概要
FPSとは、First Person Shooting game(ファースト・パーソン・シューティングゲーム)の略称。
ただしこれは和製英語であり、欧米諸国での呼び名はFirst Person Shooterとなる。
一人称(主観)視点、つまりプレイヤーキャラクター自身の視点でのシューティングゲームで
プレイヤー自身がゲームの中にいるような臨場感を味わえることで人気。
また、海外ではマルチプレイが最も盛んなゲームジャンルであると言ってもよい。
アメリカでは、『DOOM』や『Quake』によって90年代半ばに確立された。
1998年に発売された『Half-life』の登場によって、スクリプトを多用することで派手なイベントやアクションがムービーではなく目の前で起こるという演出が生まれると、プレイヤーキャラクターへの感情移入が非常に深いゲームジャンルとして進化していった。
また、この頃から『ゴールデンアイ』の大成功によって、それまではPCにおいてのみ人気であったFPSが、コンシューマ機にも進出するようになった。
内容についても、派手なアクションが売りのものから、戦場の雰囲気をリアルに再現したもの、ホラー性を重視したもの、一人称視点でありながらロールプレイングゲームやアドベンチャーゲームとして作られたものなど、多岐に渡って派生している。
その為、現在ではシューティングゲームで無い場合でも、一人称視点のゲームは基本的にFPSと呼称される。あるいは、「FPS形式」などと付け足される。
2000年代後半では、『Call of Duty』シリーズが映画『アバター』をも超えるペースでの売り上げを叩き出し、「史上最も成功したエンターテイメント」として記録されるなど、ゲーム業界で最も人気の大きいジャンルの1つへと成長している。
………が、その人気の殆どは日本国外のものであり、全世界で記録的ヒットを飛ばした『モダンウォーフェア3』でさえも国内売り上げは10万本強に留まるなど、日本での人気は押しなべて低い。
その為、現在の大作・人気作は海外の作品が大半を占めるほか、国内のゲームメーカーでFPS製作を本格的に行っているところは皆無と言ってもよい。
FPS症候群
プレイヤー自身の視点でプレイする没入感が高いゲームの為、あまりにのめり込み過ぎると日常生活でもゲームでの「クセ」が出てしまう事があるとか。
例)曲がり角を曲がる前に必ず安全を確認する、狙撃兵が潜んでいそうな場所を探してしまう、など。
タイトル一覧
- Wolfenstein - FPSの元祖ともいうべき作品。
- DOOM - 上記のWolfensteinの技術を進化させたパニックホラーシューティング。
- quake - 全てのオブジェクトの3D描画と、マルチプレイを確立した、第2の元祖。
- Half-Life - それまでムービーや静止画で表現されていたイベントを、全てプレイヤーの目の前で発生させ、プレイパートとダイナミックなストーリー展開を地続きにするという画期的なゲームデザインを生んだ名作。
- ゴールデンアイ - スパイ映画『007』シリーズの同名の作品をゲーム化。PC向けジャンルであったFPSをコンシューマハードに普及させた立役者。日本国内においても、NINTENDO64ユーザーを熱狂させた。
- パーフェクトダーク - 『ゴールデンアイ』のシステムや要素を受け継いだ作品。
- HALO - Microsoftが生んだ、Xboxの大人気FPS。
- BIOSHOCK - FPSでありながら実質的にはRPG・ADVとしての性質を持った稀有な作品。
- カウンターストライク - 『Half-life』のMODから生まれたマルチプレイに特化したシューティング。韓国で生まれた『カウンターストライクオンライン』は、(日本を除いた)アジアで大人気。
- Medal of Honor - 通称MoH。リアルに再現された第二次世界大戦や現代戦の激戦区の中をダイナミックな演出で駆け抜ける。
- Call of Duty - 1人の兵士としてのシビアで過酷な体験をプレイヤーに提供する、MoHの姉妹作シリーズ。現在ではFPSのみならず、ゲーム業界全体でも最大のタイトルの1つ。
- レインボーシックス - 特殊部隊の隊員としてテロリストに立ち向かう。3までは作戦立案や部隊の指揮といったシミュレーション要素が強い作品だったが、ベガスシリーズでは作戦立案がなくなり、相棒への指示のみとなった代わりにカバーアクションなどが追加されて他のFPSに近い形となった。
- Postal2
- Marathon
- Crysis - ずば抜けて美麗なグラフィックで話題を呼ぶ。その分要求される動作環境のスペックが高く、発売当時のPCではまともにプレイできないとさえ言われた。
- HomeFront - 日本が北朝鮮に侵略されるというショッキングな展開で話題を呼んだ、アメリカと北朝鮮の戦争を描く作品。本当は中国だったのだが、批判が大きそうなので北朝鮮に変更された。
- ミラーズエッジ - パルクールで巨大都市を駆け抜ける、爽快感抜群のアクション。シューティングではなく、走り抜けることがメインとなっている珍しい作品。
- ぎゃる☆がん - 告白の為に言い寄ってくる女の子を眼力(フェロモンショット)で昇天させるという一風変わった内容。移動は強制スクロールなので、どちらかと言えばガンシューティングに近い。
- 攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX 狩人の領域
- メトロイドプライム - 任天堂作品だが、開発は海外のレトロスタジオ。DS版の『ハンターズ』はFPSだが、本来のプライムシリーズはどちらかというとアドベンチャーゲームとしての毛色を持つ。
- レッドオーケストラ
- BATTLEFIELD - 主にマルチプレイが中心で、自由に搭乗兵器に乗り込んで操縦出来るのが特徴である。エレクトロニック・アーツより、2002年にシリーズ一作目が発売されて以降、その自由度と豊富な要素から、一躍『Call of Duty』に並ぶ人気シリーズへと成長していった。
関連タグ
TPS:三人称(後方)視点のシューティングゲーム。
ガンシューティング:惜しい! でも少し違う。