ハンニャバル
はんにゃばる
概要
世界政府付属機関にして名立たる犯罪者を収監する鉄壁の海底監獄『インペルダウン』副所長。
モンキー・D・ルフィを主犯とする200人以上の大量脱獄事件後、不祥事の責任を取る形で副所長降格の辞令を受けたマゼランに代わって所長に就任した。
性格
インペルダウン配属直後の看守時代から人並み以上の野心を滾らせる一方、投げやりで油断だらけな勤務態度で何度も失態を演じており、当時の所長が勤務態度優良のマゼランを目付役として据えさせる問題児であった。
マゼランが所長に就任して以降も、副所長の地位にありながら出世欲の高さは相変わらずであり、気が少し緩んだだけでうっかり「偉くなりたい」「所長になりたい」と口を滑らせる(直後に「あ、間違えました」と慌てて取り繕う)だけでなく、事ある毎に何とかマゼランに責任を擦り付けて所長の座から引きずり落とそうと画策し、幹部以下の一般刑務官の前ではそれらをまるで隠す様子が無いどころか雄弁に語って聞かせるなど、むしろ刑務官時代よりも明け透けに野望を表すようになった。
その反面、収監中の凶悪犯罪者に対しては厳格に接し、一切の不正を許さない。そもそも、日々を懸命に生きる一般市民を瞬く間に不幸に貶める犯罪自体を憎んでいる節があり、日常の野心とは裏腹に己の命すら懸けて立ち向かう揺るぎない正義の心を持つ。海軍本部付大佐の1人であるTボーンと共通する「力を持たない人々の平和な暮らしを守る」という点については、「お前には心すら閉ざしていたい」と毒の効いた悪態を吐くマゼランをして「所長職の後任はお前しかいない」と密かな信頼を寄せられていた。
実は、看守を務めていた22年前にインペルダウン史上初の脱出に成功した大海賊『金獅子のシキ』が脱獄を決行した際の第一発見者でもある。
戦闘能力
インペルダウンの威信に関わる非常事態ともなれば秘蔵の薙刀(形状からすれば正確には「双刃の長巻」であり、イメージは『機動戦士ガンダム』のゲルググが扱うビーム・ナギナタに近い)『血吸』(けっすい)を持ち出すが、普段は現場に従事する一般刑務官と同様の三叉槍を常用し、それでも高い防御性能を持つ能力者であるはずの道化のバギーとMr.3を軽々と撃破、捕縛してみせた高い戦闘力を持つ。
しかし、その本領は海底監獄地下5階『極寒地獄』を一切の防寒装備無しで平然と巡回し、当時のギア2状態のルフィが放つ猛攻を受けてなお立ち上がる強靭な体力、それにも増してインペルダウンへ収監されるほどの悪人が大手を振って娑婆へ舞い戻る事を絶対に認めない不倶戴天の正義感を源とする屈強な精神力にある。
- ハンニャカーニバル "焦熱地獄車"(しょうねつじごくぐるま)
活躍
初登場時は副署長。義理の長兄である火拳のエースを奪還するためにインペルダウンへ潜入し、救出こそ失敗したものの多くの協力者を得て脱出を急ぐルフィの前に敢然と立ちはだかり、何度ぶっ飛ばされても絶対にその道を開けることなく戦い続けた。
それまでは、所長の座を夢見てマゼランを蹴落とす算段ばかりを考える姑息な腹黒さが目立つギャグ担当であり、先に述べたバギー・Mr.3捕縛の一件で仮にもインペルダウン副所長を務めるだけの実力者である事は証明されたが、ここで初めて
「何を……貴様らシャバで悪名上げただけの……“海賊”に“謀反人”……!!!何が兄貴を助けるだ!!社会のゴミが綺麗事ぬかすな!!!貴様らが海へ出て存在するだけで…!!!庶民は愛する者を失う恐怖で夜も眠れない!!か弱き人々にご安心いただくために凶悪な犯罪者達を閉じ込めておく ここは地獄の大砦!!それが破れちゃこの世は恐怖のドン底じゃろうがィ!!!出さんと言ったら一歩も出さん!!」
と己の心に秘めた正義を以って格上のルフィ相手に怒涛の啖呵を切ってみせ、読者の評価を一変させた。しかし、その直後に現れた黒ひげにより瀕死の重傷を負わされ、善戦虚しく力尽きた。
その後、2年後編の扉絵でインペルダウンの所長に就任した事が判明した。やったね。