人物
1932年9月10日生、東京都大田区出身。生前はテアトル・エコーに所属していた。
ルパン三世の声優として夙に有名。あまりにもルパン三世の印象が強かった為か、嘗てTV番組「クイズダービー」に出演した時、共にゲスト出演した加藤みどりが自身の持ち役を多数披露するのを見て「いいなアタリ役が多い人は。俺なんかルパンくらいしかネタが無いんだよ」と言って会場を沸かせたことがある。ただし実際はアニメの仕事が比較的少なかっただけで、映画の吹き替えなどでは寧ろルパン三世以外にも多数の当たり役を持っている(これは山田自身がアニメに対してあまり好意的ではなかったためであった)。
芸に対し真摯で厳しい態度を保持していた人物であり、また「『声優業』とは『役者』の仕事の1つである」と言う持論から「声優」と言う職業をひと括りにされることを特に嫌った。新人に対する指導の際は「声優になりたいと思うのならやめなさい。でも、役者になりたいのなら、やってみてもいいかもね」「声優を目指すな、役者を目指せ。演技は全身でするものだ。それでこそ『声優業』も活きてくるんだ」が口癖だったそうである。
1993年になると体調を崩すようになり、同年に放送されたTVSP「ルパン三世 ルパン暗殺指令」の後半の収録からは、車椅子に座った状態で収録を行った。この時すでに、山田は自分の寿命がもう長くはないことを察していたそうだ。(ルパン三世の音楽担当だった大野雄二氏にもう一つアルバムを出したいと語っていた)
そして1995年2月17日、脳出血によって倒れ意識不明となり、その1ヶ月後の3月19日にそのまま死去。享年62。
しかし当時は、この翌日に東京都で発生した「地下鉄サリン事件」の方が大きく取りざたされていた影響から、山田の死は余り大きくは報道されず、数日も経ってから彼の死を知って愕然としたファンも少なくなかったらしい。
出演作
アニメーション作品
うらなり@坊っちゃん
ジョー@山ねずみロッキーチャック
ジム@ハックルベリィの物語
ドン松五郎@我輩は犬である ドン松五郎の生活
人形劇
吹き替え
クリント・イーストウッド*3 | ジャン=ポール・ベルモンド*4 | グレアム・チャップマン(モンティパイソン)*5 |
カーミット(マペッツ) | ||
歌
みんなのうた「まるで世界」
*1 劇場作品『くたばれ!ノストラダムス』の予告編までの担当。後任は栗田貫一(同作の本編以降、全てのメディア作品で担当)。
*2 没後にリリースされたゲーム作品『タツノコファイト』では、野沢那智が代演。
*3 没後の出演作での吹き替え担当者は、次元大介役の小林清志(没後に制作された『トゥルー・クライム』『スペースカウボーイ』『ブラッド・ワーク』主演時の吹き替え(ソフト版))、銭形警部役の納谷悟朗(『目撃』出演時の吹き替え(ソフト版))、野沢那智(前者2名が吹き替えた両作品のTVオンエア版)、多田野曜平(山田氏が吹き替えを担当していた数作において、生前カットされて、吹き替えが実現できなかったシーンでの代役)、樋浦勉(ソフト版)・瑳川哲郎(TVオンエア版)(『ミリオンダラー・ベイビー』)、滝田裕介(『グラン・トリノ』)、納谷六朗(『人生の特等席』)。
*4 没後は、主に羽佐間道夫が担当。
*5 後任は安原義人(ゲーム作品『モンティ・パイソンのHoly Grail』、映画作品『人生狂騒曲』)⇒多田野曜平(映画作品『モンティ・パイソン ある嘘つきの物語 グレアム・チャップマン自伝』)。