postal2
ぽすたるつー
PCでのみ発売されている主観視点(FPS)のお使いゲーム。リリースは2003年4月13日。
パラダイスという街を舞台に、主人公のポスタル・デュードが一週間に渡り妻から頼まれたお使いをこなしていくという一見普通なストーリー。
しかしそのお使いをこなしている最中、行列や強盗等の所謂「ムカツク事件」が毎回発生する。
介入する気が一切ないなら無視してもいいし、我慢ならないなら武器を取り出して大暴れしてもいい。結果はプレイヤー次第で大きく変わるが、たとえ皆殺しにしても詰むことはない。
また、月曜日から金曜日までなら誰も殺さずにクリアできる設計になっており、これによる実績も存在する。
2015年に公開された、ゲーム内容のよくわかる公式PV
現在ではsteamで配信されており、セール時には100円足らずで購入することができる。
ポスタル・デュード(The Postal Dude, Jr.)
(日本語版CV:石丸純)
本作の主人公、元殺人鬼。
近くのスーパーに行くのにも拳銃を持っていくという「イカれた野郎」だが、恐妻家の一面も。
ビデオゲームが嫌いと公言しているが、何故かRWSに勤務している。
とてつもない悪運の持ち主であり、彼がおつかいに現れた先では決まって何かしら事件が起こってしまう。
デュードの妻(The Bitch)
毎日デュードにおつかいを押し付けて来る。デュード曰く「クソ女房」。
デュードに負けず劣らずの性格の悪さを誇る。
ゲーム中では姿を見せることは無かったため、容姿は一切不明だったが、後述の実写映画ではとてつもないクソデブ女として登場。その後のParadice lostではラスボスとなった。
ハビブ(Habib)
月曜日にデュードが牛乳を買うスーパー「ラッキー・ガネシュ」の店主。客を小馬鹿にするなど、絵に描いたような殿様商売ぶり。二階はなにやら怪しい集団のアジトと化している。
ヴィンス(Vince Desi)
デュードが勤務しているRWSの社長。実在の人物である。
ゲーム開始早々、デュードにクビを宣告し、大笑い。
スズメの涙ほどの退職金しかくれない鬼畜さを見せる。
「ウィークエンド」ではゾンビの群れに襲われ自宅をめちゃくちゃにされてしまう。
その後も生きていたが、Paradice lostでは本社を襲撃されゾンビとなる。
マイクJ(Mike J)
デュードが勤務しているRWSの共同所有者で副社長。こちらも実在の人物。
本編では1日目のRWS襲撃の際にヴィンスと共に反撃に出るだけの端役だが、日曜日には巨大なマッドカウゾンビ(狂牛病ゾンビ)となり、ラスボスとして街からの脱出を図るデュードに襲い掛かる。
その後のParadice lostでもデュードの妻と結婚式を挙げるなど全編に渡り登場。
ゲイリー・コールマン(Gary Coleman)
(英語版CV:本人)
こちらも実在の元子役。小人症のため背が非常に低い。
何かやらかしたらしく、ショッピングモールでサイン会の最中に警官隊に包囲され一戦交える羽目になってしまう。
サイン本の転売者を敵視しており、「転売したらボコボコにするぞ」と発言している。
続編のParadice lostでは小人症の仲間を集め、坑道で地下組織を運営していた。
なお、実写映画では『オースティン・パワーズ』シリーズのミニ・ミー役として知られるヴァーン・トロイヤー氏がゲイリー・コールマンのポジション役を演じている(彼もまた小人症の俳優であり、役名も本人の名前である)。
猫
忍び足で近づくことでアイテムとして取得できる、町中をうろついているただの猫・・・なのだが、捕まえてサプレッサー代わりに銃に装着できるという、可哀想な動物。金曜日の最後には何故か空から大量に降ってきたり、paradice lostでは猫買取屋の登場によりデュードの貴重な資金源となったりと散々な扱いを受ける。
ゲーム反対運動家
デュードの勤めるゲーム会社の前でゲームの規制を訴えている団体。
日本語版では暴力ゲーム反対運動家という名前になっているが、実際はゲーム全体の規制を要求している。
「Game is bad!make you mad!(ゲームは悪い!遊んでると狂うぞ!)」と叫んでいるあたり、どうやらゲーム脳を信じているらしい。(尚、日本語吹替えでは『ゲームはいらなーい! 脳が溶けるぞー!』と叫んでおり「よりイカれたゲーム脳信者っぷり」が見て取れる。)
月曜日に運悪くデュードが居合わせたタイミングでRWSを襲撃し、以降敵対関係となる。
本反対運動家
木を守るために本を燃やせと主張している団体。
図書館のエントランスで「Save a tree!Burn a book!(木を救え!本を燃やせ!)」と叫びながら抗議活動を行っている。
これまた日本語版では図書館反対運動家となっているが、やはり本自体の規制を要求している。
火曜日に運悪くデュードが居合わせたタイミングで図書館に放火し、以後敵対関係となる。
お肉屋さん
パラダイス唯一の肉屋「Meat World」の従業員。
店内は狭いが加工場は結構広く、中では挽肉製造機がエラいことになっている。
運悪くデュードが加工前の材料を目撃してしまい、以後敵対関係となる。
テロリスト
見た目が完全にムスリムなテロリスト、男の方の見た目はアレそっくり。
異教徒を嫌っており、教会を乗っ取ってモスクにしてしまうなど、騒動を引き起こす。
運悪くデュードが懺悔中に教会を襲撃する。
本編中、とある下水溝から隠しルートを伝っていくことで彼らのアジトへ行くことができ、制圧すると強力な小型核弾頭を入手できる。
レッドネックス
レッドネックとはアメリカ南部の貧乏な白人農夫と言う意味の俗語。
水曜日にデュードを拉致し、拷問部屋に監禁。脱走したデュードと敵対する。
デュードや犬、猫にラバースーツを着せて喜ぶと言うかなり変態な連中。
ウィークエンド終盤ではゾンビパニックに乗じて大量の犬猫を集めてラバースーツを着せて飼い慣らしていたため、チャンプを取り返しにきたデュードと遭遇、再び敵対する。
警察
月曜から金曜にかけ常に町を巡回しており、武器を持った人物を発見するとNPC・デュード問わず射殺を試みる(NPCへの蹴りは咎められない)。手配されることでデュードと敵対化するほか、肉屋やカルト教団アジトといった一部のおつかい中に運悪くデュードがSWATの突入に鉢合わせするが、他の敵対組織とは異なり永久に敵対化することはない。
ドーナツが好みであり、道端に落ちていようが小便が掛かっていようが普通に拾い食いする。
ブルフィッシュ・インタラクティブ社員
ウィークエンドのみ登場。ローワー・パラダイスに巨大なオフィスを構えるゲーム販売会社であり、ヴィンスたちRWSと不公平なゲームの販売契約を結ぶ言わば上司(実際にRWSが販売契約を結んでいたWhiptale社を皮肉った悪質なパロディとなっている)。最初にローワー・パラダイスを訪れた際は門が閉ざされ進入できないが、ヴィンスが正門をRWS社員の自爆特攻によって破壊することで侵入が可能になる。
ブルフィッシュとの契約解除を図るヴィンスの依頼でデュードが侵入するが、金属探知機に引っかかったことで社員たちと、新作ゲームのデータが入ったゴールドマスターロムのディスクを奪取したことで社長と敵対する。
その後はゾンビ軍団によって壊滅し、デュードがテロリストのキャンプから持ってきた核弾頭で金庫ごと吹き飛ばされ跡形も無く消滅した。
Week in Paradise
ポスタル2とウィークエンドを一つにまとめるMOD。
月曜日から日曜日まで続けてプレイできるようになる他、月〜金曜日でもウィークエンドの追加武器が使えるようになる。
また、欠損描写の改良や武器の追加、NPCのバリエーションの増加等も含まれている。
なお、steam版では最初から導入済み。
ポスタル
記念すべき第1作目。ジャンルはトップダウンシューターでありFPSではない。
箱庭で主人公を操り、武装、非武装かかわらずある程度殺せばゲームクリアというトンデモゲーム。
精神世界を意識したとされるアナログなタッチは、内容からすればさほどグロくはないのだが、「死」を記号のように扱う内容なので、むしろグロくないことが本作の特徴を際立たせているとさえ言える。
日本国内では「全米発売禁止」がセールスポイントとなったなど、ありえない理由で知名度が上がったタイトル。
ステージはパレードやデパートなど明らかに銃をぶっ放してほしくないところばかり。
さらに日本限定パワーアップキットによる追加パッチで秋葉原、道頓堀、さらに日本語音声も付いてくる(秋葉原ステージのスタート地点は秋葉原通り魔事件が始まった中央通りの交差点であるが、パワーアップキットが発売されたのは2000年なので偶然の一致)。
ゴールデンパックなどでポスタル2と同時収録されていたほか、steamでは駄菓子価格で叩き売られていたが、2019年12月にはついにgog、steam両方で無料化。誰でも気軽に楽しめるようになった。
2017年から2000年に市販された拡張パック「パワーアップキット」の内容が実装され、日本の東京(秋葉原)と大阪(道頓堀)のステージと、日本語版音声が含まれるようになった。
ウィークエンド(拡張パック)
ゲーム本編では描かれなかった、土曜日、日曜日を描く作品。
攻略形式が箱庭探索から一本道へと変化した他、精神世界にゾンビアポカリプスに狂牛病、ゾウの密猟、ゲーム販売会社の襲撃、中東某国への潜入、核爆発など内容は本編以上に色々ぶっ飛んでいる。
本編に比べると自由に探索できない・おつかいの選択肢がないなど自由度は低い。
その代わり、武器にスレッジハンマー、マシエト(鉈)、サイズ(大鎌)が追加されており、ゾンビなどの新しい敵も追加されている。
steam版では最初から導入済み。
ポスタル2・ロシアより愛をこめて
パワーアップキットとは違い、単品で売られている。いわゆるスタンドアローンで動作するアドオンと位置づけ。steamでは取り扱われていない。
舞台はロシアに代わり、物語の目的はデュードのなくなったナニを探す物語である。
新たにパチンコ、悪臭ソックス、フライパンが武器に追加された。2007年の大阪府条例で有害図書指定を受けている。(同時に本編、「Share the Pain」、「Weekend」が1つになった「ポスタル2 コンプリートパック」も有害図書指定を受けている。)
Postal3
2011年12月発売。前作とは違い、三人称視点になっている。使用エンジンもSource Engineに変更された。プレイヤーの行動次第で善と悪にストーリーが分かれる。
RWSは監修のみ、開発・発売はロシアのAkella(前述の「~ロシアより愛をこめて」のデベロッパー)による外注作。
残念ながらお世辞にも評判は高いとは言えず、RWSも公式サイトで「Don't buy Postal III(Postal3は買うな)」と太字で強調して言い放っている。
実写映画で監督を務めたウーヴェ・ボルがゲストとして登場している。
Postal(映画)
2008年に公開された、Postal2をベースとした実写映画。
日本では劇場未公開・ソフト未発売だが、steamでレンタル・購入は可能(字幕なし)。
監督はアローン・イン・ザ・ダーク等で原作クラッシャーと呼ばれたウーヴェ・ボル。
初っ端から9.11のパロディが出てくるなど、原作よりも遥かに不謹慎なネタが使われている。
そのためか評価も散々で、試写会では観客の大半が途中退場してしまった。
しかしホーボーケン国際映画祭では作品賞と監督賞を受賞しており、評価する声が無い訳ではない。Postal2のノリはわりと忠実に再現しており(そうした結果がコレだが)、彼の前k・・・以前の作品を知るPostalファンからは「ウーヴェの実写化作品にしてはマシ」という意見も。
主演はザック・ウォード。RWS社長のヴィンス・デシや監督のボルがカメオ出演している。
Postal Paradise Lost
Postal3がコケたのをきっかけとして2015年4月15日に発売されたposal2用DLC。
本作品はウィークエンドでの核爆発から数年後のパラダイスが舞台。
パラダイスからの脱出後に事故で頭を打ち長期間Postal3の夢を見ていたデュード。いなくなった愛犬チャンプを探すため、マッドマックス2的な世紀末世界と化したパラダイスでの探索が始まる。
マップはパラダイスをベースとしているものの核爆発により大きく変容し、秩序の崩壊により保安官やならず者、サバイバリストなど本編と異なる勢力が台頭している。Postal3姿のデュードが幻覚として登場したり映画版postalのザック・ウォードが殺害対象として登場するほか、新しい武器としてレバーアクションショットガン、早撃ちが可能なリボルバーなどが追加された。また新要素として武器・アイテム自販機が実装。これにより、強武器入手のハードルが若干下がっている。
steamではpostal2のストアページからDLCとして購入可能。
Postal Redux
2016年5月21日発売。初代ポスタルをUnreal Engine4でリメイクしたゲーム。
初代にはなかった実績や新しいゲームモードなどが収録。初代の追加パッチシリーズに
あった要素もアップデートで配信されている。日本限定だったパワーアップキットの内容もアップデートで追加済み。
最近では、最大4人で大暴れできるCO-OPモードが追加された。
これまでCS機への進出がなかったシリーズ作の中でSwitchとPS4版がDL配信された唯一のタイトルでもある(後述)。
Postal 4 : No Regerts
2019年10月14日、8年ぶりに突如アーリーアクセス配信が開始されたPostalシリーズ最新作。「3を無かったことにしてThe Real POSTAL 3にしよう」「2の続編なのでPOSTAL 2×2にしよう」という議論を経て「シリーズ新作としてのわかりやすさ」から普通の題名となったらしい。
ゲームプレイは2同様、一週間の箱庭探索型。アリゾナ州Edensinを舞台に、2でおなじみの各種武器を抱えてデュードがおつかいに挑む。エンジンの表現力向上(UE2→UE4)により移動に便利な車両が追加されるなど、現代の主流でもあるオープンワールドスタイルに即した調整が加えられている。
デュードの声はRick Hunterから名作「Duke Nukem 3D」でDuke役を務めたことで有名なベテラン声優Jon St. Johnへ交代している。
尚、外注だった「3」とは異なり、こちらは自社開発に戻っている。ストアページ内の開発者注意書きにも「『POSTAL 3』のようなひどいゲームにはならないよな?」という設問には「Fuck no!(ンナわけねぇだろ!)」と答えており、1~2作目のような内製作品であることを強調している。
・タイトルにも有る「POSTAL」の語源は「Going postal」というアメリカ英語圏のスラングで、「発狂して殺人事件を起こす」「ブチ切れる」を意味する。このスラングは1986年8月20日に米国オクラホマ州エドモンドの郵便局員、パトリック・ヘンリー・シェリルが職場で起こした銃乱射事件が由来となっている。
・そもそも初代ポスタルの時点でアメリカ郵便公社とは何ら関係が無いのだが、郵便公社はこの不名誉なスラング及びゲームタイトルによるイメージダウンを懸念し、「郵便公社の事業と無差別殺人には何の因果関係も認められない」という理由からRWS社に対しタイトルの使用中止と変更を求める訴えを2000年に起こしている。だが、2003年に米国特許商標庁商標審判部はこの訴えを棄却。事実上郵便公社側の敗訴となった。
・RWSの社長であるヴィンス氏の過去のインタビューではCS機でのリリースも計画にあった(「3」はPS3と360、「Redux」はPS4)が開発計画や経営状況の問題によりすべてキャンセルされている。そもそも内容や過去の経緯から考えたらCS機では発売自体が不可能なのは言うまでもない・・・はずだった。
・ところが、2020年10月16日に『Postal Redux』のSwitch版が配信開始されたことで、ついにCS機への進出を果たすこととなった。その後一度はキャンセルとなったPS4版も2021年3月5日に配信が開始されている。
※尚、Switch版・PS4版ともに海外ストアでのみ配信のため、日本からの購入は不可能ではないが、手順が面倒かつ自己責任となり動作の保証もないので、熟知していない限りは手を出すべきではない。