主人公については鬼太郎を参照。
概要
水木しげるによる漫画作品。
もともと水木は『墓場鬼太郎』というタイトルの貸本漫画を執筆しており、1965年に講談社『週刊少年マガジン』でリメイクを連載する折にタイトルを「墓場の鬼太郎」に改称した。
『墓場の鬼太郎』は当初短期集中連載の予定であったが、貸本時代からのファンからの要望により、不定期掲載が続くこととなる。主に特撮やギャグ漫画を好む当時の児童層からはあまり評判が芳しくなかったため、何とかして人気を上げるべく東映に掛け合いマーケティングを行おうとしたものの、「タイトルに『墓場』なんて付く番組なんか作れるかい」と一蹴される(結果的に『悪魔くん』のドラマ化に繋がった)。
1967年に本連載に昇格し、次第に鬼太郎が単なる不気味で執念深いだけの少年ではなく、悪行妖怪や悪い人間を懲らしめるような「ヒーロー」的一面が強調されるようになると、だんだん人気が回復を始めた。この頃には、貸本時代の話もリメイクされている。
そして1968年1月に第1期アニメの放映が決定すると、タイトルがアニメ版に先駆け「ゲゲゲの鬼太郎」に改題されるに至った。現在の単行本においては、一部媒体で『墓場の鬼太郎』名義が取られていることもあるが、『墓場鬼太郎』とはパラレル、『ゲゲゲの鬼太郎』の正式な前日譚であるというスタンスは変わりない(『鬼太郎夜話』は微妙なライン)。
連載作品一覧
- 手:第1話。フランスの吸血鬼ラ・セーヌと殺し屋ザ・マンモスが鬼太郎を暗殺しようとするも、右手だけで逃走した鬼太郎に追い詰められていく。
- 夜叉:所謂「鬼太郎が人間から相談を受けて~」のスタイルが確立した話(貸本時代にもあったけど)。ギターの音で人間を操る中国妖怪「夜叉」と鬼太郎が戦う。
- 地獄流し:警察から追われた極悪人二人の運命が、鬼太郎により操られていく話。悪い事は出来ませんな。
- 猫仙人:1200年の時を生きる「猫仙人」とその部下の野良猫に操られる村を鬼太郎が救う。肉体を持たない妖怪相手に鬼太郎が考案した作戦は後に何回か使用される。
- おばけナイター:アニメ第1話であり、3期の劇場版にもなった有名なエピソード。夜は墓場で運動会!
- 水虎:身体を液化し人間を乗っ取る「水虎」。その水虎を呑んでしまった少年を、鬼太郎が助けようとする。
- 吸血木:誤記ではない。当時話題になっていた松代群発地震にヒントを得た作品。人々が次々に木になっていく村を舞台に、鬼太郎が飛行機事故頻発の謎を解く。
- ゆうれい電車:初期鬼太郎の中でも特に有名なホラー短編。今の所、野沢~沢城までの全てのTVアニメで全く違う内容の話が放映された。原作ではお化けの存在を否定する現代人を懲らしめようと、鬼太郎が恐怖体験を行う話。
- 妖怪大戦争:鬼太郎のエピソードの中でもトップクラスの知名度を誇る長編。バックベアードやドラキュラといった西洋妖怪軍団相手に、鬼太郎親子とねずみ男、そして本エピソードが初出となるぬりかべ・一反木綿・砂かけ婆・子鳴き爺の7人の士(?)が立ち向かう。
- 大海獣:怪獣ブームに華麗に便乗した長編。元々は貸本時代の「ないしょの話」という話で、ゴジラのコミカライズに使うはずだったシナリオ。腹黒い科学者・山田秀一の罠により鯨の怪物にされてしまった鬼太郎の悲劇を描く。
- だるま:だるまの妖怪に乗っ取られたビルを鬼太郎が奪還する話。
- 妖怪城:またもダンジョン攻略系の話。たんたん坊・鎌鼬・二口女の三大妖怪相手に鬼太郎が戦う。
- 吸血鬼エリート:該当項目参照。貸本「霧の中のジョニー」が原作。
- 妖怪獣:またまた怪獣ネタ。四国の八百八狸軍団により蘇った蛟龍と大鯰が日本を襲う。
- 猫娘とねずみ男:この頃はまだ鬼太ちゃん猫ちゃんの仲だった。ちなみにマガジン連載で猫娘が出てくるのはこれが最初で最後。
- 見上げ入道:妖怪「見上げ入道」の祠でウ○コしくさり妖怪学校の生徒にされてしまったクソガキ、クソ猫、クソ毛虫を鬼太郎が救いに行く。
- ぬらりひょん:妖怪の総大将であり無差別爆弾魔でもあるぬらりひょんは、邪魔な鬼太郎をコンクリート詰めにしてしまおうとする。しかし鬼太郎はまたも手だけで脱出し…。
以降は『ゲゲゲの鬼太郎』に改称される。