この先、 『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』第48話の重大なネタバレを記事内容に含みます。
概要
『機動戦士ガンダム鉄血のオルフェンズ』第48話「約束」の出来事。
火星の鉄華団本部をギャラルホルンに包囲される中、マクギリスがガンダムバエルで作った隙を突き、オルガはクーデリアとアトラを伴い何とか脱出、アドモス商会へ辿り着く。
そこで蒔苗東護ノ介との連絡がつき、さらにはタービンズ残党を仕切るアジーからの伝言も聞き、ようやく窮地を打破する足掛かりが見えたその時……
ノブリス・ゴルドンの刺客が独断でオルガ達を襲撃。同行していたライドを庇って無数の凶弾を受けたオルガは、三日月から預かっていた拳銃で刺客の一人に一矢報い、ひたすらに前に進みつつ、自らの血の海の中に倒れ息絶える、という最期を遂げた。
「俺は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり、その先に俺はいるぞ!
だからよ、止まるんじゃねぇぞ…。」
なお、ノブリスはその後報復を受けたが、それはまた別の話である。
余談
「個人情報を改竄して指名手配を回避する」という鉄華団らしくない方法や、わざわざ指定の場所へ本人が出向かなければならないという違和感のある指示内容から、勘のいい視聴者は彼の死を予測できていた。
――しかし蓋を開けて見れば、ヤクザ映画にありがちな「騙し討ちに遭って憤死する」という展開になるでもなく、「手続きの帰りにあっけなく撃たれて死亡する」というある意味衝撃的な展開であり、これが案の定賛否両論となった。
その上、問題のシーンは冷静に見直してみると突っ込みどころ満載である。以下は主要な突っ込みどころ。
- 指名手配されているはずなのに、変装の類を一切せず素顔で街中をうろつく
- 周辺を警戒していたはずのチャドが、ヒットマンの接近に全く気付かず後れを取る(直前にライドが「なんか静かですね」と発しているにもかかわらず、である)
- 逃げも隠れもせず、堂々とライドを庇うオルガ(「彼が尊敬する名瀬・タービンと同じく、最期まで“家族”を守ろうとした」という演出を意図していたようにも思えるが、一般的なライフル弾は人体を簡単に貫通するので、そもそも庇う意味があるのかすら謎)
- 医療技術が進んだ世界なのに、誰もオルガを治療しようとしない(応急処置さえしようとしない)(ライド達が応急処置云々を知らない、あるいは知っていたが「胴体を蜂の巣にされる」というあからさまな致命傷を前にどうしていいのか分からなかった、とも解釈できる)
さらに、後の展開を加味しても、オルガの流れ出た血で彼の遺言を補強しておきながら、生き残った団員達がオルガの復讐としてテロ行為を始めたり仕事に追われたりで進み続けていなかった点など、腑に落ちない部分が多かった。
そして、とてつもなく不謹慎な話だが、彼が死亡した時の体勢が映画『サタデーナイトフィーバー』のパッケージにおける主人公のポーズに似ていたため、純粋に悲しめないどころか、むしろそれがオチに見えて笑ってしまった人が少数いたとの事。特に、終盤の展開(オルガの行動を含む)に違和感を持っていた人ほど顕著だった。
このシーンだけ抜き取られるとギャグにしか見えないということが発覚して以来、これをネタにしたイラストなどが投下されている。詳しくは兄弟記事「止まるんじゃねぇぞ…」にて。