概要
北近江(現・滋賀県)の戦国大名。浅井氏の3代目にして最後の当主である。
先代当主でもある小谷城主・浅井久政の子で、母は正室・小野殿。
なお「浅井」の読みについては諸説あり、基本的に「あざい」の読みが現在では主流として使用されるが、正しくは「あさい」とする説も存在する。
生涯
天文14年(1545年)に浅井久政の嫡男として、六角氏の居城・南近江の観音寺城下(現在の滋賀県近江八幡市安土町)で生まれる。幼少時の名は猿夜叉丸(さるやしゃまる)。
永禄2(1560)年、近江守護・六角義賢の偏諱を受け賢政(かたまさ)と名乗り、義賢の家臣・平井定武の娘と結婚する。当時の浅井家は祖父・浅井亮政の代から六角氏に臣従する関係にあり、こうした諱や婚姻も義賢による六角家と浅井家の臣従関係をはっきりさせる目的があったとされる。
翌年、若干15歳にして倍以上の軍を率いた六角氏を野良田の合戦で破った事で重臣達の信望を集める。同じく重臣たちが六角氏に対する不満を募らせていたことも重なり、賢政は同志たちと共に六角氏からの離反を決意。定武の娘と離縁し、諱も返上しその以前に名乗っていた「新九郎」を名乗るなど、対抗姿勢を強める。加えて、父・久政から家督を(半ば強引に)譲り受け、永禄4年より長政と名乗るようになる。
この頃、織田信長の妹・お市と結婚し織田氏との同盟を結ぶが、元亀元(1570)年、古くから親交のある越前の朝倉氏を助ける為に信長との同盟を破棄し、上洛命令を無視した事を理由に信長に攻められていた朝倉義景と共闘する事になる。(しかし、この頃には朝倉氏とは疎遠になっていて織田についていても利益が無いとして裏切ったという説もある)
同年、姉川の合戦で敗北してからも、本願寺や武田信玄と結び抵抗を続けるが、天正元(1573)年、小谷城に出兵した信長が、救援に駆け付けようとした朝倉氏を越前に追い込み滅ぼした事で、孤立してしまった長政は父と共に自害し、京の獄門にその首が懸けられたという。結果、浅井氏は長政の代を最後に断絶した。
死後
翌天正2(1574)年、織田氏の正月の酒宴の酒肴として、朝倉義景と浅井父子の首(髑髏)が薄濃(『はくだみ』=漆塗りにして金粉を施す事)にされ、白木の台に据え置かれていた、と『信長公記』に記されているが本当かは定かではない。更には信長はその薄濃を杯にして酒を飲んだという俗説があるが、信長はあまり酒を嗜まなかった事実がある為、後世の作り話という可能性が高い(また、そもそも薄濃にする事というのは死者に対して弔いや敬意を表するという意味が籠められている)。
お市との間に生まれた浅井三姉妹(茶々・初・江)は母とともに尾張へ逃れた。浅井の家名こそ断たれたものの、後に茶々は天下人・豊臣秀吉の子を二人産み、次男・豊臣秀頼は秀吉の後継者となった。江もまた江戸幕府二代将軍となる徳川秀忠との間に子を授かり、その内の一人・徳川家光は後に三代将軍となっている。そして江と秀忠の娘・和子は後水尾天皇に中宮として迎えられ、その子らは天皇となるなど、血縁自体は後世まで続き、尚且つ時代に大きな影響を与える人物が数多く輩出されている。
その他の逸話
長政は180cmを越える長身であった(加えて、肖像画からわかる通りかなりのガッシリ体型)とされ、妻のお市も168cmと当時の成人男性に並ぶほどの長身であり高身長夫婦であったという。また、姉である阿久も身長176cm・体重105kgの大女であったとされる他、血縁上孫にあたる豊臣秀頼も身長196cm・体重161kgの巨漢であったという説も存在し、浅井が大柄の血統であったとおもわれる。
お市との間に生まれた前述の浅井三姉妹こそ有名であるが、前妻がいたことや他の大名同様に側室をとっており、他にも男子が4人いたとされる。
創作作品における長政
絶世の美女と謳われた妻お市との釣り合いの関係上か、美形、特に細身のイケメンとして描かれることが多い(しかし実際に残っている肖像画では、むしろ恰幅の良いやや太めの男性である)。
また、武勇に優れ同志たちからも信望を集めたという話もあり、概ね誠実な人物として描かれていることも共通している。
浅井長政(戦国無双)
信義のため、立たねばならぬ!
無双奥義・奥義皆伝の文字:『仁』『信』
第一作では特殊NPCとして登場し、『2』よりPC参戦。
信義を貫き乱世を戦う勇将。一人称は「某(それがし)」。字幕では漢字でも平仮名でも表記される。
縦長の兜と水色の陣羽織が特徴。金色の髪と爽やかな顔立ちが特徴。
金髪について『3Empires』で指摘された際には「生まれつき色素が薄い」と証言している。
義に熱く誠実な好青年だが、ドジっ子であり天然である。
よく転び、見た目を躊躇なく発したり、自ら振った話の流れを自ら覆したり、「女湯」のことを“女”という名前の温泉と思っていたり…などなど。
政略結婚したお市とは、仲睦まじい夫婦関係を築いており、各ナンバリングにおける彼らのストーリーでも両者の厚い信頼をみせている。本編外のイベントでも各所で「市」の名前を出しては惚気ることもしばしば。
無双奥義・皆伝では武器から衝撃波を放つ。…どこの竜撃砲だ。
ちなみに3empiresで明智光秀が、様々な知識を披露するイベントで自らの苗字の読みがはっきりしないという自虐を漏らした。
浅井長政(戦国BASARA)
無言即殺!悪と無駄口、削除なり!!
CV:辻谷耕史
紅白の衣装に3分間のみ効果を発揮する固有装備とどこかで見たキック技、
さらに技を出した後の決めポーズなど、全体的に「特撮」がテーマのキャラクター。
異常なまでに正義感溢れる性格で、例えるならば、赤信号を無視して横断歩道を渡ったら斬られるレベル。
詳しくはこちら。
浅井長政(殿といっしょ)
肖像画とは真逆の虚弱体質で臆病者な優男で、常にオドオドしている小心者。
ひきこもりがちで、危険を感じ取ると奇声を発しとんでもなく小さい隙間に逃げ込む始末。体力も低く、鎧を着れば一歩も動けず、二升の米を持ち上げただけで大喜びするほど、壊滅的にモヤシ。
妻のお市とは結婚してからの夫婦仲は良好な様子。
義兄である織田信長等に対し、隠れ癖が付いている。
浅井長政(信長の忍び)
こちらは打って変わってバケモノであり、幼い頃より鍛え抜かれた体は槍も刀も通さず、戦場に出れば雑兵どもを紙屑のように蹴散らす怪力武者。己の筋肉に猛烈な自信を抱いており、いかなる時も鍛錬を欠かさず、自らの筋肉と会話ができるほど。あまりに身体能力が高すぎるため、部下からは「武将じゃなくて足軽向き」と言われていた。
(以前から側室はいたが)正室・お市のことを深く愛しており、娘たちの事も溺愛していた。織田家に追い詰められ、切腹を迎えた時は「成長した娘たちの姿を見れないのは哀しいが、輿入れの別れを迎えなかっただけ幸せだ」と滂沱していた。
彼の鋼の身体に唯一無二の傷をつけたのも、彼自身の鋼の腕だった。鍛えに鍛えた愛刀は鉄板を突き破ったような爆音を挙げ、悔いを残すことなく自らの一生に終止符を打った。
浅井長政(織田信奈の野望)
CV:斎賀みつき
青髪を束ねた美貌の戦国武将。女を道具扱いし、織田家に同盟の証として妹の輿入れを要求する。
…が、実はある秘密を抱えている。
浅井長政(戦国大戦)
CV:野宮一範
「1570魔王上洛す」から参戦。新勢力・浅井朝倉家の浅井家当主。
最上位のレアカードであるSR版と、初心者・群雄伝向けの「戦国大名(スターターカード)」版の2種類がある。
どちらも現在排出停止になっているが、戦国鬼札(せんごくジョーカー)という仕様のカードと、それによる「電影武将(デジぶしょう)」(排出停止したカードの代わりになるデータ置き換えシステム)により現在も扱える。
もちろん、実物が有ればそれも使用できる。
白くきれいな翼が付けられた鎧を着た特徴的な姿で、とにかく白が強調されている。
(義兄の信長は青と金色の禍々しい翼を付けた鎧を着ており対照的になっている)
信なくば義立たずの精神の下、信長の過酷なやり方ではいずれ行き詰ると考え、
信長の越前侵攻を機に離反して信義のために戦う……というある意味スタンダードな人物像。
台詞回りも『命尽きる時まで 正々堂々と戦え!』(開戦前)や、『どんな苦難に遭おうとも、守ってみせる!(『運命を乗り越えよ!』)』(計略使用時・括弧内はSR仕様のもの)など、やはり正義感の強いものになっている。
本項では、3つの仕様(SR・ST(UC)・SJK(戦国鬼札))を解説する。
SR仕様解説
二つ名は「近江の鷹」。
スペックはコスト3 武力9/統率9の騎馬隊で、特技は「魅力」。
コストに対して若干武力が低めだが、統率の高い騎馬隊というのは貴重な存在。
相手の妨害に強く、要所でのせめぎ合いでも安定した攻めが出来る。
SR版の計略「正義の進軍」は、長政自身が敵陣にいる間は浅井朝倉家の武将が追加の武力上昇を
得られる大名采配(自陣で武力+4、敵陣に入るとそれに+2、長政が撤退している場合「長政の最後に居た位置で固定」)で、積極的に敵陣に攻め込む展開で真価を発揮する。
なお、Ver1.2以前は陣形計略だったため、常に効果が変動する計略でもあったが、現在でも効果は変動する。
戦国大名(STないしUC)仕様解説
二つ名は「戦国大名」。
イラストはSR仕様のもののアップを使用している。
スペックはコスト2.5 武力8/統率8の騎馬隊で、特技は「魅力」。
SR仕様からコストが0.5減って、それに伴い武力・統率ともに1ずつ低下した。
ST版の計略は「円陣」で、円形の陣形を展開し、武力が3上がるという、初心者にとって使い易いカードとなっている。また必要士気もSRより軽い分、裏の手として組み込んで戦う事が出来る。
戦国鬼札(SJK)仕様
現在の「1582 -日輪、本能寺より出ずる-」からは、スターターパックの仕様が変更され、数種類の戦国鬼札がまとめて入手できるようになっており、この「浅井長政」は、織田信長、羽柴秀吉、伊達政宗と同じパックに入っている。
スペックはコスト2 武力7/統率7の騎馬隊。
上二つの仕様ではあった「魅力」が失われているが、元々のスペックをコスト比高バランスで備えているため、総合力は悪くない。
こちらの計略は「早駆け」になっており、自身の移動速度を上昇させるものになっている。
「死を恐れるな! 運命を乗り越えよ!」
余談
妻であるお市の方も参戦している。しかし彼女の計略は味方武将にかかっている計略を敵味方のもの問わず打ち消してしまう「流転の命運」のため、このゲームではめずらしく夫婦間の相性が良くないことが知られている。
また、共に筐体から排出されるカードである為、「SR浅井長政が来た!!」と思い、カードをよく見てみると「戦国大名」版でガッカリしたというプレイヤーが多々いると言われている(その事実は雑賀孫市にも当て嵌まる)。
関連タグ
関連人物
お市(妻・継室)