東京都交通局が運営する地下鉄。正式名称は「東京都地下高速電車」であり、この名称の中にある「高速」とは、都電と比較して速いという意味である。
同じく東京を走る地下鉄東京メトロ(東京都も出資している)とは別組織で、両方の路線を乗り継いだ際は割引はあるものの、別運賃で合算されるため距離に比して割高となる。両社の経営統合は昔からの懸案だが、都営地下鉄側の赤字額(すべて大江戸線由来の赤字)がネックとなり、話は進まない。
路線
(※は鉄道要覧における東京都の都市計画上の地下鉄路線番号で東京メトロと共通)
記号 | 路線名 | 区間 | 営業キロ | 相互直通運転 | ※ |
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A | 浅草線 | 西馬込(東京都大田区)~押上(東京都墨田区) | 18.3km | 京急本線・空港線・久里浜線・逗子線・京成本線・押上線・北総鉄道・芝山鉄道 | 1 |
I | 三田線 | 目黒(東京都品川区)~西高島平(東京都板橋区) | 26.5km | 東急目黒線 | 6 |
S | 新宿線 | 新宿(東京都新宿区)~本八幡(千葉県市川市) | 23.5km | 京王新線・京王線・京王相模原線 | 10 |
E | 大江戸線 | 都庁前(東京都新宿区)~光が丘(東京都練馬区) | 40.7km | なし | 12 |
電化方式はすべて架空線・直流1,500V。
こぼれ話
- 都営地下鉄は全路線ともシステムが別々で、互換性がない(電化方式は同じだが、軌間が三田線は1,067mm、新宿線は1,372mm、浅草線と大江戸線は1,435mmだが大江戸線は車両限界が小さくリニアモーター式)。そのため原則として路線間で車両を融通することが出来ない。
- 現在の路線マークは東京メトロと同じく「ラインカラーの輪」だが、かつては「ラインカラーの正方形の中に白い円」であった。その後も駅のサインプレートなどでは長い間その表記が残っていた場所もあったが、東京オリンピックに向けて外国人観光客の案内のため路線記号を導入してからは急速に交換が進んでいる。
- 東京都交通局のマークもかつては丸で囲んだ東京都章を用いていたが、東京都が公式にイチョウ葉型のシンボルマークを使うことが増えてからはイチョウ葉マークへ変更している(東京都章はその後も廃止されていないが、東京都交通局のマークは正式に変更されている)。
- 新宿線の車両が運行キロの辻褄合わせ(車両使用料相殺)のために、京王相模原線や京王競馬場線を往復する場合がある。この場合、『都営相模原線』やら『都営競馬場線』と揶揄される場合がある。
- ごくわずかだが、新宿線の車両が多摩動物公園や高尾山口まで乗り入れる。
- 浅草線を除いて全線乗り通しは1日乗車券の方が安い。特に新宿線を本八幡から利用する場合に有効。消費税が8%になっても据置なのでかえって安い始末。
- 1日乗車券は局扱いのものは4種類あり、都営地下鉄のみ利用可能なもの、都営地下鉄と東京メトロで利用可能なもの、東京都交通局運営の交通機関全て(江東区コミュニティバスを除く)で利用可能なもの、東京都交通局の交通機関全てと東京メトロ全線、さらにJR線の都区内区間全てで利用できるものがある。ただし都営地下鉄内専用のものは期間限定不定期発売である。
- 2009年頃から都営地下鉄の管理駅の出入口には青い螺旋模様が描かれた回転する下向きの白い円錐が設置されている(「くるくるシンボル」といい、夜になると光る)。これはかつて東京都知事だった石原慎太郎が都営地下鉄の出入口を目立たせようと取り付けさせたもので、デザインは公募によるものだが、地下鉄と何ら関連性のないデザインで大きさも小さく、理髪店のポールサインを連想した人がほとんどで、いまいち認知度が高いとはいえない。
- かつて発売されていた首都圏の私鉄各社共同磁気券式プリペイドカード(パスネット)を都営地下鉄各駅でも発売していたが、そのカードの名称が「Tカード」という某ポイントカードと紛らわしい物であった。
- 都営地下鉄単独の萌えキャラは存在しないが、そのかわり東京都交通局協力会は売店「メアリー」のキャラとして毎シーズンごとに「メルシーフェアリー」を登場させている。