「カプゥブルル!」
データ
他言語版の名称
英語 | Tapu Bulu |
---|---|
ドイツ語 | Kapu-Toro |
フランス語 | Tokotoro |
イタリア語 | Tapu Bulu |
スペイン語 | Tapu Bulu |
韓国語 | 카푸브루루 |
中国語 | 卡璞・哞哞 |
概要
初登場は『ポケモンSM』(第7世代)。
アローラ地方の守り神の一柱である伝説のポケモン。
先行して発表されていたカプ・コケコと同じく、名前に中点(・)が付けられている。
鼻輪とカウベルをつけた牛のような形態を持つとちがみポケモン。
タイプは一見するとほのおタイプと勘違いしそうだが、くさとフェアリーの複合である。
頭部にある木で出来た角は、草や花、木を育てる力を持っている。またこの角自体に力を作用させる事で巨大化させたり、変形させたりして戦うことができる。
頭部の部分を閉じる事で牛の頭部のような姿になる。
名前の由来は英語で牡牛を意味する「ブル(Bull)」で間違い無いだろう。
アローラ地方にあるウラウラじまの守り神と呼ばれているポケモン。
図鑑にまで書かれる程の物臭な性格であり、無駄な接触や争いを好まない。そのため尻尾の鈴を鳴らして自分の存在を周りに伝え、争いを避けるようにしている。
こういった性格だが、悪者には容赦無く攻撃を加え、大木を振り回しながら追い払う。
普段はウラウラじまにある「実りの遺跡」を根城としており、以上の設定からモチーフはハワイ四大神にして牛と農耕の神「ロノ」であると思われる。
また、過去にウラウラ島で栄えていた「カプの村」の人間たちは本来温厚な彼を激怒させたらしく、その時に村と、怒りの原因と思われる旧スーパー・メガやすを破壊し滅ぼしている(スーパー自体は現在アーカラ島に移転している)。
現在はスーパー・メガやす跡地としてその爪痕が残されているが、施設内部に人はおらずゴーストタイプのポケモンが住み着くようになった。
スーパー・メガやす跡地は試練の場所であり、試練の場所=カプ神たちのお気に入りの場所である。「カプのお気に入りの場所にスーパーを立てるなんて」と呆れているNPCもおり、ブルルの怒りの原因は「彼のお気に入りの場所をわざわざ潰して人間のための施設を立てた」ことにあると思われる。
しまキングの設定にのっとれば、クチナシをしまキングに指名したのは彼ということになる。肩書きに執着心のない流れ者のクチナシを選んだのは、ある意味ブルルらしい判断か。
ゲームでの特徴
外見通りとも言うべきか、攻撃に長けその数値はくさタイプ屈指の130。
次いで防御・特防が高めだが、肝心のHPが70と追いついておらず、素早さも75とカプ最遅。
特性は第7世代からの新特性である「グラスメイカー」。
カプ・ブルルがフィールドに登場すると同時にグラスフィールドが展開される効果を持つ。
攻撃種族値130から放たれるくさタイプ物理の大技「ウッドハンマー」が、さらにグラスフィールドの恩恵を受けるのだからその破壊力は圧巻の一言。くさ技は耐性を持つタイプも非常に多いが、ゴウカザル程度の耐久なら半減でも確定1発にしてしまうほどである。
ただし、グラスフィールドの効果によって相手も接地していれば体力を回復してしまう点、前述の通りカプ・ブルル自身のHPが低いせいで反動で落ちやすい点に注意が必要。
欠点はくさタイプを持ち合わせてしまったが故のサブウェポンの無さ。
フェアリー技は何と「じゃれつく」を覚えず、他のタイプの技も「ばかぢから」や「ストーンエッジ」以外はパッとした技が無い。ただでさえ「ウッドハンマー」が実質威力270もある為、半端な威力の技を選ぶ位ならば半減だろうが「ウッドハンマー」をぶちまけた方が強いのである……
つまり上記のサブウェポンの採用は攻撃幅を広げる為ではなく、「ウッドハンマー」を1/4にしてしまう相手にダメージを通す為である。
その為単純に技を固めると技スペースが余りやすく、低いHPを補うために「ウッドホーン」との同時採用も考えられるほど。
「マジカルシャイン」は覚えるものの、肝心の特攻もカプ最低の85しかない。特化してもその火力はエルフーンの「ムーンフォース」以下。
要するに、同じカプ神のカプ・コケコと違って130もある攻撃を捨ててまで特殊型にするのは結構無理がある。
攻撃面でフェアリータイプが全く仕事をしていないフェアリータイプも珍しいものである。
さらに自動で張るのがグラスフィールドなのも大問題。
このフィールド、自身との相性は良いのだがそれ以外となると「微妙」の一言である。特に味方が使う「じしん」の威力を引き下げてしまうのが最大の問題点。
ただでさえフェアリーの数が増加傾向にありはがねタイプの需要が上がっているにも関わらず、じしん半減は味方はともかく敵に塩を送りかねない。浮いているはがねにはそもそもじしんが効かない。要するにフィールド特有の「相手が受ける効果」がデカすぎるのである。
イメージにもピッタリな「10まんばりき」でも覚えてくれれば話は別なのだが…。
その為かシーズン1ではカプ・レヒレよりも多い状態だったが、次第に採用率が下がり現在ではカプの中で唯一30位圏外となってしまった。
かたやダブルでは「じしん」そのものが使いにくい為か30位圏内にいるが、やはり採用率はカプ最低なのは変わらず。
上記のように全体的には他のカプ神に遅れを取っているが、このポケモンの性質上カプ神対面にはめっぽう強い。
というのも、上記で示した通り素早さが75とカプ神中最低なおかげで、フィールドを確実に上書きすることができる。こちらからはフィールド効果の乗った強烈な一撃を叩き込めるので、相手が引かなければほぼ確実に倒せる。交代してきたとしても後続に大きな負荷をかけることができるので無駄にはならないだろう。
上手く耐久調整をすれば同僚への受け出しも十分可能なので、対策を怠ると痛い目を見る。使用率が低くとも油断してはならない。
つい最近ではダブルでジャラランガやメガゲンガーなどとの相性の良さが見いだされ、特に「こだわりスカーフ」を持たせて大暴れするタイプが猛威を振るっている。
Sが遅いとはいえ特化して1.5倍すれば最速135属まできちんと抜けるので奇襲としては申し分ない。
アニメのカプ・ブルル
CV:石塚運昇
サン&ムーン第44話で初登場し、第51話終盤を経て、第75話で主役としてついに登場。
クチナシの大試練に挑むための特訓相手としてアセロラから紹介される。
最初はサトシからの頼みを聞いてもあまり相手にしなかったが、しばらく様子を見てサトシの実力を認めると、モクローに対しては自らの特性で生やした木々を通じてエネルギーを与えはっぱカッターを習得させ、バトルを通じてルガルガンにストーンエッジを習得させるなど、サトシたちの成長に大きく寄与する結果となった。
性格はゲームでの設定どおり物臭で、普段は昼寝をしたりしてのんびり過ごしているが、バトルでは一転して能力で生やした大木を振り回す豪快さを見せる。
また、モクローはカプ・ブルルの角の間が気に入ったらしくそこで昼寝をするシーンもあり、マイペースな者同士で互いに馬が合う様子でもあった。
アセロラは面倒くさがりだが動けば頼りになるところがクチナシと似ていると評している。前回のテテフはかなり性格に難があったため、相対的にブルルの評価が上がる結果となった。
77話ではサトシとクチナシの大試練を空から見守り、2戦終えて疲労がたまるルガルガンにオボンの実を渡し手助けしてくれた。
余談
カプ・ブルルが守り神として祀られているウラウラじまの「ウラウラ」とは、ハワイ語で赤という意味。カプ・ブルルの体色と一致している。また、怒った際の破壊性から、「赤」のイメージと闘牛の際の「赤」も合致している。