アルフォンス・エルリック
あるふぉんすえるりっく
概要
鋼の錬金術師ことエドワード・エルリック (エド)の弟。
幼少の頃、兄と二人で行った人体錬成の失敗で体を失い兄の術式によって鎧に魂を定着させられる。
以来、心は少年だが、見かけは鋼鉄で出来た無骨な鎧(兄弟の父親の蒐集品の一つ。銘は「オーガヘッド」)というアンバランスな状態になった。なおエドとは共通の体験をしているはずだが、彼にはその記憶がなく、のちにこれが物語のキーポイントともなっている。
鎧の中身は空であり内側に魂を固定するためにエドの血液で書かれた血印がある。
鎧の空いたスペースには人や動物などが収容できるため結構な頻度で便利に使われる。
性格
性格は短気な兄と比べると穏やか。子供らしさが強く残っており、見た目のごつさとのギャップに拍車をかけている。
真面目で気配りのできる利発な弟であり、なにかとトラブルを発生させる湯沸かし器な兄をなだめる冷却機という立場が自然と板に付いており、そのため、兄・エドから来る気苦労も絶えない。
一方で、少年らしい気の強さもあり、感情的になった時などにはけっこう乱暴な言葉使いをする事もある。
時と場合によっては辛口で、直情的なエドに比べてやや毒のある面も目立つ。
メイからはそのような黒い振る舞いを「アル様クール」と評されている。怒るとエド以上に怖い。
男女を問わず誠意をもって優しく振舞うため、原作者公認の天然タラシ。
自身は恋愛に対する『憧れ』は強いものの、自身に向けられている好意には鈍感である。
大の猫好きで、優しい性格も影響し、捨て猫を拾い、エドに内緒で鎧の中で飼育しようとしていたことがあった。
錬金術
錬金術はエドと同様に天賦の才をもっており、登場当初はチョークなどで地面に錬成陣を描いて術式を発動させていた。のちにダブリスでの初代グリードとの一件以降、欠落していた記憶を一部取り戻し、兄と同じく錬成陣なしでの錬金術を使えるようなった。
エドと同様に、石や鉄などの鉱石を利用した錬成と得意とする。デザインはシンプルながら実質的・実用的であり、こちらも妙にごついセンスの兄とは対照的である。
その他能力
格闘センスにおいてはエド以上であり、エド自身が「アイツとケンカして勝ったためしがない」と申告している。加えて2mを超す鋼鉄の鎧であることから、銃弾や刃物に対してはほぼ無敵。攻撃のリーチも非常に長い。
肉体疲労や暑さ寒さ痛みなどもないため、肉弾戦に置いては敵なしと言えよう。
この姿においては、五感の内の「視覚」「聴覚」を除いた3つを失っており、睡眠は行えない。
そのため一見便利そうに見えるものの、それを指摘したリンに対しては、「いつ本当に死ぬか分からない、時限爆弾を抱えているような体だ」と反論した。
錬金術も錬成陣無しで行えるようになってからは更にその戦闘力に拍車がかかり、作中でエドに多大なショックを与えた。
本来の姿
父や兄と同じく金髪金眼で、垂れ目気味なところなど顔立ちはやや母に似ている。
長髪の兄とは異なり、短髪を好む。本人曰く「スキッと爽やか金の短髪」らしい。
先述したとおり、鎧時代には肉体が「扉の向こう」にあった頃は、エドを介して得たわずかなエネルギーでなんとか生態活動を行っていたため、ガリガリに痩せ細り、髪も伸び放題という状態だった。
体を取り戻してからは長い間リハビリを行ったり、歩行には杖を要したりしていたが、約2年後には健常になり、エド共々長身の青年へと成長した。
なお、アル本人の一存により、鎧は全部溶かして機械鎧の材料にしてしまった(頭部は小鳥の巣箱になった)。
2003年アニメシリーズではエドを真似て髪を長く伸ばしていた。エドの背が伸び悩んだままだった事もあって、最終的にはエドよりも背が高くなっていた。