィエ・ゼーゲブレヒト(CV:米澤円)
- クラウス・G・S・イングヴァルト(CV:内田雄馬)
アニメ化への道
本作におけるアニメ化は「漫画を原作にしたアニメ作品」という通常のアニメでは普遍的ではあるが、第1作の放送当時では綿密な意味での原作が存在していない「リリカルなのは」シリーズでは初の事例となる。
また、シリーズ全体ではTVシリーズでは「StrikerS」以来8年ぶり、劇場版「The MOVIE 2nd A's」を加算しても4年ぶりの映像化でもある。
しかし、連載開始は2009年からだが、アニメ版の放送は2015年とアニメ化まで実に6年もの時間が経っている。
にもかかわらず「アニメ化された時のイメージを漠然と思い浮かべる事が出来た」というファンは少なくない。
これには「リリカルなのは」シリーズのドラマCDである「サウンドステージ」の番外編というべき「劇場版前売り券の限定版の付属CD」で配役が当てられたのが一因である。
だが、ファン達の間では「アニメ化を期待する派」と「アニメ化までは期待していない派」に分かれており、一時は活発に議論されていた時期もあったが、それ以降は「Vividのアニメ化」に関して表立って触れられる事は皆無となった。
しかし、TVアニメ第1作が放送されて10年目の2014年8月15日、コミックマーケット86の初日にて、TVアニメ化が発表された。⇒作者、藤真氏の公式ブログ内での報告
主要メンバーの配役は前作・ドラマCD版から続投しているが、製作スタッフがガラリと変わり、キャラクターデザインはTVシリーズの前作や劇場版を担当していた奥田泰弘からWORKING'!!の作画監督を務めた山野雅明に、監督もA'sからStrikerSまで監督を務めた草川啓造からビビッドレッド・オペレーションの助監督を務めた伊藤祐毅に、アニメーション制作もセブン・アークスからA-1Picturesに変更された。
放送時期に関しては2015年4月である事が公式ホームページで発表され、開始日は4月3日。最速局はTOKYOMXでその後に毎日放送、テレビ愛知、とちぎテレビ、BS11、群馬テレビと続く。なお最速局と最遅局には5日程度の差がある。
アニメ版スタッフ
監督:伊藤祐毅
脚本:小林成朗
キャラクターデザイン:山野雅明
アニメーション制作:A-1Pictures