2000年には上位互換機であるワンダースワンカラーも発売された。
概要
任天堂にてゲーム&ウォッチやゲームボーイといった名機を多く生み出してきた横井軍平が最後に設計に関わったゲーム機。
十字キーの代わりに4個のX・Yボタン郡を持ち、これにより横持ち・縦持ちのスタイルを確立している。
また、画面こそモノクロだが約5000円と安価で買える事と単三乾電池一本だけで連続20~30時間以上も稼働という長持ちさ、アクションパズルゲーム『GUNPEY』のヒット、スクウェアのゲームが多く移植されていた事などでも知られている。発売がバンダイという事もあり、ガンダムやデジモンのゲームも多く発売されていた。
ワンダースワン発売当時には既にゲームボーイカラーが発売されており、カラー化の流れには抗えず、結局発売から1年9ヶ月後にワンダースワンカラーが発売。
しかし、残像が多い・単純に暗くて見辛いなど液晶の質が悪く(後に液晶を改善した後継機「スワンクリスタル」が発売)さらに任天堂がゲームボーイアドバンスを出してからは結局、大きなシェアを獲得するには至らず徐々に後退していった。しかし、プレイステーションで発売された人気ソフトの外伝作や完全新作が多く発売された事もあり、良作・名作を数多く保有している。他機種へ移植されたソフトも多いが、アーカイブス配信が行われていない事もあり、ワンダースワンだけでしかプレイできないソフトは依然として多い。
公式ツールとしてC言語プログラミングソフトである『ワンダーウィッチ』も発売された。
このツールを使って自作ソフトのグランプリなども開催され、優秀作品は実際に販売された事もある(『ジャッジメントシルバーソード』『ダイシングナイト』など)。
他、赤外線機能を使った自律ロボットの操作ソフト『ワンダーボーグ』やポケットステーションを受信部としたプレイステーションとのデータのやり取り『ワンダーウェーブ』など周辺機器も豊富。
ポケットチャレンジV2
ベネッセがリリースした電子学習機器「ポケットチャレンジV2(以下、V2)」がワンダースワンをベースにしたものであり、外観やカートリッジ形状が異なるが実は派生機である。
V2のソフトはカートリッジのガワから基板を取り出してワンダースワンにセットするとそのまま起動する一方、逆にワンダースワンソフトを同じ方法でV2で行おうとしても起動しない為V2はワンダースワンをカスタムしたものである事がわかる。
携帯ゲーム機を学習用機器にカスタムしたものは恐らくワンダースワンだけだと思われる。
関連イラスト
余談
- 縦持ちスタイルは後にニンテンドーDSやプレイステーション・ポータブルの一部ソフトに受け継がれていたりする。
- ワンダースワンはスピーカーからの音が割と悪い。そしてイヤホンジャックが標準で付いておらず、拡張端子に接続する変換アダプタが必要だった。特にコナミからの唯一のソフト「beatmania for WonderSwan」はこの変換アダプタで聴かないとコナミがワンダースワンでやってのけた事の凄さが半減する。
- 他社のゲーム機と比べてカートリッジ側の端子が剥き出しになっている為、非常に汚れやすい。
- バンダイから発売された事もあってか、多くのアニメ・漫画作品にてこのゲーム機を見かける事ができる。最近では『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』にて式波・アスカ・ラングレーが所持していた事でも有名。
- 仮面ライダーエグゼイドの第1話に予想外とも言える登場を果たす。このゲーム機の存在を知らない人にとっては、実在のゲーム機である事に驚く人もいるだろう。おそらくスポンサーにバンダイがいるための登場だと思われ、一部の視聴者からは冗談めかして「エグゼイドの世界はワンダースワンが主流になった世界」説などがあげられている。劇中では16年前の回想シーンで主人公の宝生永夢が命を救われた医師から渡されたゲーム機として描かれており、仮に『エグゼイド』の時間軸が2016年とすれば、2000年に発売されていたワンダースワンが渡されたとしても不思議はないと言える。またあちらの世界では「当時人気でなかなか手に入らなかったゲーム機」とのこと。
- カクヨムにおいては『モノクローム・サイダー』というワンダースワンを持った女子と恋に落ちると言う恋愛小説が存在し、しかも書籍化された。